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昼食の時間

 4校時目が終わり、昼食の時間_

「やっと授業終わった…」

 於菟はふー、と息を吐き、財布を手に持つ。

「於菟さんは購買部に買いに行くんですか?」

 祐が聞くと、於菟は頷いた。

「自分で作れる程得意じゃねぇし、親は朝から居ないからいつも購買部行ってんだ。祐は手作りなのか?」

「はい。やっぱり手作りの弁当は美味しいし、弁当作るの楽しいので!」

 あ、でも…と祐は鞄から財布を取り出す。

「於菟さんが買いに行くなら、僕も一緒に行っていいですか?」

「!?」

 予想外の事に、於菟は財布を落としかける。まさか、一緒に買い物なんて…もちろんOKし、弁当を持った嬉しそうな祐と一緒に購買部へ行った。

 購買部にて_

「けっこう混んでるな…」

「ですね…」

 ロビーの席はほぼ満席、購買部にも人が押し寄せていた。

「これじゃまず昼食買えねぇな…」

 ため息をついて教室に帰ろうとした於菟を祐が引き留める。

「せっかく来たんですし、何か買っておきましょう!足りなかったら僕の弁当分けるので!」

 祐の笑顔に於菟は悶える。

(ホントお前は天使か…!?)

 ちなみにほぼ弁当目当てだが、於菟は反射的に

「パン買ってくる」

 と言って購買部へ向かった。

「僕席取っておきますね!」

 祐がそう言って空いている席に向かって歩く。於菟は顔を手で覆って周りに感情がバレないように購買部に行った。

(あ、祐の分も買っておこうか…)

 そう思ったが、祐がパンが嫌いだったら申し訳ないのでやめた。

「クリーム1つ」

「あいよ」

「ほい」

「ほらよ」

「あざ」

 いつもの店員といつもの会話を交わし、クリームパンを受け取った於菟は祐を探す。手を振っている祐を見つけ、そこまで早歩きした。

「於菟さん、クリームパンにしたんですね!僕も好きです!」

 祐はクリームパンを見て嬉しそうに言った。

(祐はクリームパン好きなんだな…)

 明日購買部に行ったら買っておこうと思いつつ、於菟は祐の弁当を見る。ご飯に猫の形に切り取られていた海苔が載っていた。

(可愛い!!女子力高い!!!)

 心の中で合掌し、クリームパンを頬張る。クリームパンがいつもより美味しく感じられた。

「あ、そうだ!」

「ん?」

「僕、デザート持ってきたんです!於菟さんもどうぞ!」

「い、いいのか?」

「はい!一緒に食べた方が美味しいですし!」

 祐は苺が入った容器を取り出す。そして大きめの苺を於菟に渡した。

(大きいのを分けてくれる祐、優しすぎる…)

 半分に分けたクリームパンの片方を残し、於菟は苺を食べる。

(超美味い…最高に美味い…)

 苺を味わって食べていると、祐が

「於菟さん、そのクリームパン食べないんですか?」

 と聞く。

「あぁ、クリームパン好きならあげようと思って半分にして残しといたんだ。」

「え、いいんですか!?於菟さんの食べる量減っちゃいますよ!」

「いや大丈夫。祐からも貰ったし。」

「あ、ありがとうございます!」

 祐がニコッと笑いながらクリームパンを受け取るのを見て目元を押さえた。泣きそうになった。

(何で祐はこんなに尊いんだ…!)

 そう思いながら祐が美味しそうにクリームパンを食べるのを眺めていた。

 そして祐がクリームパンを食べ終わると

「じゃあそろそろ教室戻るか。」

 と言う。祐は頷いて空の弁当箱を持った。

「そういえば、財布持ってきたのに何も買ってないや…人減ってきたし、何か買ってこうかな…」

「いいんじゃないか?俺もついでに他の買おうと思ってたし。」

「そうなんですね!じゃあ一緒に買いましょう!」

 於菟と祐は購買部に向かった。

「何買う?」

「じゃあプリン買いましょう!」

「分かった」

 プリンを買って教室に戻る。

 教室に戻った於菟と祐は、席に着いてプリンの蓋を開けた。

「於菟さんは中身かき混ぜるんですね」

「こうやって食べるのが好きだからな」

「そうなんですね…僕もやってみよう!」

 祐がプリンをかき混ぜて食べるのを見て、於菟は心の中で泣いた。

(俺の真似してプリンを食べるとかホント尊すぎる…うっ…)

 すると祐が

「於菟さん?」

 と聞いた。ビクッと肩を震わせた於菟は

「え、あ、何でもない!」

 と言ってプリンを食べる。祐ははてなを浮かべながらも、プリンを食べた。

 好きなものなどを色々話していると、チャイムが鳴った。

「昼食の時間終わっちゃった…」

「話しながらだと終わるの早ぇな…」

 クリームパンの袋とプリンの容器と蓋をゴミ箱に捨てると、於菟は

「何する?」

 と祐に聞く。祐はしばらく考えると

「屋上に行きましょう!」

 と言った。

(屋上で何するんだ?)

 そう思いながらも、祐に着いていって屋上に行った。


 屋上_

「風が吹いてて気持ちいい…」

 屋上には誰も居らず、祐は走り回る。

(子供みたいだな…)

 於菟は走り回る祐を見て微笑む。すると祐は於菟の所に来て於菟の手を引っ張った。

「え」

「昼食の後に走ると気持ちいいですよ!」

 ニコニコとした祐は於菟を引っ張って走る。最初はよろけたが、於菟は体勢を直して祐と一緒に走る。

「風が気持ちいいですね!」

「そうだな!」

 2人はしばらく走り回り、疲れて大の字になって寝そべった。

「祐、走るんなら校庭でもよかったんじゃないか?」

「そうですけど…屋上って人あんまり来ないから好きなんです。ここだと風が当たりやすいし…ここで一緒に走ったの、於菟さんが初めてで…楽しかったです!」

 於菟を見てニコッと笑う祐。於菟はしばらくその顔を見ていたが、ハッと我に返ると

「お、俺も楽しかった!」

 と言う。祐は

「於菟さん、可愛いですね♪」

 と言った。

「………………え?」

「そうやって顔赤くさせて僕の事見つめてる所とか♪」

 悪巧みをしているような顔で於菟を見つめる。祐の顔を見るのが恥ずかしくなり、於菟は目を逸らした。

(不意打ちは………キツい………!!!)

 顔を手で覆うと、祐がふふっと笑う。

「於菟さんの事、大好きになりそう♪」

「!!??」

 祐は寝返りを打った於菟の背中に文字を書く。於菟は興奮を抑えて祐が文字を書き終わるのを待った。

 “おとさん すき”

「…………////」

「僕と友達になってくれてありがとうございます♪」

「………俺も、友達になってくれて、ありがとうございます……///」

 於菟は震える声で言った。祐はニコニコと頷いた。

「あ、そろそろ昼休み終わるから教室に戻りましょう!」

「……あぁ///」

 祐は赤面している於菟の手を引っ張って屋上を出た。




(祐…ホント尊い……!!!)

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