12話
「目が覚めたか?タロウ!」
真っ白な歯を光らせて、サムズアップをするパットン
周りを見ると先程までいた演習場だった
(俺が目覚めるまで近くにいてくれたのか??)
「そーいや、俺は合格したでいいんだよな??」
気を失ってた事を思い出して、確認をとるが、
パットンは白い歯を光らせて、サムズアップするだけだった
「ところで俺どのくらい寝ていたんだ?」
外は薄暗くなってるのは、窓を見ればわかるのだが実際のところわからないんだよな
「大体2時間ぐらいじゃないかな?試験を始めて送り届けるまでが俺の仕事だからな、大丈夫だ『タロウは合格』と連絡はしてある、丁度冒険者証もできあがってるんじゃないか?」
パットンはそう言いながら、出口の方に指をさし受け付けに向かうように指示を出し、机に座りながら酒を呷る
(美味そうに飲みやがって!!)
そんな目で見てると
「冒険者証貰ったら、お祝いで飲もうじゃないか!」
「嬉しいんだが、俺は無一文だから飲み代なんてないぞ?」
「お祝いって言ったじゃないか!俺の奢りだよ!奢り!」
(パットンっていいやつじゃないか!!)
「ああ、ならお言葉に甘えるか」
「じゃあ、貰ってきな!」
嬉しい言葉を受け、俺は軽い足取りで受付に向かうのだった