雪の小人
ちいさな雪が しんしんと
こまかな雪が さらさらと
こびとの手のひら ぱらぱらと
「はぁ~~」
「なんで ぼくは こびとなの?」
「こびとは いやかい?」
「だれ?」
雪のなかから そろそろと
雪の小人が よっこらしょ
「きみは だれ?」
「僕は 雪の小人」
「雪の小人?」
「うん、きみは なやんでいるだろ?」
「うん…ぼくは せが ちいさくてね…」
こびとのせなか とろとろと
雪のように とろとろと
「僕も ちいさいから、きもちは よくわかるよ」
「そうだよね、ぼくは 大人に なれないんだ」
「うん、でも、こびとには こびとのよさが あるよ」
「よさって なに?」
「小人のセカイをのぞけることさ」
雪のなかから きらきらと
ジングルベルが きらきらと
「ぼくには なかまが いるんだね」
「うん、大人には みえないセカイだよ」
「うれしい、ありがとう」
「どういたしまして」
「きみに なやみは ないの?」
「じつは、きみに きいてほしいんだ」
雪の小人が よそよそと
なやましそうに よそよそと
「僕らのセカイは 危機に ひんしているんだ」
「危機?」
「うん、大人たちが ぼくらのセカイを こわそうとしているんだ」
「えっ…」
「きみらに 僕たちを たすけてほしいんだ」
こびとのかおが びくびくと
緑のぼうし びくびくと
「ぼくは どうしたらいいの?」
「いま ふっている雪を かごに あつめてほしいんだ」
「かごに?」
「うん、かごにあつめて 僕らのセカイを かごのなかに とじこめてほしいんだ」
「えっ…でも…雪は とけちゃうん じゃないの?」
「だいじょうぶ!みずになっても くうきになっても、僕らのセカイは そんざいしつづけるんだ」
「なるほど」
「僕らのセカイを救ってくれるかい?」
こびとがいえへ テキパキと
かごをもちだし テキパキと
雪をあつめて ジーーーっと
こごえる手で ジーーーっと
「これで いいかい?」
「ありがとう、これで 僕らのセカイは すくわれたよ」
「かごは どうしたらいいの?」
「きみのいえで たいせつに まもってくれないかい?」
「えっ…」
「おそれることは ないよ。きみは 小人のもりびと」
「小人のもりびと?」
「うん、きみらは そうやって 大人になっていくんだ」
「小人を まもることで?」
「うん」
「僕らを一生守ってくれるかい?」
「うん、わかった!!」
小人のもりびと ドクドクと
大人のかいだん ドクドクと
たかまる心臓 ドクドクと




