プロローグ
「以上!解散!」
はい”!
今日の部活も無事終了と、、、
疲れた〜。
まったくさ〜、いくらなんでも俺が剣道で全国優勝してるからってそんなにキラキラとした目で見ないでほしいよね、、、
そんな事を考えながら自宅への道のりを歩いていると、なんだか周りがざわざわしだした。
いったいなんだろう。
きゃー!!トラックが暴走しているわ!
みんな逃げろ!!
そんな掛け声に周りの奴らはパニック状態に陥っていた。
俺もはやく逃げないとか。
しかし、そんな俺の前にトラックが信号無視して女の子に突っ込んでいる光景が見えた。
まずい、と思った時には体はもうすでに動いていた。
キッキッキキィ———!!!!
ドンっ!!
ひっ人がひかれたぞー!!
はやく救急車を——
あっ、俺死んだ。
なんとなく直感的にそう思った。
しかし、俺は死ぬ恐怖よりも別のことが気になっていた。
それは、あの女の子が無事かということだ。
一応俺があの子庇ったし、衝突の衝撃も受けたつもりだけど大丈夫かなぁ。
やば、声聞こえなくなってきた。
視界も真っ暗だしなんか寒いな、、、
まだやりたいこといっぱいあったのに。
母さん、父さん、可愛い妹の梓ごめん。
こんな親不孝な子で、ごめ、、ん——
俺はその記憶を最後にこの世界からいなくなった。