第一話 召喚?
なんか外が騒がしいような、、、
、、、、おー、、、、せい、、、、よ、、、、、た、、、成功だ!
成功、、、?
一体何が成功したんだ。
というか、俺死んだんじゃ、、、
それに、隣に誰かいるのか、、、?
微弱だけど気配がするような、、、、
そう思って、俺が周りの異変に気づいてバッと目を開けて状況を確認してみると、そこには想像もしなかったような光景が広がっていた。
「よくぞお目覚めになられました!この国の救う聖女よ!!」
セイジョ、、、せいじょ、、、聖女!?
何いってんだこのおっさん。
「あの、、、聖女ってなんのことですか?」
おっ、隣に女がいたのか。
気配はあったけど無害そうだったから放置してたの忘れてた。
俺が女を観察しているとおっさんが張り切ったように説明してきた。
「はい!お答えいたしましょう。貴方様はこの国の聖女として、異世界から召喚されたのです!!」
マジかー。
おっさん、こいつびっくりしてるぞ。
あと、なんの説明になってねぇ。
それにしても、こいつが聖女なら俺は一体なんのためにここに来たんだ?
しゃあない、聞いてみるか。
「おい、おっさん。」
「お、おっさん?何たる口の聞き方!私は司教であるぞ!!」
「あ〜、そういうのいいから。単刀直入にきく、俺はなんでここに呼び出されたんだ?」
そう俺が質問すると周りは静かな水面のようにシンっと静まり返った。
そして、なんとなくだがとても驚い顔をしているように見える。
なんだ、俺なんかまずいこと言ったのか?
めっちゃ気まずいんだが、、、
そうして幾分かたった頃、急におっさんが劣化のごとく怒鳴りつけてきた。
「なぜなぜなぜだ!なぜ他のものが異世界から召喚されているのだ!!」
そう言われても困るんだが、、、
そっちが勝手に召喚てきなことをしてきたんだろうが。
そんな事を考えているとおっさんが衛兵に命令して俺を縛り付けてきた。
「はぁ!?何すんだよ!!」
「黙れ!!下賤の分際で、馴れ馴れしい。お前は聖女様の召喚に不当に割って入り、儀式の神聖さを穢したのだ!」
「なんことだよ。俺は入ってなんてないし、そもそもそっちが勝手に呼び出したんだろうが。」
「うるさい、うるさい!そんな戯言を言ってもお前の罪には変わりない。」
うん、だめだこりゃ。
俺は反論することをやめた。
なぜなら、このおっさんが俺の話なんて微塵も聞く気がない事に気づいてしまったからだ。
まぁ、こういう人はどこにでもいるよな。
っと、俺が諦めの境地に立っていた頃、おっさんが甚だしいように言ってきた。
「ふんっ。こうなっては仕方あるまい、此奴を敵国ムーンクレイ帝国に売ろうではないか。ここ最近、あやつらには困っておったのだ、これでなんとかなるだろう。」
やばいかもなぁ〜、という考えが頭に浮かんできた。
竹刀みたいな棒があれば一瞬でいいんだけど、、、
なんもないしな、、、
もういっそのこと素手でぶん殴るか?
そんな考えが俺の脳内を駆け巡った時、ふとあることに気がついた。
それは、これ敵国に売られたほうが徳かも、ということに。
だって、これ以上ひどいことにはならないだろうし最悪敵国でもこんなんだったら隙を見て逃げちゃえばいいし。
うん、そうしよう。
俺は兵隊っぽ奴らに引きずられながらこれからの作戦を練ることにした。