第31話 認識誘導
不満を爆発させた。大人げなかった。
神原は俺の同じ境遇の人間だ。
会って話をしたい、もう1人も含めて2人が過ごしてきた10年間に非常に興味があった。
だが、それは変容した。目的は同じでも結果が変わってしまった。
神岐は神原に嫉妬してしまった。顔も能力も分からぬ相手に。
子供のようだろう。自分を見てもらえなかったから拗ねるなんてのは。親に見てもらえない子供が非行に走るように。
認識誘導は最強だ。これは誰が見てもそう言うだろう。既に日本全国、世界ですら容易に催眠にかけられる力。
第3次世界大戦の引き金にもなりえる力。
それなのに、ドクターとやらは俺ではなく神原に自ら会いに行った。奴も俺の能力と同程度の能力ということか?どんな力か見当もつかない。
あの時雨とか言う女の子も相当のって言ってたから俺クラスってことだろうか?
会ってみたい。会ってその力を確認したい。
鬼束丹愛のような勘違いをする輩ではないことを願いたい。
俺の体を見ずに俺とやりあえる相手…いるわけがない。
見たら終わりの相手にどうやって相対する。
遠距離から狙ってもスコープから俺を見たらそれで催眠はかかる。声を聴かせればだが…。
盲目…でもないだろう。鬼束丹愛も中々の超能力者だった。その兄貴が弱いわけがない。
癇癪のような感情で丹愛が去る時に催眠をかけてしまった。
『テレポートして白衣の着た人を視界に捉えたら能力を暴発させろ』
移動先にドクターがいるかも分からない。
そもそも一回でアジトにまで戻れるのかも分からない。一回の移動距離が制限させているのならすぐ近くで高鬼による被害があるはず、それがないということは戻れたんだろう。
瞬間移動、鬼束零の隠れ鬼と合わせれば強力な力になる。
隠れ鬼で随時追跡、そして瞬間移動で奇襲。
これほどのコンボを持ってしても勝てないというドクターを狙う謎の敵。
もしかしたらドクターが俺達に力を与えたのはその謎の敵と戦わせるためなのかもしれないな。
だが10年という空白期間は一体なんなんだ?巻き込みたくないなら最初から超能力者にしなければいい。事実、鬼束達や時雨はギブアンドテイクで超能力を与えている。
俺達と彼等の違いはなんだ。
そして、丹愛が言っていた人間を超能力者にするアイテム。それは一体なんだ?
10年前から存在していたのなら何故10年でもっと超能力者を増やさない?
俺達3人よりも100人ぐらいの超能力軍団でも結成した方が力になるってのに。
くそっ、頭がゴチャゴチャしてきた。
とりあえずもう日も沈んできてる。帰ろう。もうゲームをするって気分じゃないな。明日大学帰りにやるとするかな。
神岐は廃ビルを後にする。
夕暮れで前の通りも通行人が増えてきた。
あの子供のように不審者に見られたら面倒だ。
なるべく人が少なくなったタイミングを見計らい、神岐はそそくさと帰っていった。
♢♢♢
7月26日
鬼束丹愛との戦闘から2日後。
神岐は来週のテスト勉強をしている。
英語の勉強だ。あの時丹愛に邪魔されて結局出来なかった。他の講義はどうにかなるが英語だけは知識として英単語熟語を覚えていないと厳しい。
だが一昨日昨日と体を安静にしてたおかげで大分怪我は回復した。
それでも昨日大学に行ったら奈良星や江藤さんには心配されたけどな。
1番は背中の痛みが引かないことだな。
背中は手が回らないし人に頼るのも余計な心配をかけてしまうし。打撲だから治療の必要もないが。
2時間ほど英語の勉強をし、神岐は一息ついた。
勉強ってのは1日何時間やるとかって目標を定めるよりもやりたい時にやるぐらいが丁度いい。勉強にはモチベーション、気分は大事だ。それはそのまま集中力に直結する。やりたくない時に無理にやっても意識は向かないし体が無意識に抵抗してしまう。
俺はその方法で大学に受かったと思ってる。
高校の先生にはだいぶ渋られたし親にもしょっちゅう勉強しろ勉強しろと家で言われてたからな。あれほどやる気を削ぐものではない。
俺がどんなにモチベーション理論を説明しても理解はされなかった。そんなんで京海大学に受かるわけがないって喧しく言ってたっけな。
しかも俺はcomcomの活動も並行して行ってたらより家では勉強しなかったしな。
まぁ親にはもしこれで受かったら1人暮らしを認めて俺の生活に干渉するなと約束を交わし、無事にそれを現実のものとしたけどな。
もし落ちたら俺はあんたらの援助なく、俺の金だけで浪人するって代償も決めてな。
大学に受かった時の親の驚いた顔は堪らなく気持ち良かった。
両親にとっても悪い話ではなかったはずだ。受かれば御の字、落ちれば金をかけなくていい。
その流れでお祝いしなきゃとかほざいた時は全力で断った。掌返しはキモい奴のやることだ。
その後すぐに引っ越し先を探してこのマンションに住むことにした。
その時も大学生が借りれる物件じゃないってぐちぐち言われたが俺の貯金を見せたらまたも驚いた顔を見せた。
そりゃそうだ。あんたらの貯金よりも多かったんだからな。
未成年がユーツーブで収益化には親の許可がいるが俺は上手いこと合法の範囲ですり抜けた。成人済みの親衛隊に成人の同意書を書いてもらってな。まさか血縁関係なく成人だったら収益化は得られるらしい。ガバガバなのか寛大なのか…。
あれからさらに1時間ほど勉強をし、集中力も切れてきたため神岐は勉強を切り上げた。
飯は既に食べたのであとは風呂に入って眠るだけだ。スマホの電源を入れてメッセージが来ているかを確認する。
Twitterは相変わらずの通知だ。
チャンネル登録者も470万人に上った。
(そろそろ新しい動画を作らないとなぁ)
野球動画以降、ゲーム実況をすることが多くあまり実写動画を作れていなかった。
数字に相応しい物を作らなければならないという責務が撮影への気力を削いでしまっていた。だが全くネタがないわけではない。
テレビ夕日との関係性をフル活用すれば普通とは違った動画が撮れるだろう。
催眠込みの動画もまた作ってはみたいがやはり超能力なしの動画を作って超能力なしでもcomcomは行けるんだぞと知らしめたい。
これは夏休みに入ってからゆっくり進めるとしよう。
問題は神原だ。どうやって神原に出会えるか…。
あいつらに頼らない以上は自分の力で探さなければならない。と言っても自分の力=俺が行動するってわけでもないが。
『神原奈津緒という男について調べてくれ』
『分かりました』『了解です』『任せてください』
こういう時こそ人海戦術。
俺1人だと大変だけど20余人の力があれば人一人見つけられるだろう。まず都内にいるのかすらもわかっていないが。
これだけいればすぐにとはいかずともいずれサーチに引っかかるかもしれない。
こっちには警察関係者や弁護士、裏の世界の住人とそれぞれが様々なネットワークを持っているのだ。
探すという行為においてこれほど頼りになる奴等はそうそういない。
神原は逆にどうだろうか?
神原も鬼束の1人と戦って勝った。さらにドクターとも接触した。何が行われたのかは分からない。しかし、結論は自分と同じだろうと。
鬼束と超能力者の捜索だ。
神原がcomcom=超能力者だと疑っているかは知らないが少なくても鬼束については必ず調べるはずだ
神原に会うならそれを狙う。
『同時並行で、鬼束って名前を調べている奴がいたら報告してくれ。神原がそいつを探しているはずだから』
グループチャットにメッセージを送り、承諾のメッセージが数件届く。
ついでなので他に通知が来ていないかをチェックする。
通知は3件。
1つ目は小鉢勇だ。
小鉢とはテレビ夕日を訪れた際に連絡先を交換していた
『comcom君、小鉢です。この前話していた件ですが、8月11日の山の日でいいかな?』
この前の件というのはテレビ夕日に配信部門を設置するという話のことだ。
神岐はその設置の際のプレゼン紹介を任されている。これはテレビ夕日企画担当室の小鉢とテレビ夕日社長の莉掛からの依頼だ。
『分かりました。食事はその後でいいんですね?』
『はい。プレゼンと言っても投稿者の観点から喋ってくれるだけでいいから。大学も忙しいだろうから無理しない範囲で頑張ってね』
『分かりました。ありがとうございます』
感謝のスタンプを送る。これで会話がちょうどよく途切れた。
毎回こういうチャットで会話すると締め時が分からずダラダラと会話してしまう。スタンプはストッパーとして優秀だ。普通のデフォルトで存在するスタンプで返せばそれ以上会話が広がることはない。
これが流行に乗っているものだったらそこから食いつかれてまたダラダラと時間が流れていってしまうからだ。
2つ目の通知は…、中田ゼミのグループからだ。
『夏休みにどこか行こうよー』
的場日和が端を発する。
『いいねー、いこーいこー』
虹石友梨奈も賛同する。
『私も行きたい』
江東凪も同じく。
神岐は夏休みは捜索やプレゼンなど忙しい日々になることは分かっていたので返信せずにやり過ごそうと考えるが…。
『神岐君も来る?』
的場からの名指し。既読無視だ既読無視。
こういうのは『ごっめーん、忙しくて返事出来なかったやー、てへぺろ』とでも返せばいいだろう。夏休み明けに。
『神岐君、見てるのは分かってるんだよ。どうせいつものように断ってやり過ごすのが面倒だから『返信出来なかったー、てへぺろ』とか言うつもりでしょう?』
だがそうは問屋が卸さず、あっさりと企みが看破される。しかもてへぺろまで言い当てている。
なんだかんだでゼミ発足から約4ヶ月。互いを知っているということなのだろうか。
『ごめんごめん、出掛けるなら女子だけで行ってきたらいいよ。気楽でいいと思うよ』
『ダメよ、私達は4人で中田ゼミなんだから』
『だったら4年生や先生を誘えばいいだろ。4年には女性もいるんだし』
『4年は就活や卒論やらで忙しいと思うから誘いづらいのよ。先生だって学会の論文で夏は缶詰だーって言ってたし』
俺だって忙しいんだけどな…。
そう思う神岐だったら正直に忙しい理由を説明することもできない。
『ダメかな、神岐君?』
江東が頼み込んでくる。
先日心配してくれた手前邪険にするのも忍びない。だが出掛けるなんて労働もしたくない。
『どこに行くんだ?泊まりは流石にキツイぞ』
とりあえず場所を聞いてそれから返事をしよう。
『そういえばどこに行くつもりなの?』
虹石が事の発端である的場に尋ねる。
『んー、私は箱根温泉とか行きたいなーって思ってたんだけど日帰りかぁ…、あっ、ならデジュニーランドに行こうよ』
『デジュニーいいねー。そういえば近くにあるのに長らく行ってないなー』
『デジュニーかー。前は夜までいられなかったからナイトパレード見たいなー』
それぞれの意見が飛び交う。
どうやら行き先はデジュニーで決まりそうだ。だが泊まりだった場合温泉ってかなり危ない気がする。
そりゃあ宿泊部屋は違うだろうが異性の友人と行く場所でもないだろうに。
温泉に行くぐらいなら遊園地に行く方が断然いい。
『あぁ、デジュニーなら大丈夫だ。俺も中学校の時以来だな』
『よし、じゃあ決まりね。8月は学生達の夏休みで混むだろうから9月の平日に行こう!』
京海大学の夏休みは期末テストが終わる8月上旬から9月末と長期の休みがある。
神岐としてもその頃にはテレビ関係が終わっているため比較的に暇だ。バイトをしていないというのがかなり強い。
『分かった』『りょー』『はーい』
三者の返事、神岐の夏休みは着実に予定が埋まっていく。
最後の通知は…、久しいな、暁美からだ。
『お久しぶりです。平原です』
もうこの一文だけでも彼女の位の高さ、気品さが伝わってくる。
平原は綾ノ森女子大学に通うお嬢様だ。合コンで知り合い、連絡先を交換していた。
会話は何回かしていたが頻度は少なく、今回も3週間ぶりにメッセージが来たのだ。
『もうすぐ夏休みですね。もしよろしかったらどこか一緒に出掛けませんか?奏音もいますよ』
さっきの要領 (と言っても失敗したが) で躱したいところだがこれは個人チャットだ。それは通じない。何より久しぶりのメッセージを無視するほどのSっ気は神岐には持ち合わせていない。
さっきゼミの人達と出掛ける約束をしたので1が2になろうがもう気にしてられない。
だが一応懸念事項の確認はしとかないとな。
『家の人は大丈夫なのか?』
そう、平原はかなりのお嬢様。門限あり一人暮らし禁止、出掛けるにも見えないところで付き人が警護をしているらしい。
『奏音と出掛けるとしか言ってませんので、私は義晴さんもいらっしゃると言おうと思ったのですが何故か奏音にひどく止められまして』
奏音、お前最高の女だな。
これでもし暁美が親に俺の存在を喋ってみろ。
俺は翌日目が覚めたら東京湾にセメント漬けで放り出されてただろうな。
奏音の努力を無駄にするわけにはいかないな。
『ああ、いいよ。ただあまり遠方には行きたくないかな。日帰りで行けるところがいい』
『そうですか。草津温泉に行こうと思ってたのですが仕方ないですね』
ねぇ、最近女子大生の間で温泉って流行ってんの?御朱印やタピオカと同レベルなの?
『ではデジュニーシーに行きたいです。ランドは家族と小さい頃に行ったことがあるのですがシーは一度もなくて。どうですか?』
シーか。被らなくて良かった。被っても問題はないだろうが同じことを2回繰り返すのは流石に飽きとは言わないが満腹感が来るからな。
『いいよー。いつにするの?』
『私達の大学の夏休みは8月の間だけなので8月末頃に行こうかなと思ってます』
ダブルブッキングはなさそうだ。
『分かった。楽しみにしてるよ』
『はい、私もです』
ふと思う。
俺は女性に弱いのではないかと。
面倒な会食も滝波夏帆が来るから了承し、日帰り2つも断りづらい状況で結局OKしてしまった。
実は表には出ないだけで俺は女性を渇望しているのかもしれない。
恋愛は面倒だと距離を置くことは内心の欲望の裏返しなのかもしれないな。
滝波夏帆に至っては能力すら使っていないからな。
神岐は己の見えていなかった自分の透視図を発見出来た。
神岐が滝波夏帆、平原暁美、江東凪、はたまたまだ出会っていない女性か。
神岐が抱いている恋愛観が変わり、人並みに誰かに好意を持つようになるかもしれない。
ネット恋愛から直接触れ合える恋愛。
平原暁美と戸瀬奏音と出会ってから変容にしつつあるその感情が、中田ゼミ、滝波夏帆と関わりあうことでその変化が完了することは来るのか。そしてその時、神岐は誰を選ぶのか。
完璧な能力を持つ神岐義晴の、開花しない恋愛模様をこれからも見守っていきたい。
もうすぐ日付が変わる。
風呂に入って気分もさっぱりの神岐はふと思い出す。
「そういえばこれどうしたらいいんだ?」
神岐は棚の引き出しからある物を取り出す。
銀色の鋭利物、ナイフだ。丹愛を最初に殴り飛ばした時に拾ったものだ。
結局ナイフを使うことなく戦いが終わり丹愛と時雨は瞬間移動で帰っていったので返しそびれたのだ。
神岐がそれに気付いたのは家に帰って服を脱いだ時だった。
(返そうにも会えるわけではないしな……いや、そういえば……)
神岐は何かを思い出し自身のスマホのメモ機能を確認する。
あった。
それは鬼束丹愛の住所だ。警備員を操った時に聞き出したものだ。
これならナイフを返しにいくことができる。
なんなら他の面子にも会えるかもしれない。
ドクター、全ての元凶に!
お前に与えられたこの力で。
この………
♢♢♢
神岐の丹愛への質問タイム時…
「えー、もうないな。あっ、じゃあ最後に1つだけ」
「何だ?」
「俺の能力の名前を決めてくれよ」
「はぁ?何で俺が!」
丹愛がそう思うのも無理はない。
超能力の名前は持ち主が決めるものだ。
自分の子供の名前を全くの他人に決めてもらうものだ。超能力然り、この高鬼も最初零が隠れ鬼と名付けたことで鬼=スナッチが定まり、3人がそれぞれ己の能力に合った名前を付けた。助言はなかった。だからこそこの神岐の行動の意味が分からなかった。
「敵だからこそだ。俺も考えたがどうもしっくり来るものが閃かないんだ。俺の力を目の当たりにしたアンタだからこその回答が欲しい」
確かに一理ある。攻撃する側とされる側では同じ能力でも感じ方は段違いだ。
頼ってくれているんだ。適当なものには出来ないな。
「わかった。少し考えてみる」
姿を見せ声を聞かせた相手に催眠をかけられる能力…。
ダメだな、何も浮かばん。催眠って他にどんな呼び方があるか?幻…、幻影…、惑わし…。
…他を考えよう。
神岐の言った通り戦って感じたことから考えてみよう。
まず店の店員に荷物を預けていた。次に店にいた人に関心を寄せないようにしていた。
トイレでは警備員に知った情報を喋らせていた。他の警備員には負傷した警備員の介抱とその後も諸々の処理。
廃ビルでは子供に色々暗躍させていた。
そして俺には違う場所に神岐がいるように錯覚させていた。
特に子供を使ったのは驚きだった。子供を見かけた時から俺の顔を見るまで全てが神岐の予測通りだったのには恐怖のような感情を抱いてしまった。
外にいる子供を俺に気付かれないようにするために窓ガラスを割って外に高鬼を使わせて俺を内部に意識を向けさせる。
外でアクションを起こして対処させることで、外にある真打ちを隠した。
神岐が張ったミスリードに俺は完璧なまでに引っかかったってわけか…。
神岐の強さは超能力ではなくそれを使う頭の良さだろう。
…………これでいいか。
今丁度口に出していたし俺が見た全てにこの名前は通じるだろう。
「決まったよ」
「なんて名前だ?」
「アンタのその力の名前は………」
♢♢♢
「この……認識誘導でな!。必ず問い詰めてやる!」
神岐義晴。
能力名は認識誘導。
神岐の能力にピッタリの名前だ。
新たな名前と共に神岐の長い長い物語が幕を上げる。
♢♢♢
さあ、これから神岐義晴の物語を始めたいところだがまだ待ってほしい。
デジャヴだ。
これは既にみな体験している。
そしてこれまでの神岐の物語を覗いたのならまだ終わっていない。
神岐もドクターも気付いている。もとい知っている
あの日、燃え盛るあの場所でドクターが見た子供達は…神原奈津緒、神岐義晴。
だけではない。もう1人存在している。
そう、これは神原と神岐だけの物語ではない。
10年の時を経て、一度集まり分散した者達がもう一度交わり合う。
その時、神岐達は?白衣の男達は?親衛隊は?テレビ局は?
彼もまた3分の1に過ぎない。
3つ合わさりようやく1つになるのだ。
さぁ、再度時間を巻き戻そう。
ここからは最後の3分の1の物語だ。
神岐義晴
能力名:認識誘導
姿を見た状態で声を聞いた相手を催眠にかける
鬼束丹愛
能力名:高鬼
触れた物体を自身より上に移動させた時、その物体を操る
鬼束市丸
能力名:色鬼
色を選択し、その色が物体を占めていたら操る
白衣の男 本名不明
能力不明
鬼束零
能力名:隠れ鬼
千里眼能力
詳細不明
萩原時雨
能力名:瞬間移動
自身や触れた物体を別の場所に移動させる
鬼束実禄
能力名:不明
能力詳細不明
これより第3章開幕




