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仙人、異世界で無双する  作者: サマト
第二章 仙人『滅び』と邂逅する
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仙人、冒険者ギルドに依頼達成の報告をする。違和感に気づく。

将人たちがラシェントの街の着いた時、日が西に傾き始めていた。もう少しで辺りは暗闇に支配される。

将人と女冒険者たちはそれぞれ依頼達成の報告をしに受付カウンターに向かう。冒険者試験の時の受付嬢は今はおらず、男の職員が担当していた。冒険者認定書と薬草100枚が入ったカバンを差し出す。


「依頼にあった薬草100枚採取達成しました」


「少々お待ちください、確認いたします」


そういってギルド職員は帳簿と冒険者認定書を確認し、薬草の枚数を数え始めた。


「確かに薬草100枚確認いたしました。そのうちの5枚は品質が良いものですのでその分報酬は上乗せされます」


報酬の入った麻袋を渡され依頼達成の報告が終わる。自分が働いて得たお金いうのは感動するものだと感慨深く思っていると


「やあ、マサト君。依頼達成おめでとう」


「お兄ちゃん、オメデトウ」


「ありがとうございます。苦労してもらえた報酬は何か来るものがありますね」


「分かる、分かる、私も最初そうだったからね。ところで将人君、今日は何か用ある? なければお礼を兼ねてご飯でも一緒に食べない。奢るよ」


「連れも一緒でいいですか? 今日ここで冒険者の戦闘訓練と基礎講習を受けているんで」


「いいよ、一緒に行こう。私たちはいったん宿に戻るわ。この子鎧のままだから、このままだと入店拒否されちゃうから」


「じゃ後程ギルドで合流しましょう」


そういって女冒険者と全身鎧は冒険者ギルドを出る。


(そういえば二人の名前聞いてなった。名前を言わなくても会話は成り立つもんだな。あとで聞いてみよう)


そんなことを考えているとマサリア、エミリア、アベルドを含めた十数名が奥から出てきた。やっと講習が終わったようだ。


「おお、マサト殿。待っていてくれたのですか?」


大きな声で駆け寄り将人の両手を掴んでくるアベルド。暑苦しすぎて引きまくりなのだがそれに気が付いておらず、あれやこれやと話しかけてくる。


後ろから疲れた顔を見せるマサリア。エミリアは表情には見せていないが疲れているようだ。


「三人ともご苦労様、初日から大変だったみたいだね」


「凄かった、スパルタだった、トラウマになりそう」


今日に戦闘訓練を思い出してガクブルするマサリア。大丈夫ですよ、怖くありませんよと慈母のように抱き締めるエミリア。それを嘲笑うアベルド。それに憤慨するマサリア。すかさず呪文を唱えるエミリア。臨戦態勢をとるアベルト。まあまあ、と止めに入る将人。


「今日知り合った冒険者さんとこれからご飯食べに行く事になったんだが三人とも行けるか?」


「行く、行きます。もうお腹がペコちゃんだから!!」と右手を上げるマサリア。うなずくエミリア。


「拙者も行きます」とアベルド。


(何で自分の事を拙者と呼ぶんだ? ってまてよ、今初めて気が付いた。どうして俺マサリアたちと会話出来てるんだ? 俺日本語喋ってるけどマサリアたちにはこっちの言葉に変換されて聞こえているって事だよな。異世界転移によるスキル獲得という事なのか? どうして今までその事に気が付かなかった。考えられないようにされていた。鏡は最初から巻き込もうとしていた………)


「マサト、依頼はどうだった?」


マサリアの声に思考が中断された。今何でもしょうがないと考え思考を切り替える。


「依頼達成できたよ―――」


依頼内容から戦闘のことまで詳しく語っているとマサリアたちの目がランランッと輝きもっともっと聞かせてとせがんでくる。


(子供におとぎ話聞かせてる親の気分だな………)


そんなことを考えていた時冒険者ギルドのドアが開いた。そこにいたのは、身長約2メートルくらいの女性だった。四肢は引き締まっていながらも女性としての丸みもある。出るところが出て引っ込むところは引っ込んでいるナイスバディ。赤毛の長い髪をツインテールにしている。美女と呼べる容貌の持ち主だがどこか少女のようなあどけなさがある。髪と同じ赤い瞳が将人を見るとにっこり笑って「オ兄チャ~ン!!」と言いながら駆け寄って来たかと思いきや抱き着いてきた。あまりの出来事に思考停止する将人。


「コラッ!! パウラ、マサト君を離しなさい。驚いてるでしょ」


そうたしなめるのは女冒険者だった。彼女がそう言ったということは………


「君、全身鎧さんなのか?」


「女の子に全身鎧ってひどいヨ」


全身鎧―――パウラに悲しい顔をされた。







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