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佐久本 苺の迷走

 妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?番外編

中学3年佐久本 苺がなんでも超人栞に憧れるあまり迷走していく話しです。

本編14-4の直後辺りの話しですので、良かったら本編も見てやって下さい。


 

「栞さまーーー♡」


 佐久本苺の朝は枕元に飾っている栞の写真を拝み、キスをする所から始まる。


 佐久本 苺、本編を読んでいて覚えている人はいないだろう、本編に一瞬だけ登場した。

 栞に憧れ、栞を尊敬し、栞を神と崇める中学3年生の少女、出そう出そうと思って居たが出るタイミングがなく今回番外編にて登場。


 黒髪ロングの流れるようなストレート、前髪を苺の髪飾りで止めている。

 身長は栞よりやや低めで、栞よりも痩身だ。

 

 栞と同じくその趣味の方に好かれそうな体型、目はくっきり二重だが少し眠たそうな見える。


 近所ではミニ栞と呼ばれている。



 苺はベットから起き上がり、鏡台の前に座る

「栞お姉ちゃんに似せる練習開始!」


 そういうと、笑顔、怒った顔、睨んだ顔と、表情を変えていく…………


「うーーんいまいち、もっと可愛いんだよなー栞お姉ちゃん」


 どうすれば、栞に近づけるか、いつもそればっかりを考えている苺。


「やっぱり私に必要な物は一つだけ……それがあれば私は栞お姉ちゃんになれる!」


 この間のファミレスでそう思った苺は、部屋から出ると1階のキッチンに向かった。



「お母さん、お願いがあります!」

 キッチンにいた母親に頭を下げ、頼み事をする。


「おはよう苺、なーーに? 朝から、お小遣いアップ? そうね苺最近勉強頑張ってるから考えても良いかもね」


 苺は栞の受けた進学校に合格する事を目標に最近頑張っている。

 ちなみに行く高校は栞と同じ高校と決めている為、受かっても行かないのだが……。


「え!本当に? やったーーー!、って違うのそうじゃないの」


「え、なあんだ、じゃあいいのね? お小遣いアップは」


「いや、それは欲しいんだけど、もっと欲しいものがあるの……」


「なあに、洋服? あなた栞さんが着てる服片っ端から買ってるわよねーまたなの?」

 お洒落な栞に若干困っている苺の母。


「ううん、服じゃない、えっと、あのね、私どうしても欲しいの! お願いお母さん!」


「一体なんなのよ」



「あのね、私ね…………お兄ちゃんが欲しいの!」



「…………」


「だからお母さん、お父さんと頑張ってもうひ」


「苺! あんたなに言ってるの?」


「え? だから、お兄ちゃんを私に」


「冗談なのよね、ああそうか、もうこの子ったら……」


「冗談なんかでこんな事言わない、私お兄ちゃんが欲しいの」


 苺の真剣な表情に母親の顔色が変わる……


「え、どうしましょ、やっぱり勉強しすぎたのかしら、ああ、こんな事なら勉強しなさいって言わなければ」


「あ、えっとやっぱりいい、ごめんねお母さん、お小遣いだけよろしく!」

 母親のおろおろする姿を目の当たりにした苺は、やっぱり無理かと諦めキッチンから出る。


「うーーん駄目か……誰かお兄ちゃんを私にくれる人は居ないかな」

 真剣に悩む苺……


「おねいちゃん、おはよーー」

 弟が起きて挨拶をして来た。


 苺をは弟を見るなり思った、弟じゃなくて兄だったらと……そうだ!!苺は閃いた!!


「おはよーー、ああそうだ、あんたお兄ちゃんになれない?」


 小学2年の弟に朝から兄になれと真剣に問う苺中学3年……


 小2ながら姉に関して達観している弟はいつもの通り始まったとばかりに

「なに言ってるんだおねいちゃん、僕はおとうと、だよ!」

 そう言ってたいして気にする事もなくキッチンに入っていく


「ママご飯、ってあれママ、なんで泣いてるの、どうしたの」


 キッチンから聞こえてくる弟の声を聞き、あ、ヤバいと慌てて家から出る苺……


「うーーん弟をお兄ちゃんにするのも駄目か、何か無いかな」


 いつも家から出ると、反対方向でも必ず栞の家の前を通って回り道をする苺、必然的に今日も栞の家の前を通る。


 長谷川家の前で立ち止まり、いつも通りニ礼ニ拍し「栞お姉ちゃんにみたいになれますように」と声にだし祈り一礼する。


 すると、神の気まぐれか、苺の前に欲しい物が降臨する。


 神々しい光の元、扉が開き、中から神ならぬ兄が現れる。(苺視点です……)


「あれ?苺ちゃんどうしたの?また参拝?」


 いつも家の前で拝んでいくのは知ってるので驚きもしない長谷川裕が登場、言わずと知れた?栞の兄である。


「お、お、お兄様!!」


「おにい……さま?」


「はい、そうか、今わかりました、私は間違っていた、私のお兄ちゃんじゃ駄目なんだ!」

 裕を見るなり、そう言い出す苺に怪訝な表情になる裕……


「苺ちゃん、とりあえずよくわからないけど、中に入る?」

 最近はあまり来なくなったが、以前よく遊びに来ていたので裕も苺には慣れている。


「はい!お邪魔いたします、お兄様!あと呼び捨てでいいです!!」


「お兄様って……まあいいや、コーヒーでも入れるよ苺」


 そう言って苺を家に通す。



 リビングに苺を通し、コーヒーを入れ持ってくる裕

 苺にコーヒーを出し、裕は苺の前に座る


「ごめんなー栞朝から友達に呼ばれて出掛けちゃったんだよ、すぐ帰ってくるって言ってたから時期に帰ってくると思うけど」

 裕はとりあえず新聞でも読もうかと玄関の扉を開けた所苺と遭遇し今に至っている。


「いいえ、栞お姉ちゃんにも会いたかったんですけど、今一番会いたかったにはお兄様でので!」


「え?俺に、珍しいな、俺になにか用があるの?」


「はい!裕お兄ちゃんにお願いがありまひゅ!!!」


「噛んでる噛んでる、何お願いって、俺に出来る事ならいいんだけど」


 そういうと苺は立ち上がり。背筋を伸ばし、その後綺麗にお辞儀する。

 深く頭を下げた状態で言った。


「お願いします!苺の本当のお兄ちゃんになって下さい!!」


「は?」


「お願いします苺の」


「いやいや聞こえてるから、え?なに?どういう事?」


「そのままの意味です!!苺の本当のお兄ちゃんになって下さい、お願いします!!お兄ちゃんになってくれたら私何でもします!!」


「な、なんでもって、ちょっと待って、とりあえず落ち着け、頭を上げて座って」


「いえ、お兄ちゃんになってくれるまで、このままでいます!どうか、お願いします!!!」


「分かった、分かったから少し落ち着いて、ね、その姿勢じゃ話せないから、とりあえず話しは聞くから」


「え!!分かってくれたんですねお兄ちゃん」


「いやお兄ちゃんじゃないから、いいからとりあえず座って、ね」


 そう言ってなんとか苺を座らせる。


「ほらコーヒー、いつ通りミルクたっぷり入れたから」


「ありがとう、お兄ちゃん」


「いやだからお兄ちゃんじゃないって……」


 苺はミルクコーヒーをチビチビと可愛く飲んでいる。

 苺ミルクコーヒー、なんかめっちゃ甘そう。


「それで苺はなんで俺にお兄ちゃんになって貰いたいんだ?」



「私ね栞お姉ちゃん見たいになりたくて頑張ってるんだけど、全然なれないの」


「いや、だいぶ似てるけどな」

 ほんとに遠くだとわからない、体型や髪型、仕草、しゃべり方なんかもかなり似ている……


「ううん、私はもっと中身が似ないと駄目だと思うの、だから勉強も頑張ってるんだけど全然駄目」


「なんでそこまで栞になりたいなんて思うんだ?苺は苺だろ?いくら頑張ったって栞にはなれないよ」

 そもそも栞になろうってのは、少し無謀過ぎると思うんだが……


「うん、同じになろうなんて、そんな畏れ多い事考えてないよ、ただもっと近付きたいの……」


「まあ栞に憧れる気持ちは分かるけどな」

 あのとんでも妹に憧れる女子は少なくない。


「私、栞お姉ちゃん研究家第一人者として、やっぱりもっと内面を重視しないとと、この間思ったの」


「研究家って……」

 コーヒーを吹きこぼしそうになるのを押さえつつ、カップをテーブルに戻す。

 そこまで栞に思い込んでいる苺に裕は少し怖さを感じ初めていた。


「私、栞お姉ちゃんの凄さの源がどこにあるか分かったの」


「栞の凄さの源?」

 あ、何か嫌な予感がする……


「うん!!栞お姉ちゃんの源は」

 苺は裕を指差す、人を指しては行けません。


「裕お兄ちゃん、貴方です!、栞お姉ちゃんは裕お兄ちゃんの事が大好きなんです!」


「……」

 やっぱりか、と思う裕、こめかみに指を当ててうつ向き首を振っている。


「だから、私分かったんです!私に足りない物はお兄ちゃんって、そしてただのお兄ちゃんじゃ駄目だって」

 苺は立ち上がり裕の目の前に歩いてくる……


「私の大好きなお兄ちゃんになって下さい!!」


 苺はそのまま裕に抱き付く


「お、おい、苺、おい何を」


「お兄ちゃん大好きーーーー!」


  その時リビングの扉が開く


「ただいまーーお兄ちゃん、誰か来てる…………」


 リビングの時間が一瞬止まった……





短編にしようかと思ったんですが、ちょっと長くなったので2~3話構成にしました。

続きはいつになるか分かりませんが、本編の合間に書きます。


良かったら本編、妹に突然告白されたんだが妹と付き合ってどうするんだ?

もよろしくお願いいたします。


美月にキャラがちょっとかぶってるのも本編に出せない原因の一つ

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