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佐久本 苺の暴走

 

「えっと、お兄ちゃんと苺ちゃん……私が居ない間になにをしてるのかな~~?」

  左頬をひきつらせ妹がリビングの入り口から二人を窺い見る……

 絶妙なタイミングと、いつも大きな声でただいま~と言っているのに今日に限って聞こえねえのかよとかは、とりあえず突っ込まないで下さい。


「えっと、これは、えっと」

 苺が突然抱き付いて来たとは言え、抱きついている現状に言い訳のしようがない裕、俺は悪くない!って言うしか無いんだが、流石に男らしくないと思ったのか言葉に詰まっている……


「栞お姉ちゃん!こんにちは!」


「はい、こんにちは苺ちゃん……で、お兄ちゃんに、何してるのかな~~?」


「はい!この度私のお兄ちゃんになって貰いました!」

 なってない、なってない……


「お兄ちゃんにって……、それで何で抱きついているのかな?」


「はい!スキンシップです!栞お姉ちゃんもよくやってますよね!」


「え?」

「え!」

  裕と妹は同時に声をあげた、なぜしっている?


「えっと、俺と妹が抱き合ってる所でも見たの?」

  他人事の様に聞いてみる裕……


「はい!栞お姉ちゃんが裕お兄ちゃんの腕に抱きついて居るのを何度か、あとここのリビングでも抱きついているのを見ました!」


「ここのリビング?」

  近所を腕に抱きつかれて歩くことはたまにあるが、苺が見ていたとは……、しかしリビングってのは何だろうと不思議な顔をする裕?


「はい!そこの窓、外から見える所があるんです、偶然いい角度で見える事がごく希におきます!」


「いやいやいやいやちょっと待て、何か自然現象みたいに言ってるけど、それ偶然じゃないよね、覗きだよね」


「偶然見える事があります!ごく稀に見えます!週3位で!」

 

「いやいやいやいや、週3って多すぎるから、それもう稀じゃ無いから!」


「栞お姉ちゃんになるにはやっぱり日頃から栞お姉ちゃんと同じ事をしなければいけないと思います!」

 苺は更に裕に抱きつく、苺からストロベリーの香りがする。


「し、し、してないよおおおお、私だってそこまでは、滅多にできないのにいいいいい」

 滅多にって…………


「こ、これが……、これが栞お姉ちゃんの力の源なんだ、なんか栞お姉ちゃんに近づけたかも!」

 裕の胸に顔を埋め、何か吸収するように深呼吸する苺……


「あの……苺……ちゃん、くすぐったいし、匂いも嗅がないで……そして栞がヤバそうなんで、そろそろ離れてくれないかな~~?」


「は!そうだ、お兄ちゃんを奪っちゃえば、栞お姉ちゃん力が弱くなって、私の力が強くなって、益々栞お姉ちゃん追い付けるかも!」

 なんかもう、本末転倒というか、憧れの存在を蹴落としてどうする?という事にも全く気が付かない苺……


「裕お兄ちゃん!私たち付き合いましょう!ううん、もう付き合ってるも同然だから……そうだ!結婚しちゃいましょう!」


「はあ?できねえよ!中学生と結婚できるか!」


「栞お姉ちゃんは裕お兄ちゃんと結婚出来ないってことは、私栞お姉ちゃんに勝てるかも!」

 全く聞いてない苺、もう年齢とか中学生とか全く関係ない、栞になるって事まで忘れている……


「お、落ち着け苺、中学生は結婚出来ないし、栞の出来ない事したらもう完全に今している意味なくなるだろ!」


「お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚、お兄ちゃんと結婚」

 栞が二人の前に立ち闇落ち状態になる……


「し、栞も落ち着け!、しないし、出来ないから」


「お兄ちゃん、ううん、ダーリン、今から市役所に行きましょう」


「ダーリンじゃないから、行かないから、中学生と市役所に婚姻届けなんて取りに言ったらそのまま通報されるから!」


 そして遂に栞が切れる、本当にブチって音が聞こえて来る位に切れる


「だ、だめえええええええええええ!」

 苺を強引に引き剥がし、隣のソファーに投げつけ裕に抱きつく……そして……


「駄目えええええええ、上げない、お兄ちゃんは誰にも上げない、私の物なの!取らないで!苺ちゃんなんて嫌いいいいいいいい」


『苺ちゃんなんて嫌い、苺ちゃんなんて嫌い、苺ちゃんなんて嫌い』


 苺の頭にこの言葉がかけ巡り、栞にソファーに叩きつけられたショックと重なる……


「ふえ、嫌い……しおり、おねえちゃんに……嫌いって、嫌い……ふ、ふふ、ふふふ」

 苺が笑いだした?と思いきや


「ふふふふふええええええええええええええええええええええええええええええええええええん、しいいおおおりいいいおねええええちゃんが、嫌いってえええええ、私の事嫌いってええええええええええ」


「きらいだもおおおおおん、お兄ちゃんとる人きらいだもおおおおおおおおおおん、ふえええええええええええええええええん」


「やだああああああ、きらわないでええええええええ、ふえええええええええええええん」


「やだああああああ、きらいだもおおおおおおおおん、ふえええええええええええええん」


 奇しくもそっくりに泣く二人……なんだこの状況……



「ちょっと落ち着け二人とも、出来ないし、しないからって小学生かよ……」

 あたふたしながらも二人なだめる裕、しかし二人は泣き止まない……


「やああだあああああ、嫌いっていった栞お姉ちゃんなんか嫌いいいいいい」

「やああだあああああ、結婚なんて言った、苺ちゃんなんて嫌いいいいいい」


「ああ、もう好きにしてくれ…………」

 裕は諦めて好きにさせる、多分もう何を言っても無駄、完全に栞が二人の状態……


 苺がミニ栞から、栞2号になった瞬間であった………………、えっと落ちが微妙なのでもう一本……次回最終回!



苺じゃなくて、書いてる自分が暴走してます、本編の妖怪ブクマ外しが怖い

~~よ((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

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