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仙人、異世界で無双する  作者: サマト
第一章 仙人、異世界にて冒険者となる
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仙人、異世界人と出会う。それと戦闘

異世界(?)到着から約三時間。将人はその場にへたり込んでいた。

将人は武術の強さはかなりのものだと自負しているが森の中でのサバイバルはまったくの素人で水や食料の取り方など全くわからないのだ。いくら武力があろうともこの森の中では弱者、下手をすると狩られる側になりかねない。周りの動植物はこの森で生きていく事長けているのだから。


「ヤバい、ヤバい、ヤバい、何とかしないと………」


頬を伝う汗を右手で拭う。疲労で出した汗なのに何故か冷たく感じられる。

内から湧き上がる焦り、恐怖に駆られて立ち上がり歩き始める。夜になれば視界が利かなくなり身動きが取れなくなる。そうなると………


自分の考えにゾッとして更に疲れるのも構わず走り出す。数分ほど走り続けた時、微かであるがある音が耳に入ってきた。


―――馬の嘶き、嘲笑う男たちの声、そして女性の悲鳴


悲鳴が聞こえる方向に向かって全力で走った。木の根っこや雑草に足を取られながらも走る事数分、声が大きくなってくる。

森が開け、最初に見た光景は、10人程の男―――野盗が二人の女性を押し倒していた。一人は黒髪の少女、もう一人の女性は何回も殴打されたのだろう、顔が腫れあがっており、ところところから血を流していた。見ていて気分が悪くなる、怒りを駆り立てる光景だった。

野盗の一人がこちらに気が付き近づいてくる。野盗はこちらを一瞥して


「何だテメーは、こっちはこれからお楽しみだからよう、立ち去るなら見逃してやるから早くいけ!」


腰に携えた長剣を抜き、こちらに向け脅してきた。将人は俯いている為表情が見えない。それを見て野盗は怯えていると判断し嘲笑う。他の野党も同様だったが次の瞬間にはその表情を凍らせることになる。

将人は溜め息をつくのと同時に左足を一歩踏み出し左手での右手首を掴む。左手を引くのと同時に腰を右方向に回す。野盗はに引っ張られつんのめる。右足を踏み込むのと同時に右手を握り捩じり込みながら相手の顎に打ち込んだ。野盗が後方に吹っ飛び、地面に落ちた後ピクリとも動かなくなった。五行拳の一つ『鑚拳』だった。

野盗はもちろん襲われていた二人もこの状況に呆然とする。年端も行かない少年が素手て武装した大人を魔法も使わす素手て倒すなど誰が考えられるだろうか。将人はまた溜め息をつきながら頭を掻いた。


「異世界の人との初コンタクト、結構期待していたんだ………それがアンタらのように女性を襲う輩とかあり得ねえ! お前ら、どうしてくれる、責任取れ!!」


「何訳の分からねえ事言ってやがる。それよりオマエ、俺たちに手を出して無事にいられると思ってるのか!? オマエら、ソイツを殺せ!!」


その一言に野盗たち、長剣を抜いて襲いかかる。それに対し将人は左手を前方に伸ばし左足を前に、右手を腰に当て右足を左足の後ろに置き構える。『三体式』の構え野盗の攻撃に備える。



マサリア・ハリスンとエミリア・オードレッドの目の前では信じられない光景が広がっていた。自分より年下と思われる単身痩躯の少年が素手で野盗を圧倒しているのだ。少年が拳で突くとそれだけで野盗が倒れピクリとも動かなくなるのだ。だから野盗十人に対し十回拳で突くだけで事が済んでしまうという魔法より不思議な事が目の前で展開されていた。



「リアお嬢様、ご無事ですか!?」


エミリアがマサリアに駆け寄る。体が震え今にも泣きだしそうだが、それ以上の異常はないようだ。


「私は大丈夫よ、それよりエミの方が………」


「私は大丈夫です………それにしても神様も粋な事をしてくれますね」


「何の事?」


「私は野盗に何度も殴られながら思ったのです。『神でも悪魔でも何でもいい、リアお嬢様を助けてくれるなら私の命捧げます』と。そう願ったら森の中からあの少年が現れて助けてくれました」


エミリアは手を組んで神に祈る。



野盗をすべて倒した将人はマサリアとエミリアの近づく。


「二人とも、大丈夫!?」


マサリアとエミリアに近づいた将人が、二人の状態を見て痛ましげな表情になる。野党十人を倒した猛者とは思えない、年相応の少年の表情にマサリアとエミリアはクスクスと笑う。


「笑えるなら大丈夫か………ヨカッタ」


そう言って将人は安堵の表情を浮かべる。朴訥とした顔だちの少年のその表情にマサリアとエミリアは好感を持つ。


「ホッとしたところでお二人さん………服を何とかした方がいいんじゃないか?」


将人が顔を赤らめ右手で両目を覆いながら言う。将人に言われエミリアとマサリアは自分の今の格好を見る。マサリアは悲鳴を上げ、エミリアはそれ程慌てずゆっくりと立ち上がり、車輪が壊された馬車まで走る。野盗に襲われた時、服を引き裂かれ肌や下着があらわになっているのだから逃げたくなるのも当然だった。




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