一学期末テスト ~2校時目~
チャイムが鳴り、監督の先生が来た。
2校時目は国語。祐はテストの解答用紙を見てため息をつく。
(最後に作文がある…そこまで行けるか不安だけど、書く文字数が多いな…)
国語が苦手な祐はよく記述の半分をやらずに提出していた。しかし今回のテストは記述が多くやらないと点の半分も取れなさそうなので、しっかり問題文を読んで解く事にした。
(うーん…漢字はけっこういけそうだけど…物語の問題が多い…読むの時間かかっちゃうな…短そうな問題からやるか…)
問題用紙を眺め、後半の問題から解く。テスト開始から5分が経過した。短そうな問題を解いた祐は物語の問題に移る。2分かけてだいたい読み、問題を見た。
(えっと、この問題は…)
祐は問題文と文章を交互に見て問題を解く。いつもなら15分はかかるが意外と簡単だった為10分くらいで終わった。
(よし、ここは終わり…でも作文あるんだよな…どうしよう…)
作文もある事を考えるとあまり他の問題に時間を使っていられないと考えた祐は、先に作文からやろうと思い問題用紙を裏返した。
(うぅ…作文からやろうと思ったけどこれ文章読まないとじゃん…めんどくさいなぁ…)
そう思いつつ隣の文を読む。ある程度読んだ祐は問題用紙にある下書きのマスに作文を書いていく。
(こういうのってそれっぽく書けば点取れるんだよね…於菟さんに作文書く時のコツとか教えて貰えばよかったなぁ…於菟さんなら作文満点取れそうだし…)
消しては書き直しを繰り返し、文がまとまったので解答用紙に書いていく。書いている途中で何となく於菟の方を見た。
(於菟さん、テスト頑張ってる…於菟さんは僕の方見れないか…於菟さんが良い点取れるといいな…)
そんな事を考えながら於菟の背中を眺めていたが、ふと作文の前の問題をやっていない事に気づいた。
(あぁぁ早くやらないと!作文に時間かけすぎちゃった…!)
慌てて問題用紙を捲り残りの問題を解く。それ程難しい所は無かった為何とか全部書き終わった。ホッとして見直しをしようとした時、チャイムがなった。
(あ…うぅ、凡ミスしたらどうしよう…)
ため息をついて解答用紙を回収しに来た男子に解答用紙を渡す。そして監督の先生に挨拶をすると、祐は於菟の肩をつついた。
「於菟さん…」
「おぉ、どうだった?」
「全部は埋まりましたけど…見直しが出来なくて…漢字とか自信無いです…」
祐がそう言うと於菟は苦笑いして祐の頭を撫でた。
「まぁ、全部書けたんだからよかったじゃねぇか。それだけ頑張って考えたって事だし。」
「於菟さん…ありがとうございます!」
祐がふにゃっと笑うと、於菟は空いている手で口元を押さえて
「祐最高」
と言った。祐ははてなを浮かべる。あまり於菟の言った言葉を気にせず、ふと明朱加の席を見た。いつもなら授業終わりには必ずと言っていい程絡んでくる明朱加が来なかったのが気になった。
(あれ、明朱加さん…?)
明朱加はスマホを眺めている。何をしているんだろうと見ていると、於菟が
「明朱加が気になるのか?」
と話しかけてきた。祐が頷くと於菟は席から立ち上がり、明朱加の元に行く。祐も慌てて着いていった。
2人で明朱加の席に行くと、明朱加はスマホの電源を落とした。
(あ…)
そして2人の方を向いた。笑顔だった。
「どうしたの2人共?もしかして俺が席来ないから心配して来ちゃった?」
「別に…珍しいなって思ったんです。今スマホ落としましたけど何してたんですか?」
於菟が祐の手を握りながら聞く。明朱加は何でもないよ〜と手を振る。
「それより、まだテストあるんだしテスト勉強でもしたら?俺の事気にしてる場合じゃないでしょ。」
明朱加の煽るような言い方に少し苛つくが耐え、於菟はテスト勉強をしようと廊下に出る。祐も於菟を追いかけて廊下に出た。
鞄から教科書を取り出してパラパラとページを捲る。祐が
「もうすぐ時間になります!早く教室に戻りましょう!」
と言ったので於菟は教科書を鞄にしまって教室に入った。
(明朱加…最近よくスマホ弄るよな…体育祭の昼食の時も…誰かと連絡取ってるのか?)
於菟は席に着くとスマホを眺めている明朱加を見る。監督の先生が教室に入ると電源を落として引き出しの中にしまった。
(…誰と連絡取ってるのか気になるな。)
明朱加から直接聞くのは無理そうな為、アイツにでも聞いてみるか…と思いながら渡された問題用紙を受け取り祐に渡す。
(祐の家の事も気になるし…祐、無理してなきゃいいけど…これが終わったら修学旅行がある訳だし…)
祐の事を心配しつつ、次に配られた解答用紙も受け取る。祐に渡し、問題を解き始めた。
(……お母さん、修学旅行の時に誰かと会うって言ってた…“また”何か危険な事するのかな…於菟さんが巻き込まれないといいな…)
作者です。テスト編、2校時目です。
テストってめんどくさいですよね。私もテス勉しないでよく遊んでました。祐くんみたいにちゃんと努力出来る人になりたかった
書く事が無い
ここまで読んでくださりありがとうございます。もっと更新ペース上げないと…でもテスト編終わったら次修学旅行編じゃん…まだ書けてない…




