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お前らだけ超能力者なんてズルい  作者: 圧倒的暇人
第2章 神岐義晴
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第17話 サフラン

 動画投稿者の生活リズムは悪い。

 特に動画で生計を立てている人ほど悪い。

 夜から配信を行っているせいで生活リズムが夜型になるのは最早必然と言えるだろう。

 生放送などをしている人でなくても会社に行かない、家の中でお金が稼げる。

 家の中が仕事場のようなものなのでまず外に出る頻度が少ない。

 好きな時に起きて好きなことをして好きな時間に寝る。

 端から見たら何て自由な暮らしなんだと羨むかもしれないがそれは違う。

 彼らには彼らなりの苦労が存在する。

 動画のネタを探すのは勿論、撮影、編集などやらなくてはいけない事は沢山ある。

 しかも毎日投稿が求められる現状においてはこれは毎日のルーティンワークとなっている。

 神岐のように毎日投稿をしていない者は楽だろう。

 それこそ自由気ままだ。

 それとゲーム実況者も比較的に楽と言えるだろう。

 既にゲームという十分過ぎる素材があるのだ。

 それに面白おかしくして声を当てる。

 これで動画は完成する。

 1番大変なのは所謂実写系の投稿者だ。

 彼らの努力は同じクリエイターにしか分かり得ない。

 彼らに愚痴愚痴言う奴は一回やってみろって話だ。

 知りもしないくせに語るなど滑稽だ。

 それをテレビなどは楽して稼げるだとかで悪い印象を与えて持ち上げる。

 最近では子供の将来なりたい職業の上位にもランクインされてる。

 彼らは成功者しか見ていない。

 0.1%を取り上げて、0.1%しか見ていない。

 その下で99.9%の地べたを這い蹲るクリエイターを見ていない。

 俺は何とかその0.1%のステージに足の小指一本で立っている。

 ここに来るのに、ここを維持するのがどれだけ大変かを分かって欲しい。



 そして、俺は今日暮里(にっぽり)駅にいる。

 とある男と会うためだ。

 名前はcomcom。本名は知らない。

 残念ながら0.1%のステージには立っていない所謂中堅といったところか。

 しかし、だからと言って下に見てはいけない。

 その男は明らかに異質な物を感じる。

 よく言えばカリスマ性。悪くいうならば出る杭。

 敬語で話してくるのでおそらく年下なのだろう。

 いや、先に投稿活動を始めている俺を先輩として持ち上げているだけなのけ?

 分からない。

 今日の朝comcomから突然連絡が来た。

 あまりに唐突過ぎて返信が少し遅れた。

 内容は俺に家に来たいと言うものだった。

 彼とは同じ動画投稿者という関係でしかない。

 Twitterは相互フォローでリプライで絡むことが多くそれなりの仲だ。

 けどコラボを撮ったことはない。

 俺は料理で彼は実写やゲームなど特定のジャンルのみで活動する投稿者ではない。しかし料理動画の類は投稿していない。

 ジャンルが違うため繋がりはあれど一緒に何かをしてきたことはなかった。

 なのに何故急に俺を誘ってきたのだろうか?

 分からない。

 分からないからいきなり家に連れるのではなく一旦外で食べてから行くようにしようと伝えた。

 送った内容は深い意味はないが先輩風を効かせた。

 comcomも了承してくれた。

 決して仲は悪くない。

 むしろ良好だろう。

 ただ突然連絡を取ってきたことに疑問は隠せない。


(何を考えているんだ……?)


 ♢♢♢


 サフランは11時15分に日暮里駅に到着していた。

 休日の昼前の時間帯なのだからもう少し人がいても良いと思ったのだが思ったよりかは少ない。

 しかしサフランにとっては少ないに越したことはないだろう。

 サフランは0.1%に立つ言うならば有名人だ。

 顔を出して活動しているためこれまでに街で声を掛けられた回数は両手では数え切れないほどだ。

 彼はそういったファンサービスは基本断らない。

 こういう小ちゃいところでも人というのは見ているのだ。

 これで悪い対応を取ったら忽ちSNSで拡散されイメージダウンに繋がりかねない。

 そして現在の日暮里駅は人が少なく歩いている人も高齢者が多く誰も彼がサフランだとは気付かないだろう。


 駅の壁に寄りかかりcomcomが来るのを待つ。

 待つといって誰がcomcomなのかサフランには判断出来ない。

 comcomは顔を隠しているため素顔を知る者は誰もいないのだ。

 彼とコラボをしたことのある投稿者なら知っているかもしれないがサフランはcomcomとコラボをしたことがないため顔が分からない。

 ただ向こうはサフランの顔を知っているので向こうからのアプローチを待つことしかサフランには出来ない。


 そして11時20分


「サフランさんですか?」

 顔立ちの整った大学生くらいの男性が声を掛けてきた。

「そうだよ。君はー、comcomでいいのかな?」

「初めまして…というのも何か変ですねw。どうもcomcomです。急なお誘いに応じてくれてありがとうございます」

「気にしなくていいよ。こっちもちょうど暇してたからさ」

(……くそイケメンじゃねーか!)

 サフランはcomcomが思った以上にイケメンなことに驚きを隠せない。

(顔を隠して活動をする理由は自分のルックスに自信がないからか身バレ防止のためだ。おそらくcomcomは前者だと思ったがこれなら顔を出した方が身バレのリスクなんかよりも遥かにリターンの方が大きいだろう。勿体無いなぁ)

「じゃあ軽く飯でも行こうか。そこのマックでいいかな?」

「いいですよー」

(そういった話は飯を食いながらでも聞くとするかな)

 2人は駅から見える所にあるマックンドナルドに向かう。


 ♢♢♢


「はは、凄い人気ですね」

「いつもこんな感じってわけでもないよ。駅前で待ってる時も声をかけられたりしなかったしね」

「まぁ高齢の方が多かったですからね。有名税ってやつですよ」

「嬉しいんだがめんどくさいんだか…」

 マックに入った2人。

 そこにはサフランのことを知っている女子高生の集団がおり彼女達が悲鳴のような声を上げたのだ。

 悲鳴のようではあったが歓喜のような、少なくてもマイナスな叫びではなかった。

 店内でそんな声を上げるものだから店にいた人達が一斉に神岐達の方を見た。

 やはり店内は高齢の方が多く気付かれた印象はなかったがレジにいた店員にはサフランだと気付かれたのだ。

 女子高生に捕まって身動きの取れないサフランの代わりに神岐がレジでサフランの分も注文した。

 神岐がcomcomだとは気付かれなかった。

 動画では声を弄ったりしていないので聞く人が聞けばcomcomだと気付くものなのだがやはり顔が分からないというのは大きいもので気付かれることはなかった。

 ただ店員に『あなたもなんですか?』と言われたぐらいだ。

『えぇまぁ』と濁すような回答しかしなかったが…。

 面倒なので能力で追求してこないようにした。

 注文も終わり頼んだ物を受け取る。

 まだサフランが女子高生達に囲まれている。

 店にとってもキャーキャーやられてたら迷惑になるなと思ったので助け舟を出す。

「サフランさん。ほら、注文したの来ましたよ。行きましょう」

「あぁ、ありがとう。それじゃあね君達」

「えぇー、私達もっとサフランと喋りたーい」

「よければ一緒に食べませんか?」

「えっ!いや、悪いけど連れと来てるから」

「そんなー。私達サフランのファンなんですよー。一緒に食べましょうよー」

 はぁ、埒があかないな。

「君達。あまり人を困らせることをするなよな」

 サフランに助け舟を出すが。

「は?あんたに用はないんだけど。邪魔しないでくれる」

 おーい、仮面剥がれてるぞー。

 君達の大好きなサフランもいる中でその態度が取れるなんて肝っ玉なのか感情を抑えるのが下手くそなのか分かったもんじゃないな。

 けどこの子おっぱいはデカイな。

「待って美代子」

 連れの子達が美代子とか言う奴を引っ張って少し離れた所に行く。


 女子高生3人が顔を寄せ合い話し合っている。

(何よ急に!)

(あの人中々カッコよくない)

(だよねー、超イケメンじゃん。私タイプ)

(サフランと一緒にいるんだからあの人も投稿者なんじゃないの?)

(えっ、あんたらあんなのがいいの?)

 美代子とやら、聞こえてるからね。

 そりゃあもうバッチリ聞こえてるからね。

(美代子は鯖東君みたいな悪っぽいのが好きだからねー)

 確かに不良とつるんでそうな性格だもんな。

(確かに、茅愛君にも色目使ってたしねー)

(煩いわね!メンクイなんかよりは全然いいじゃん。私は尽くすタイプだし!)

 それ共依存になって一緒にダメになっていく奴だな。

 ああいう女ほど男に尽くし過ぎて男に利用されて挙句体で稼げとか言われちゃうんだろうなぁ。

(まぁ確かに鯖東君はクラスの中では1番にカッコいいよね。美代子も十分可愛いんだからアタックすればいけるんじゃないの?この前私達と鯖東君達で遊んだ時も仲よさげだったじゃん)

(でもクラスの男子はみんな伊武さんじゃん。松草なんてクラスで露骨にアピールしてるし)

(でも伊武さんって神原君が好きらしいよ)

(神原?そんな奴うちのクラスにいたっけ?)

(ほら、いつも伊武さんと給食食べてる人だよ)

(あぁー、あいつが神原なんだ。伊武さんも趣味が悪いね。あんな男のどこに惹かれるんだろうねー)

 この女、これから3週間後のドッジボール大会の後に反祥菜派閥として神原にちょっかいを出すのだがそれはまた先の話。

(とりあえず同席してもらおうよ。美代子はサフランとだけ話せればいいかもしれないけど私達はあの人とも話したいの)

(分かったわよ)


 3人が神岐とサフランの元に戻ってきた。

「あのー、よければあなたも一緒に食べませんかー?」

「無理に決まってんだろ。俺はこの人と食いに来てんだ。邪魔すんな」

 トレイを持ったまんま立たされて神岐は少々頭に来ていた。

 さらにあんなの発言で彼は軽く苛立っていた。

「そ、そこまでいう必要ないじゃない!」

「うるせーな。3人で鯖東とか言う奴らと遊んでろよ」

「鯖東君達は最近学校に来てないのよ。何よその態度!こっちはお願いしてあげてるんだから譲歩しなさいよね!」

「ちょっと美代子落ち着いて」

 連れの女が美代子を宥める。

「はぁ、もういいや。黙っててくれ」

(俺とサフランが店に入ってからの記憶を忘れてしまい、サフランをサフランと認識出来なくする)

「黙れってなにy………………」

 美代子が急に黙る。

 目の焦点が合っていない。

 他の2人も目が虚になっている。

「行きましょう。ポテトが冷めます」

「え?あ、あぁ、う、うん」

 状況が上手く把握できていないサフランだったが神岐のいう通りに空いてる座席に座る。

 奥まった場所なのでここならわざわざ店の奥に来ない限り2人の顔を見ることは出来ない。

「な、なぁcomcomさん?」

「どうしたんですか?さん付けなんてして?会った時してなかったでしょ?」

「彼女達大丈夫なの?なんかヤバそうな感じだったけど」

 あれから彼女達は何もなかったかのように普通に注文をして普通におしゃべりを始めた。

 さっきまであんなにグイグイ来てたのに。

 サフランにはそれが不思議でならなかった。

「大丈夫だと思いますよ。ちょっと行き過ぎたなと我に帰ったんじゃないですかね?」

「そうかなー?何か急に何かの干渉を受けた感じだったけどなー」

「大丈夫ですって」

(あの女子高生達に関する出来事を忘れる)


「………あれ?何の話してたっけ?」

「サフランさんの名前の由来ですよ。どんな経緯でその名前になったのか気になって」

「あ、あぁそうだったな。サフランライスってあるだろ。yu-tsu-buに投稿を始めるにあたって名前を考えていた時に丁度サフランライスのカレーを食べてたからそれをそのまんま名前にしたってわけ」

「良い名前ですね。覚えやすいし厨二くさくもない」

「そういうcomcomは何でcomcomなんだ?」

「そんな大層な話でもないですよ。僕の名前に(かみ)って言葉が入るからそこからもじっただけです。2文字の言葉を繰り返すと何か可愛くありません?ねむねむとかポンポンとか?」

「そうだな、ウキウキとかワクワク、ドキドキとかもかな。驚いたな。最初は可愛い路線でやってたのか?」

「その路線だったらとっくの昔に顔出ししてルックスで売れてますよ」

 事実だからいいのだがこういうのって普通は『そんなことないですよ』って謙虚な姿勢に回るもんだがな。

 確かに俺よりもカッコいいけどさ。

「最初は人助けみたいなことをやってましたね。困ってる人の相談に乗って解決する、所謂お悩み相談室みたいなのをやってましたね」

「何でも屋みたいなことをやってたんだな」

 意外だな。最初から今の路線で行ってるものだと思ってた

「えぇ、今は知名度が上がってからはやってませんけどあの時は楽しかったですね。まぁ大抵の内容が動画化できないものばかりだったから投稿者としてはあんましだったんですけどね」


 神岐は5年前の初めたての頃のことを思い出す。

 お悩み相談室は親衛隊と今の関係になるきっかけだった。

 それこそ動画に出来ないことばっかりだった、

 暴力団の抗争を収めたり詐欺にあった人を助けたりとアウトローなことも超能力を使って解決してきた。

 感謝され慕われて今も頼み事に嫌な顔せずに応じてくれる。

 あの時のお返しだと。

 利用してると言われればそうなのだろうが決して無茶はさせていない。

 子供にお使いを頼むぐらいの範疇だ。


「そういえば何で今日俺を誘ったんだ?」

 サフランが1番聞きたかったことについて切り出した。

「顔を合わせるのだって今日が初めてだろう。仲は良好と言えるだろうが休みの日に会うほどでもないし。過去に面識のあるコラボ相手とかでもよかったんじゃないか?」

 暇そうだったからなんて理由はまだ良い。

 ちょっぴり傷付くがまだマシな方だ。

 嫌なのは何か変なことに利用しようとしてるとかハメようとしてるとかだ。

 悪意を持って迫って来るのならこちらも相応こ対応をしなければならない。

「いや、なんとなくですよ」

「いやいや、なんとなくなわけないだろ」

「ホントですって。暇だなー、時間潰したいなー、誰かと遊ぼうかなーって考えた時に浮かんだのがサフランさんなんですよ。他意はないですって」

 信じられない。

 他意はなかったとしても選択肢に自分が浮かぶという時点で嫌な感じがする。

 未だ疑いの目を向けようとcomcomの方を見たが詮索しないでくれと言った苦々しい表情をしていた。

 ほら見たことか。

 やっぱり疚しいことがあるんじゃないかと追及を続けようとしたがその目にはこれ以上踏み込むなという脅しにも似た何かを感じた。

 何も聞くな鉾を収めろと。

 追い詰めるのは簡単だ。

 関係は変わるかもしれないがもしも何かあるとするのなら未然に防ぐという点においてもそれは推奨されるべきだろう。

 しかしcomcomのめんどくさそうなのに手段を選ばないかのような冷徹な目を見ればそれは躊躇われる。

「……」

 続かない。

 進むのも退くのもしたくない。

 突如さっきの女子高生達が浮かんだ。

 なぜ今浮かんだのか分からない。

 知り合いではない。

 会話すらしてない。

 この店で始めて目にした子達だったが何故か不意に彼女達が思い出された。

 いや、何故思い出されるんだ?

 会ったことがある?喋ったことがある?

 知らないはず、なのに知っている。

 サフランだと気付かれていない。

 なのにサフランだと認識された気がする。


 違和感

 頭の中の引き出しが開きそうだ。

 開かずの、南京錠でギチギチに締められた引き出しがガタガタともがいている。

 しかし引き出しを南京錠で縛るのも変な話だ。

 理由があるのだろう。

 思い出したくない辛い思い出?

 違う。思い出せない?

 少し違う。何か、思い出さないようにされてる、という感じだ。

 開きそう。直感する。

 あの子達のことを考え続ければ何か分かりそうな気がする。

 だが踏み込めば踏み込むほど足が沈んでいくような

 ダメだ!これ以上行くなと体が告げている。

「どうしました?」

 ずっと黙っている自分を心配してかcomcomが声を掛ける

 冷徹な目は消えている。

「…なぁ…。俺とあの子達って喋ったか?」

「……いいえ、話しかけてもいないし話しかけられてもいないですよ」

「だよな。なんか喋ったような気がしたからさ」

「サフランさんが話しかけたら面倒なことになるでしょw。軽い騒ぎになりますよ。あなたは有名人なんだから」

「そうだよな。自分からそんなことしないよな。話しかけられても店側も何かしらしてくるよな」

「そうですよ。ほら、早く食べましょう。店も混んできました」

 辺りを見回すと確かにさっきよりも人が増えたような気がする。

 レジは少し並んでいる。

 早めに注文していてよかった。

 これから遊ぶんだし居座るのも申し訳ないから早く食べて移動しよう。

 サフランは食べるペースを上げた。

 comcomは元々食べるのが早かったので既に7割方は食べ終わっていて今のまま食べても2〜3分で食べ終わるだろう。

 2人はそれから会話することなく黙々と食べ続けた。


(やっぱり確実とは言い難いかー)

 神岐は一連の出来事を振り返る。

(俺の能力は認識を変える催眠であって完璧な催眠をかけることは出来ない。あのおっぱいちゃん達を忘れるように仕向けても記憶を完全に消去することは出来ない。例えると記憶の片隅に追いやるというべきか。けどサフランはきっかけは分からないが彼女達との会話を思い出しかけていた。面倒だから(彼女達との下りを忘れる。comcomがサフランに遊ぼうと声を掛けることは不思議ではない)と認識を変えたからこれ以上の追求はなかったけれども。俺に対して疑惑や嫌悪などのネガティブな印象を持っていると能力がかかりにくくなるのだろうか?実験すればいいのだろうけど無闇にポンポン超能力を使うべきではないからな。タイムリープ少女みたいに回数制限があるかもしれない。1人に対して1日3回までしか使えないとかな。

 なるべく能力を使わずに仲良くしたかったのになー。難しいな超能力も。というか超能力とか能力とか名称がはっきりしないよな。他の2人もおそらく能力を持ってるだろうから差別化という意味でも俺だけの名前が欲しいな)

 ハンバーガーを食べながら名前について考察する。

(認識を変える能力……。認識変更?

 ダサいな。けど認識という単語は入れたいな。催眠て入れたいけどこの力を催眠術に括れるか微妙なラインだしなー。うん、認識がしっくり来るな。認識……操作?

 操作は確かにしっくり来るな。でも変えると操るは意味が異なるよなー。しかも操作って言っても解除されちゃう危険があるんだよなー。

 だったら………誘導…?

 誘導…うん、悪くないな。認識誘導。

 これにしよう認識誘導。

 能力の特性にも割と合致してる気がするし。

 けど認識誘導(にんしきゆうどう)って8文字かー。長いなー)


(あっ、そうだ!ルビってやつを振ろう。

 よく歌詞とかにあるやつ。正義を正義(ジャスティス)とか救世主を救世主(メシア)みたいなの。

 認識って英語でなんて言うんだっけ?recognizeだっけ?誘導は………)

 神岐は誘導の英語訳が出てこなかった。

 誘うのinviteとも違うよな。

 そもそも認識がrecognizeなのかどうかもあやふやだ。

 スマホで調べるという手があるがポテトを触った手でスマホを弄るなど嫌に決まってる。

 故に神岐はスマホを使えない。

 サフランに頼むか?

 めんどくさい。

 わざわざ『誘導って英語でなんて言うのか調べてくれませんか?』なんて言ったら絶対変に思われる。

 そうして、この現状において神岐は正解を知ることが出来ないのでそして神岐は、考えるのをやめた。

 代わりにサフランのことについて考えることにした。


(サフランは俺がサフランを誘った理由について裏があると疑ってたみたいだが正解は…本当になんとなくなのだ。

 誰に連絡取ろうと思って最初に頭に浮かんだのがサフランだっただけだ。

 それがもし最初に浮かんだのがスパイダーJOEや、たくまるであっても同じように遊ばないかと誘っていただろう。

 超能力なしで疑惑を解消できなかったのは残念だがサフラン自体は良い人なのだろう。

 急な誘いに応じてくれるし先輩風を吹かせるような態度も取らない。

 あのおっぱいちゃん達のファンサービス?てのにも丁寧に応じてたし。まぁあれは店の中では遠慮してほしかったが人が良いというのは充分に伝わった。

 もうすぐお互いに食べ終わりそうだな)


 2人はそれぞれ食事を終えてマックンドナルドを後にした。

 その後2人はサフランの家でゲームなどをして遊んだ。より一層仲良くなった気がした。

 サフランの料理動画にゲストとして登場する約束も交わしてサフラン宅を後にした。

神岐義晴

能力名:認識誘導 ルビ不明

能力詳細:相手の認識を変える能力


サフラン 本名不明

能力なし


騒いでる時に店の人は止めにかからなかったのかと思いますが、神岐が能力で(俺達に干渉しない)と催眠をかけたからです。

発動条件が彼を見た状態で声を聞くことなのですがあの騒ぎで店員も客もみんな彼らの方を向いていたので容易に能力にかけることが出来たからです。

神岐は能力の使いどころがよく分からないキャラとして書いてるので何故最初からサフランに使わないのか?みたいなことを思うのはやめて下さい。

全て彼の無計画さと捉えて下さい。

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