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2話

先日父に婚約者の存在を知らされました。

なんでも好条件の方のようでお父様はご機嫌でした。


「ユウナ、私はお前がとてもかわいいと思うと同時に不安でしょうがないのだ。最高の教育を受けさせたがそれは何一つ役に立たなかった。社交界に出ても残念なコミュニケーション、ダンスをすれば先生の足を折る…たった一つのとりえであるその容姿が衰える前にそれでもいいと言ってくれる男性とお前を一緒にさせたいんだよ」


急に涙を流しながらわたしを抱きしめてそう言ってくるお父様に私も泣きたくなってきます。

私のことを思ってくれるお父様の心とけなされているような気持とともに…

けどさすがお父様です。

私のことをよくわかっているのです。

とりえのない私は容姿が衰えないうちに今のうちいい条件の男性と結婚する方がいい。


よくよく聞けば婚約はまだであり、このままうまくいけば公に発表し、婚約・結婚という流れらしいのですが…

けどみなさん、私はないあたまで考えたのです。知恵熱でもおでてしまうのではないかと思うほどそれはそれは真剣に考えたのです。


顔だけ女である私はこのまま婚約者と結婚すれば、それはそれはごく平凡な幸せな人生が待っているのでしょう。


平凡こそ幸せである。


そうでしょう、納得します。

けどね、私はまたこうも思うのです。

歳をとって死ぬその時私はきっと思い出すのでしょう。

バート様に憧れた日々を

人生一度きり、ほんの少しでいい。あの人と過ごした思い出が欲しいのです。

婚約が公になる前に!!


女は度胸!そうでしょう?


この気持ちがしぼんでしまわないうちに私は向かいました。

どこにって?

もちろんバート様が執務の間休憩される一間にです。

ここでかしこい方ならわかるでしょうが、休憩されているところに話したこともない令嬢が乗り込んだらどうなります。

本当に考えなしもいい加減にしてほしいものです。


「バ、バート様私とウフフ、アハハなお付き合いしてくれませんか」


それもこんなバカ発言したらどうなります。

それを身をもって体験しております。


ドレスで足は隠れているけど、足は異常なまでに震えている。

唯一の美徳である顔なんてもう青ざめているのでしょう。


バート様が身にまとうオーラがどんどんと重く冷たく、それも目に見えるようです。


「は?」


経った一文字はここまで人を震わせることができるバート様は素敵です。

けど、初めて交わした言葉がこれってひどくないですか!!


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