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プロローグ(side:志帆)
プロローグ1つ目。
主人公目線です。
その日も、普段と変わらない日のはずだった。
普通に学校に行って、授業を受けて、普通に帰って、レッスンを受けるはずだった。
あんなことさえなければ……
どうして…
どうしてこうなってしまったのだろう。
私が、私たちが何をしたというのだろうか。
私たちはただの、役者や歌手の卵であるはずなのに。
誰かに夢を与えたかったはずなのに。
たくさんの人に笑顔を届ける存在になりたかっただけなのに…
……みんな、いなくなっていく。
いつも私をドキドキさせてくれる彼は、私を庇って連れていかれた。
いつも私に勇気をくれる友人たちは、どこにも見当たらない。
憧れていた先輩たちは、誰にも気づかれずに、少しずつ偽物に変わっていく。
怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。
夢なら覚めてほしい。
1秒でも早く、この悪夢から抜け出したい。
頭の中で、不気味な音楽がループする。
助けて。誰か助けて。
このままじゃ私は、ひとりぼっちになってしまう。