ネオ・ブリザードの午後8時半劇場 ⑦
俺の名は『尾崎松倉』こう見えて45歳だ。
俺は今『ヘラーワーク』で絶賛求職中だが、いまだに仕事にはありつけていない。
理由は自分でも分かっている……学生時代や若い頃にアニメやゲームばかりして、遊び呆けていたからだ。
別にアニメやゲームを愚弄している訳じゃない。ああいうのが本気で好きな人達って、趣味を楽しみたいが為に仕事に性を出し、その為に仕事を覚える。
まあ、何て言うか、自分は全てにおいて中途半端だったんだ。今更だけどな。
ああ! 中学生の時に「俺の奥歯には暗黒菌がー」とか、成人になってから書けもしないのに小説家目指して「大丈夫、こっから凄い展開になるから」とか言ってた自分を殴りたい!
と言うか、今すぐ殺したい!!
殺して、人生やり直したい!!
「と、言う訳でお前を殴り殺しに来た!!」
「え!? あなた、誰ですか!?」
「俺は、約30年後のお前で、未来から来た……って、お前、まだ『暗黒菌』とか言ってんのかよ!?」
「ご免なさい! なに言ってるか良く分かんないです!」
「五月蝿ぇ!! とにかく、俺は昔のお前を殴り殺して、人生をやり直す!!」
「待って下さい!! そんな事したら……」
「問答無用!! うおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」
――――死んだ。
……おしまい。