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「必殺技が欲しーい!」
「いきなりどうした遮音。必殺技なんて物騒な。」
「だって、ゲーム化する時に必殺技無いキャラは変な技になってるじゃないですかー。」
「メロン、アドバイスしてやって。」
「じゃあ酒瓶振り回すとかどう?」
「ダサッ!他には無いんですか!?」
「えー。お酒は色々便利だよー。全年齢対象作品で甘酒で泥酔させてエッチな雰囲気にしたり、バトル漫画なら酔拳の使い手がいたり。」
「でも私は違うんでしょ!そんなあまあまなエッチなお姉さんじゃなくて、うざ絡みしてくる厄介な後輩なんでしょ!」
無言で顔を見合わせるラミィと癒論。
「否定しろよ!」
その時、三人を激流が襲った。
「日本酒だ!わーい!」
「ぼぼぼぼぼ!たすけ!ぼぼ!」
「や~ん。服が透けて屈強な男共に乱暴されちゃう~。」
上流から鮪でサーフィンする茶黄が登場した。
「酒を笑う者は酒に泣くってんでい!ばーろーこんちくしょうめい!」
茶黄の足首を癒論が掴んだ。
「路上駐車だ!」
「海上保安庁でーす。」
四人は滝へと落ちた。
「いちち。おっぱい陥没したワー。」
「火山みたいなとこにきましたね。ん!ラミィ先輩!あれ!」
「あれ?」
大きな包丁を振り回す惚莇が走って来ていた。
「今夜はステーキだ!ヒャヒャヒャヒャヒャ!」
「べぇ!地獄の鬼だ!逃げるぞ!」
「大変だラミィ!茶黄さんが頭から地面に突き刺さっている。」
「なんだって!」
ラミィはどうする?
【師匠を助ける】【師匠を見殺しにする】
「師匠ー!」
ラミィは茶黄の両足を引っ張り、頭を地面から引き抜いた。
「ありがとうラミィたん!チュッチュッ!」
「行ってこーい!」
惚莇に向かって投げた。
「ほげぇ!」
二人の体は絡み合い、視界の外に消えた。
「これが必殺技ってコト!?」
「そう。誰かを助ける為に自分を犠牲にする覚悟があって初めて必殺技になるんだよ。あー師匠ってばカッコいい!惚れ直した!ん?」
地面からぬっと出た半透明な汚れた手がラミィの足首を掴んでいた。
「遮音たん、ずっ友だよね?私、遮音たんのことずっと、うにー!」
ラミィは地面をすり抜けて引き摺り込まれた。
「ラミィ先ぱーい!」
「あいつの遺言、うにだったな。」
そこにうにを埋めて水をやると、野生のラミィが地面を突き破って登場した。
「うにーッ!」
「これが必殺技ってコト!!」