85.侵蝕
『――ケルブ・ザウエル。オーバーエクスプレッション』
それは、これまでの黒一色とは異なり、フェイスガードと間接部に攻撃的な真紅色のラインを乗せた装甲。自然界で言うところの警告色であるが、人間界でこの色を出すのは、自らの存在を相手にむざむざと教えてしまう無謀ともいえる行為。
それ以上に、敢えて目の前の男と同じ色を乗せるということ。
それが勇治自身の意志であり、覚悟。
「くくっ……そうか……貴様もか……!」
愛樹は嬉しさを隠せないような笑い声を漏らし、自身も光の象形文字を噴出させ、新たな鎧を身に纏う。
『――レフレク・ヘックラー。オーバーエクスプレッション』
それは、一段と黒き闇を纏った真紅の装甲。
形状的な意匠はそこまで変わってないものの、以前のような鋭い光は消え失せ、全身を濁った血液が流れているような『澱み』を持たせた着色。
この男もまた、自らの弱さを乗り越えるための背水の鎧。
「強化調製ってやつか。互いにな」
「お前の方は……」
「天北のオジサンにやってもらった」
「あの人が……望んでか?」
「そうだ。でなければオリジナルのアルク・ミラーの強化なんて出来るわけないだろう?」
アルク・ミラーの視界の暗視モードが働き、互いの姿が露になる。
愛樹がまず先に足を踏み出すと、その両手の甲から幅広の鋭い刃が飛び出し、その切っ先を勇治の顔面へと向けた。
勇治もそれに呼応するようにゆっくりと右手を動かし、高熱を纏う刀身のマチェットナイフを発現させ、静かに構えた。
「君の武器は相変わらずそれか?」
「ああ」
「それで十分なんだな?」
「来い」
愛樹が更に一歩踏み出すと、勇治は無言のまま足を一歩引く。
次に踏み出しても、同様であった。
これが続けば、すぐに勇治の退路は壁に阻まれるであろう。
そんなのは一つ覚えの馬鹿がする想定だと、愛樹は頭の中の思考の霧を振り払う。
勇治の全身は微かに震えていた……が、それは一定の周期を保っている。つまり、無意識の恐怖から来るものではなく、意識的なルーチン。
(僕との距離を測っているな。コイツは冷静だ……!)
そう脳内で結論付けた瞬間、既に愛樹の蹴りが回っていた。
リーチは延長させたつま先の刃込みで切っ先が5センチ当たる程度。様子見でありながら、相手に的確なダメージを与える一撃。
(なっ!?)
愛樹のつま先の切っ先は確かに命中している。勇治のケルブ・ザウエルの胸部装甲を横一線に切り裂いていた。刃先から黒い血液が跳ね、相手の肉にも到達していることを確信した。
……が、致命傷ではない。勇治は後ろに飛び上がっていたのだ。ちょうど浩輔が明理の蹴りを一度だけかわした時の如く。結果だけ見れば、負傷している分、回避失敗とも言える。
愛樹もこれでは無様すぎると思った。これまでのやり取りは全てハッタリだったのかと、続けざまの連撃体勢に入ろうとまでしていた。
「この一撃っ……!」
愛樹の次の攻撃を止めたのは、どこか歓喜すら含むような声。
勇治が手を払い体勢を立て直すと、すぐに胸部の破損された装甲が修復される。
「これを待っていたんだ……!これを受けたかった!」
「何ぃ……?」
「感謝する!お前の慎重さに!」
反撃は、来ない。
勇治の右手にはナイフが構えられているだけだ。左手でナイフのバック……峰を支えているだけの良くある構えに過ぎない。そして、その手は微かに震えてすらいる。
次の瞬間には、爆発音と共に火花が舞い、暗い室内の輪郭を照らした。
ブラフだの小細工だのあらゆる想定が脳裏から排除された愛樹の追撃が勇治を襲い、互いの装甲の接触音が鼓膜を封じたくなるような金切り音を鳴らす。蹴りの数撃に加え、確実に仕留めるために更に一方踏み込み、刃付きの拳の連打。
勇治の体は今度こそ大きく吹っ飛び、大小様々に砕かれ、切断された装甲の破片がコンクリートの地面にじゃらじゃらと落下していく。
傍から見れば、この光景を見ている者が他にいたら、十中八九勝敗は決したと思うだろう。残りの人間だって、赤い方の圧倒的優勢を確信するに違いない。
「ば、馬鹿な……貴様……っ!?」
だが、先にうろたえたような声を上げたのは、攻め手側のはずの愛樹。攻撃を終えた自らの両手を目の前にかざし、その惨状に目を見開く。
両手の甲から伸びる刃に加えて、攻撃の途中で側面にも発現させた刃にできていた、不自然な形の無数の切れ目。亀裂とかいう生易しいものではなく、明らかにその間数ミリを、何かが通過したような損傷。指の数本から遅れてやってくる、焼けるような痛み。
感覚が一切無い脚も同様の惨状……いや、感覚が無いだけに、気づくのが遅れた分だけ被害は大きいのかもしれない。
(途中で攻撃を止めなかったら、千切れていたのは僕の方だったって言うのかっ……!?)
愛樹の心の中の質問に回答するように、勇治は両手を使って跳ね起き、体勢を戻す。
全身のあちこちの装甲がズタズタに切断され、ひび割れている状態で、おそらく中の肉体にもダメージは入っていると思われるが、沈黙のまま先程と同じ構えを取ったのだ。呼吸の乱れの有無は、フェイスガードが上手く隠している。
ナイフから放たれる高熱の光が、アルク・ミラーの暗視モードの視界を白く照らす。
「来い」
勇治は自動で修復されていく相手の装甲と刃を見ながら、低い声でそれだけ言った。
返事はつま先を地面に軽く当てる音のみ。
それ以降は、部屋から抜ける換気音だけがしばらく響いていた。
次に動いたのは、勇治。
ナイフを順手で構えたまま、一気に相手までの距離を詰める。あと数度はカウンターを狙ってくると想定していた愛樹は、そのせいで反応が遅れてしまった。
もっともその結果、ダメージを受けたのは勇治のほうであったが。左の上腕部を損傷し、この一手の勝敗は明らか。
『ここは回避行動ではなく、こちらからのカウンターを狙うべきだ』という決断に、あとコンマ一秒でも早く達していたら更に大きく踏み込めたのにと、愛樹は距離を取りながら内省する。
しかし、今の一撃で得るものもあった。
お互いに、だが。
(こいつめ……僕の攻撃が、見えているのか……)
愛樹は認識を改める。
今まで侮ってきた相手が、何かしらの対策を練ってきている。
いよいよながら、次なる手の内を見せねばなるまいかと、周囲を一瞥した。
(不用意に攻め過ぎたか……自信が出来たとはいえ、奴はコレで更に警戒するだろうな。ここからが勝負所だ……!)
一方で、勇治は気合を入れ直していた。
目の前の敵相手に戯言での舌戦、心理戦は通用しない。
相手に思考の時間を与えない戦い方は、これまでの出来事で直感的に学んだことであった。結果的に相手の瞬間的な対応力に破れる形となったが、下手に考えさせるよりは、こちらも相手の攻撃を見定めてから失敗する方がマシだと思ってのことだ。
「本当に、そうか……っ!」
今度は再び愛樹からの攻撃。
すぐさま勇治はナイフの切っ先を銃の照準の如く相手に合わせ、迎撃の態勢を取る。
戦闘時も、非戦当時も、目の前の相手の攻撃が夢の中に出てきていた。いくら互いにユミル製のオリジナルのアルク・ミラーと言っても、中の人間の能力差だけはどうしようもない。
ミューアにアルク・ミラーの強化が出来ないか相談したとき、最大のポイントはそこだった。
もっと強い力が欲しい。
じゃあ、どのように強くなればいいのか。
まず、武装の強化、つまり新武器が真っ先に挙がった。
もっといい武器はないのか。
例えば、深知のリーヴ・ゾーンの電磁加速砲。これは、間を置かずに却下されてしまった。
搭載のためのコードの容量不足と取り回しの悪さがその理由だ。そもそも深知は愛樹とは戦ったことが無いし(戦う気もないだろうが)、仮に戦ったとしても、距離を詰められれば確実に負けると言われた。それは勇治も納得した。
他に良い案はないかと尋ねたが、ミューアから返って来たのは『現状の武器でも、愛樹を倒すことが出来る』という、ある意味で最も残酷な回答であった。
勇治のオルト・ザウエルの武器はハンドガンとヒートマチェットナイフ。その二つは対アルク・ミラー装甲干渉仕様で、的確に当てさえすれば、相手の装甲は十分に破れる、というもの。
愛樹のフロイデ・ヘックラーの手足の刃と、マチェットナイフが拮抗したらどちらが勝つのかという矛盾的な問いかけにも、『刃先を確実に当てればナイフが勝つ可能性が高い』との回答。但し、一番初めに出会った時のように、ナイフの側面を蹴りを当てられてたら当然負けるとの補足付きだ。
あくまでも、純粋な武器性能はオルト・ザウエルの方が上。フロイデ・ヘックラーは超高速機動に容量を割いているはずだが、中の愛樹自身の能力によって、その性能を攻撃にも最大限転化させているのだ。
どんな武器でも人が扱う以上、最後は人の地力で優劣、そして勝敗が決まる。
対人戦や対錬装機兵戦にも慣れて来たとはいえ、ついこの前までは、勇治は義務教育を修めた程度の単なる普通の少年に過ぎなかった。アルク・ミラーがなければ今でもそれは変わらない。
情けなさと悔しさを握り拳に滲ませる勇治に対し、隣で話を聞いていた深知がぽつりと言った。
『端島の屋敷にいた時も、父さんとバカ息子が能力を付ける人の選定で色々揉めてたわね。優秀な人には逆にリスクが気になって付けれないって。だから、使い捨ててもいいような人間に――』
慰めているのか、本当に他愛のない皮肉のつもりで言ったのかは定かではない。
……が、その錬装機兵の話が、勇治の直感を後押しした。
咄嗟に思いついた強化案をミューアに尋ねると、渋い顔と共に、どこまで効果を引き出せるか自信がないが可能ではある、との答え。
はっきり言って悪手ではあるし、ユミルも分かっててやらなかった手法との悪い意味でのお墨付き。
それでも、結果は、まごうこと無き今が示すとおりだ。
(いける……こいつの攻撃がっ……見えるっ……!)
今まで全く捉えることの出来なかった愛樹の攻撃が、薄ぼやけた視界の中であるが、その向きがはっきりと分かる。何処を狙ってくるのかが分かれば、次はその対処だ。
この『強化』では、相手の攻撃を目では追えても、身体の動きでは完全に追い付けない。それほどに相手が異常なのだ。
だから、完璧に攻略する考えは初めから捨てている。最もナイフに近い所への攻撃に絞って、カウンターを狙ったのだ。後の攻撃は無理のない程度に全身をずらしてダメージを可能な限り抑える。
これだけでよいのだ。これだけで相手と張り合える。
(こいつだって、自分の攻撃が接触する瞬間を完全に捉えているわけじゃない……!俺がカウンターを狙ってくる事が分かれば、当然ナイフから離れた部位からの攻撃をしてくるはず……!)
勇治の予想通り、相手はナイフの射程内である上半身は避け、下半身、とりわけ脚部に狙いを定めてきた。脚を切り崩して動きを止める作戦。正攻法の一つだ。
足だけで軽く跳躍し、始めの数撃の裂傷を抑え、勇治はすぐにナイフでの反撃を止め、構えを崩さずにナイフを拳銃に変形させ、撃発した。
拳銃とはいえ、弾丸は干渉弾だ。同じ部位に数発当たれば、アルク・ミラーの装甲なら軽くガタつき始める。
(干渉弾の事を知ってようが知らまいが……ここで、必ず奴は動きを変える……!)
このタイミングで拳銃を使うということは、相手の動きに対しての機転が利いているということ、この状態からいつでも反撃に移れるということ、そう示せることだ。
故に、攻め手を変えざるを得ない。
(そして……こいつは回り込むか、上から来るかだ!近接武器しか持っていない以上、攻めるためにはそうするしかない!周りに投げられるような物もない!)
何度も、何度でも、頭の中で繰り返した戦い。
所詮は思い込みなのか。実戦では使い物にならないんじゃあないだろうか。そんな、不安ばかりが募っていた。それを払拭するために、最初の一撃を受けることが必要だった。
愛樹の体が左に揺れる。
勇治の目には、残像がくっきりと映っているような速さだ。
一度、互いの射程を離れたかと思うと、今度は逆に急加速して勇治の懐に飛び込んでくる。勇治には文字通り、目でしか動きを追えない。しかし、幸運だったのが、相手は武器の持ち手を見て、その逆から攻撃を狙ってきたのだ。そちらを死角だと思っている。
勇治の添えていただけの左腕が動き、逆手でもう一本のナイフが発現される。
接触までの刹那、勇治の脳裏には、間に合うかどうか分からないという恐怖よりも、相手に一矢報いることが出来るという高揚感を覚えていた。
(追えるのかっ……!?)
(間に合うのかっ……!?)
二人の思惑が交錯した瞬間、薄暗い空間に光の鮮血が走った。
先に戦闘の構えに戻ったのは……勇治。刃先の半分が折れてしまったが、これは直ぐに再生する。体の痛みも、今はかなり感覚が鈍ってはいるが、少なくとも動けなくなる程度のものではない。
対する愛樹は、同じく破損した腕の刃が修復されつつも、片膝をついたまま、立ち上がろうとはしない。勇治はこの一撃における勝利を確信した。
「ぐっ……なる、ほど……な。君如きが……付いて来るのか……」
「まだ勝負が終わってないというのなら……!」
「……ふぅっ」
愛樹は軽く溜息を付くと、さしたる苦労はなさそうにその場を立ち上がり、振り向く。その胸部と腹部の境目というところに横一線の大きな損傷が出来ていた。
――貫通はしているのか、していないのか。
勇治の注視も空しく、その傷は見る見るうちに修復され、愛樹は両拳を腰に付けながら、再び足のつま先で地面を小突き始めた。
フェイスガードの下で目を細める勇治に対して、更に人差し指が突きつけられる。
「まさかーとは思ってるんだけどさ、君、何か打ってるだろう?ヤクか何かを」
「…………」
「図星かな?まぁ、でないと、こんな短期間で僕の動きに対応できるわけないしね。僕はドーピングなんてやったことはないけど、中々効果あるもんだね」
愛樹のどこか乾いたような口調に対し、勇治は自嘲めいた返事を返した。
「こうでもしないと……勝てそうにないんでな…………!」
愚かな選択とは理解している。
だが、正しいかどうかではないのだ。
人にどう評価されるとかいう問題ではない。
「自分で選んだのか?」
「そうだ」
アルク・ミラーは原則的に中の人間そのものを強化するようには出来ていない。
肉体の錬装化は能力者の自壊をあまりにも早めてしまうため、あくまでも人体の外側に干渉することが大原則。しかし、既に作ってしまった物質を注入することなら、その限りではない。
薬物注入の原理は、錬装機兵『大和』のデータを参考にすれば、ミューアでもわけなく調製できた。
もちろん、精神安定剤などではなく、脳内物質の分泌をコントロールする即効性のドラッグだ。中には麻薬に近いものもある。
精神どころか、体も壊すかもしれない。まさしく悪手の調製。
「くくっ……!」
「何がおかしい?」
「この馬鹿野郎が……そこまでして僕に勝ちたいのかっ!?……ははっ、いいだろう、僕も考え方が甘かったのを認めるよ。徹底的にブチ殺してやるっ!」
愛樹の声が歓喜を含んだ笑いと共に激しさを増し、全身から光を放射する。暗視モードの視界はただ白い塊にしか捉えることが出来ず、すぐに通常視界へと変更されるが、結果は同じ。
――自分の知らない何かを仕掛けてくる。
勇治の脳裏に悪寒が走った。
「光栄に思え!コレを人に試すのは君が初めてだっっ!」
愛樹はそのまま二本足でつかつかと歩きながら、勇治に接近する。
両肩を垂らし、攻撃用の刃も出さず、加速用の爆破噴射も使わず、本当にただの早歩きだ。
それも、ひたすら真っ直ぐ。最短距離で。
対して、勇治は無言で突貫した。
愛樹の想定射程の三倍近くはあろう距離の時点で、敢えて自ら向かって行った。
相手のペースに乗せられることの危険性を察知し、愚直なまでにナイフで切りかかる。
(捕らえたっ!……いやっ!?)
ナイフから伝わってくる、強固な装甲の確かな感触。
一度止まってから、更に進む感覚。
命中している。
当たっているはずなのに、攻撃は空を切っている。
(回り込まれたっ!?)
だが、相手の体の軌跡は辛うじて目で追えていた。
今度は右方向への急加速。先程の反撃を警戒しているからこそ。それに、今度は始めからナイフを両手持ちにしていたのだ。
苦し紛れではあるが、初撃の反動に逆らわず、体を回転させながら左手で後方への攻撃をかける。
……これも当たった感触があった。
「まずは、良好」
勇治が体勢を戻した時には、愛樹は既に十メートル以上の距離を取っていた。
ダメージを与えたようには全く見えず、呑気に首を回しながら平然と直立している。
周囲にナイフが当たるような障害物も一切ない。
「そして、ここから君はサンドバッグになってもらう」
愛樹の一言と共に、勇治の全身を鋭い衝撃が襲う。
身構える暇もなく。
後頭部、左肩甲骨、右脇腹、左腹部、左脹脛、右脛……認識が追いつかない箇所も複数。
勇治が思わずバランスを崩すと、眼前にはこれまでと同様に急加速で迫り来る愛樹の姿があった。
(右手は……動くっ……いやっ!?)
あれだけ全身に『何か』を受けたというのに、なぜ腕だけが動くのか。そこを外したのか?
迎撃の判断が一瞬遅れた時には、下顎を突き上げるように再び『何か』の衝撃が走り、跳ね上がる視界が相手の存在を隠した。
ならば来るのは下段からの蹴りだと、勇治はそのまま体を大きく反らし、そのまま地面に背中から倒れこむと、空いた両手で地面を突いて一気に側面へ退避する。
体を起こすと同時に相手の方へ首を動かそうとすると、それを過剰に後押しするかのように頭部に衝撃が走り、間髪入れずに視界の外から殺気が襲い掛かってきた。
一発の爆発音と壁材のコンクリートが何度も砕ける音が、広い室内に木霊する。
薄暗い室内に白い粉塵が舞い、砂の落ちる音と共に、静かな残心の息が吐かれた。
「防御されたか……」
愛樹は先程の攻撃で完全に仕留めるつもりで、最大限の蹴りを放ったつもりだった。
間違いなく命中はしたが、脚部の刃先が歪に欠け落ちている。
腹の奥底から何かこみ上げてくるものを感じ、愛樹は狂ったように哄笑した。




