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【06 校門前】

・【06 校門前】


「悟志! 何かいいことあったっ?」

 校門から出る直前に、遼子から話し掛けられた。

 遼子ともクラスが違うので、こうやって遼子と会話できるのはやっぱり嬉しいもので。

「別に、いいことなんて無いよ」

「いやでも何かファンができたらしいじゃん! やるじゃん!」

 ……何でそんなこと知っているんだ、昨日の今日というかまさに今日のことだぞ。

 クラスの連中、全然俺のこと見ていない感じだったけども、ちゃんと掌握みたいなことはしてんのかな?

「まあファンというかなんというか、変なヤツだけどね」

「もしかすると悟志に彼女できたりするのかな! そうだったらもっと面白くなりそうじゃん!」

 そう手を叩いて笑った遼子。

 いや

「面白くなりそうってなんだよ、まあ確かに面白い感じのヤツだけどもな、俺に話し掛けてきた菜乃というヤツは」

「どんどん面白くなってくれよ! 応援してるから!」

 そう言ってグッドマークを出した遼子。

 いや別に面白さはどうでもいいんだけどな。

 遼子は続ける。

「楽しくなければ人生じゃないからな! どんどん楽しくやっていこうぜ!」

「まあ楽しくな、楽しいだけで生きていければそれ以上の幸せは無いけど、なぁ……」

「何その含みを持たせた溜息」

「いやだって最近変な人たちに絡まれまくりで。絶対放課後もあるからなぁ」

 でも遼子と一緒に帰れば無いかもしれない、と一瞬思った。

 ただそれと同時に、もしかしたら遼子も変なモノに巻き込まれてしまうかもしれないとも思った。

 だから

「まあ俺と関わっていると変なことに巻き込まれるかもしれないから、遼子もほどほどにな」

 俺のやるせない表情と言葉に対して、遼子は満面の笑みで、

「確かに!」

 と言って走り出した。

 いや!

「ちょっとは慰めてくれよ!」

 俺が大きな声を遼子に飛ばすと、

「何かあったらLIMEでその時の心境聞かせてよ!」

「いや何かあること前提で話を進めるな!」

 俺のツッコミには手を振ってバイバイするだけだった。

 全く、マジであることを前提にするな。

 でも遼子のあの距離感に救われている部分もあって。

 明るい日常が俺にはあるということが分かるだけで、少し安心する。

 さてと、校門の外に出たら変なヤツらがうじゃうじゃいるだろう。

 でもまあなんとか頑張って生きていくことにするかっ!

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