第2話目覚め
「廉、起きた?」
寝ぼけていた廉はその言葉で寝覚める。
「……舞」
「うん。動けそう?」
「どこかへ行くのか?」
「今日、本部決定戦が行われるの」
「本部決定戦?……何日寝てたんだ俺は」
廉は慌てて、着替え始める。舞の目の前で
「……」
「怒るなよ。寝ぼけたし、急いでたし」
「信じられない」
「……それで、今日の本部決定戦は東京本部は誰が出るんだ?」
「紫音と弟の氷君」
「兄弟で行くのか。どんなルールなんだ?」
廉は本部決定戦が行われる会場へと向かう途中で大会のルールを尋ねていた。
「単簡に説明するね。まず、殺しは禁止。そして、各支部と東京本部の代表は二名まで選んで、その二名に一ポイント、二ポイントをつけるの。そして、倒した人は倒された人のポイントを得るの。でも、その人が今まで数十ポイント持っていても、得られるのは元々のポイントだけになるみたい」
「……つまり、多く敵を倒し大量にポイントを持っている人を狙っても意味は無いな」
舞が大会のルールを廉に説明しながら向かっていた本部決定戦の会場が二人の眼前に現れた。
本部決定戦の会場は元東京本部の大型戦闘施設[森林スタジアム]ここは今回の本部決定戦の為だけに橘家が早急に造り上げた施設である。
廉と舞が会場の元東京本部の控え室に訪れていた。
「……来たな。木山廉」
やって来た二人を出迎えたの元東京本部防衛局副局長橘強絶だった。
「橘さん」
「何も言わなくて良い。一回戦目は俺達は見ている事しか出来ない。見れば、全てが分かる」
強絶に言われるがままに廉は中継されているモニターを確認する。
「なんだ……これ?」
モニターには現在の得点が表示されており、現在のトップは圧倒的に北海道支部だった。
北海道支部の一回戦目に出てきたのは、魔法を扱う者が多いとされる北海道支部の防衛局の白魔術団のリーダー小鳥遊小百合が山口支部の二人、埼玉支部の二人、熊本支部の二人を開始早々に倒して居た。
「探知系統の力で居場所を特定したんでしょうか?」
「誰の目から見ても、そうなるだろう。小鳥遊小百合の魔力量からしても魔力を放出させ、魔力に触れた障害物を把握するのは簡単な事だろう。しかし、見た限りではそれはないと断言しよう」
「何故です?」
「噂では、小鳥遊小百合は未来を見通す女と言われる。確実に言えるのは、こちらの二人が小鳥遊小百合と接触しない事を祈る」
「それじゃ、二人とも、ただ負けてないんですね」
「あぁ、