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第三部:序盤戦 - 連合形成と最初の脱落者 -

バトルロイヤル開始から数時間が経過。戦場は徐々にその様相を変え始めていた。

最も早く動いたのは福岡だった。彼の熱い呼びかけに佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎が呼応し、瞬く間に「九州連合」が結成される。やや遅れて鹿児島も合流し、「打倒東京!九州の力ば見せちゃる!」をスローガンに、早くも中国地方への進軍を開始した。その進軍ルート上では、広島(お好み焼き型シールドと牡蠣型爆弾)と山口(フグ毒トラップ)が連携して九州連合を迎え撃つ「関門海峡の激闘」が勃発。福岡の「山笠突撃」が火を噴き、序盤から激しい火花を散らした。


一方、東北地方では青森、岩手、秋田を中心に「東北連合」が結束。宮城、山形、福島も加わり、山間部に強固な陣地を構築。秋田の「なまはげ部隊」が広範囲の偵察と奇襲を担当し、雪と寒さを利用した鉄壁の防衛線を敷いていた。そこへ、中部地方から進軍してきた山梨の「富士溶岩弾」が降り注ぐも、青森の「ねぶたファイヤーウォール」と岩手の「わんこそば弾幕」がこれを迎撃。「奥羽山脈の攻防」は、東北勢の地の利と連携が光る戦いとなった。


関東地方では、東京が「関東平定」を宣言するも、神奈川(横浜)が「東京のやり方には従えない」と早々に反発。両者は環状七号線を模したエリアで激突し、「環状七号線デスマッチ」が勃発した。東京のドローン部隊と神奈川の「みなとみらいレーザー」が交錯。千葉は「夢と魔法の防壁」で流れ弾を防ぎ、埼玉は「荒川土手シールド」で意外な耐久力を見せ、東京の進軍を遅延させる。関東は序盤から内部分裂の様相を呈し、カオスな戦場と化していた。


関西では、大阪と兵庫(神戸)が「笑いと実利」で即座に同盟を締結。京都に警戒しつつ、まずは周辺の小勢力を取り込む動きを見せる。その最初の標的となったのは、単独行動を主張する奈良だった。「我、大仏の教えに従うのみ。鹿こそ正義」と息巻く奈良に対し、大阪のたこ焼き爆弾と兵庫の神戸ビーフステーキのコンボが炸裂。奈良は大仏の光で反撃するが、鹿たちが神戸牛に釣られて離反し、早い段階で「大仏パワー切れ」により、最初の脱落者となった。



【戦況速報① - バトル開始6時間17分経過】


《公式速報 - 戦場管理AI ARIAより》

現時刻: バトルロイヤル開始より6時間17分経過。

確認稼働都道府県数: 45/47 (2県ロスト確認:奈良、鳥取)

主要連合形成状況:

九州連合 (リーダー:福岡) - 参加7県 - 活動地域:九州全域、中国地方西部へ進出中 - 脅威度評価:A+

東北連合 (中心:青森・秋田) - 参加6県 - 活動地域:東北地方山間部 - 脅威度評価:A

関西同盟 (リーダー:大阪) - 参加2県 (奈良を吸収) - 活動地域:近畿中部 - 脅威度評価:B+

甲信越同盟 (中心:長野) - 参加2県 - 活動地域:中部地方山岳部 - 脅威度評価:B

要注意エリア: 関東地方南部(東京・神奈川間の武力衝突継続中)、関門海峡周辺(九州連合と中国勢力間での大規模戦闘発生の兆候)

気象情報: 戦場全域、概ね安定。ただし、北海道エリアでは局地的な吹雪を観測。



《ネット民コメント抜粋 - 提供:匿名巨大掲示板「都道府県ちゃんねる」》

「東京vs神奈川、始まったなw 横浜がんばれー!」

「九州勢、はっや!もう関門海峡かよ!」

「奈良ちゃん…(´;ω;`)ブワッ まさかの最速脱落候補とは…鹿ェ…」

「大阪と兵庫、コンビネーションえぐいなw たこ焼きとステーキは反則だろwww」

「東北はやっぱり籠城か。雪と寒さは最大の武器だな」

「北海道、まだ動かんのか? 食料備蓄だけで勝つつもりか?」

「沖縄、どこおるん? 海の上で三線でも弾いてんのかなー」

「ARIAたんの速報キター!今回も的確ぅ!」



《ARIA分析コメント - 戦術予測モジュールより》

分析: 序盤は予想通り、地理的近接性および歴史的関係性に基づく連合形成が主流。

注目動向: 東京の関東平定遅延は、他連合の勢力拡大に時間的猶予を与える可能性。リスク増加率:東京に対し+15.3%。

九州連合の進軍速度: 当初予測を12.7%上回る。この勢いを維持した場合、中国地方の早期制圧確率:68.9%。

奈良の早期脱落要因分析: 戦力評価D、同盟拒否による孤立、対大阪・兵庫戦における相性の悪さ(対トリックスター戦略の欠如)。効率的ではない判断の結果と記録。

鳥取の早期脱落要因分析: 初期配置エリア(中国山地付近と推定)における局地的な豪雨により、砂を主体とする特殊能力が著しく減衰。環境変化への対応脆弱性が露呈し、戦闘能力を早期に喪失したと記録。そのあまりの早期かつ局所的な事象のため、他県への影響は観測されず。

北海道の戦略評価: 現時点では「静観」。資源消費率極小。長期戦における潜在的脅威度:依然としてSクラスを維持。

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