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「邪魔するぜい!」
ネオン街唯一の駄菓子屋に二人の鉄腕娘々が来店した。
「うちらは泣く子も爆散するラミィ組だ!この店の菓子は全て我が組が頂く!」
「金なら払うぜ!このブラックカードでなぁ!クハハハハ!」
「そこまでだ!」
「何奴!」
「飛ぶ鳥を落として再び飛ばす!遮音組じゃい!」
「じゃい!」
遮音と楽阿弥が見得を切った。
「お前らは!」
「知ってるのか邪布たん。」
「品薄の新商品を買い占めてプレ値で販売する転売ヤーだ。こいつらのせいで廃れたコンテンツは数知れず。」
「そうだ!お陰で不良在庫の山だ!」
「自業自得だ!そんな連中が駄菓子屋に何の用だ!」
「ふっ。ここはネオン街唯一の駄菓子屋。ここの商品がすっからかんになれば、駄菓子は全部高騰する。」
「汚いぞ!それが大人のやることか!」
「何とでも言いなァ!音を遮ると書いて遮音よ。お前らの罵詈雑言なんぞ聞こえねぇぞい!」
「よ!遮音様!社会のゴミ!鉄腕娘々の恥さらし!」
「てめーは後でスクラップだ。」
「~ぁ。」
「さあ店主、あり菓子全部寄越しな!」
「おうおうおう!うちらを無視してもらっちゃ困るぜ!ここの菓子が欲しけりゃうちらを倒していきな!」
「ふっ。この遮音。雑魚を倒すのに手足は使わない主義でね。」
「馬鹿な!手足を使わずどうやって!」
亀になった遮音は四肢と頭を甲羅の中に引っ込めた。それを、
「それっ!」
楽阿弥が蹴った。
ミサイルみたいに飛んできた亀を叩き落とそうとしたラミィだったが、その時、亀が囁いた。
「いいのかい?動物虐待は動物保護団体が黙ってないぜ。」
「ッ!」
ラミィの動きが止まった。
「ほげー!」
ラミィの腹に突き刺さり、そのまま直進する。
「ほいっぺ!」
邪布も巻き込んで三人は店の外へ飛んでいった。
一人残った楽阿弥がクレジットカードをレジに置いた。
「この店の商品、全部。」
「あいよ。」
後日、コンビニのお菓子が大流行して遮音組は破産した。