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仙人、異世界で無双する  作者: サマト
第三章 ラクレール村事件
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仙人、ゾンビの包囲を突破、ダドリーと対峙する

将人が『全身周天』拡大法で発生した『氣』の結界はゾンビを近づけさせなかった。だがこの結界には欠点が2つあった。一つは中にいる人間の魔法を阻害してしまう事。これによりファテマ達は魔法でゾンビに攻撃が出来なくなっていた。もう一つは『全身周天』の維持に意識を割いているいる為、動けばその途端『全身周天』の維持が出来なくなってしまう事だった。


「この前パウラを助けた時はそんな事なかったのにどうして今は維持できないの?」


ファテマが疑問を投げかける。


「パウラちゃんを助けた時の『小薬』は俺の体から離れた別個の物ですから俺が何もしなくても大丈夫でしたけど今の『氣』の結界は俺の体で発生、維持してるから集中できなくなると結界が解けてしまうんですよ」


さてどうするかと悩んでいるとパウラが将人の後ろに回り、背中と太もも辺りに手を回しひょいと持ち上げられた。いわゆるお姫様抱っこだった。


「お兄ちゃん、これなら大丈夫だよね」


「お姫様抱っこというのはちょっと………」


「お兄ちゃんをダッコ………」


こんな状況なのにすごくいい笑顔のファテマを見ると降ろしてとも言いづらかった。


「………もうこのままでいいか。『全身周天』に集中するから、ダドリーの館まで頼むよ」


「分かった、お兄ちゃん」


将人は目を閉じ自分の内側に意識を集中する。『氣』を体内で循環し、余剰の『氣』を生み出す。余計な事に意識を向けずに済む為、『氣』の結界が広がりさらに強化される。


「マサト君の『仙道』は凄いな。ゾンビたちが『氣』の壁に押され左右に別れて道が出来た。装備の回収をしたいけど馬車はゾンビであふれてるし中は全滅っぽいな。このままダドリーの屋敷に向かうしかないか。行こう!!」



今、将人は己の内に集中していた。瞑想を行っているといってもよかった。そういう状態になると色々なものが見える事がある。過去の光景、人との会話、マンガや小説、アニメの内容、そして今の状況を変える為のヒント、ひらめき等。今見えている映像はどういう意味があるのだろうか?

白い光が見える。その光から少女の声が聞こえてくる。その声は切迫したような声でこういった。


(お願いです、父さんを止めてください。これ以上罪を重ねないで、自分を苦しめないで………)



将人は頬を軽く叩かれ、寝ぼけ眼をこすりながら目を覚ます。


「………おはようございます」


「この状態で熟睡何て大物だね、マサト君。その状態でも『氣』の結界が解けなかったから大したものだ」


周囲を見てここがダドリーの屋敷の玄関の前にいる事が確認できた。


「ゾンビは?」


「一度あの包囲から抜けれれば、動きが遅いし逃げるのは簡単だったよ。だけどいずれは追いつかれてしまう。そうなる前にダドリーに村の周りの結界を解かせないといけない。マサト君、動けるかい?」


「休んでいるのに近い状態でしたから大丈夫、気力十分です………だからもう下ろしてパウラちゃん」


未だにお姫様抱っこされている状態だった。物凄く残念そうな顔をしながら降ろすパウラ。


「お兄ちゃんの寝顔可愛かったのにザンネン………」


「ファテマさん、パウラちゃんはどうして俺にこんなに好意的何ですか?」


「まあ、その話はいずれ………ともかく行こう」


館の玄関を開け中に入る。光の魔法で作った光球を天井に向けて飛ばす。照らされた事によりそこに鎧の騎士が立っている事が分かった。漆黒のプレートアーマーを纏った騎士―――ダドリーは苦渋の声を漏らした。


「………どうしてだ、あと三日というところでどうして邪魔が入る。ファテマ君が村に戻ってくるし、そこのマサリア君が核心をついて来るし、マサト君は厄介な力を持ってるし、世界が私の邪魔をしてるとしか思えない」


「マサリア、ダドリーに何言ったんだ?」


将人がマサリアの方を向きながら聞く。


「私は疑問に思った事を聞いだだけだよ。屋敷の東西南北に設置されている地水火風の神様がどうして屋敷の方を向いているのかって。普通は外側に向いて邪悪なものが入ってこないようにって守りの為に像が設置されるのにそれが内側に向いてるのが変だと思ったからそれ聞いて途端、ダドリーとハンセンが豹変して襲い掛かってきて地下牢に閉じ込められたんだからどうしてこうなったのか分からないわ」


「マサリア君がそれを私個人に聞いたのならどうとでも出来たが周りの人間がいる所で聞かれたから口を封じるしかなかった。出来るだけ殺しはしたくなかったから地下牢に閉じ込めたが。あの日マサト君も一緒に来ていればこんなことにはならなかったろう」


「ダドリー、あんた一体何がしたいんだ?」


「それを聞いてどうする? こうなった以上君たちを生かしてここを出すつもりはない………私達にはあんなひどいことをしておいて、私が事をなそうとすれば君たちみたいな邪魔者をよこす。これが運命だというのならその運命に反逆する!! 手始めに運命の使いである君たちを殺す!!」


ダドリーは刀身から捕まえ全てが漆黒の長剣を抜き、顔の高さまで掲げる。日本剣術で言う『八双』に似た構えだった。


「俺たちは運命とかそういった複雑なものにひかれたんじゃないと思う。もしかしてだがあんた、娘さんいるだろ」


「何故、それを………」


「その反応で分かった。その娘さんの為にアンタを止める!!」


将人は『三体式』の構えをとる。お互いの闘気が膨れ上がり空間に満ちる。風船のように膨れ上がり、それが破裂した時戦いが始まる。












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