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仙人、異世界で無双する  作者: サマト
第二章 仙人『滅び』と邂逅する
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仙人VS全身鎧の女の子、薬草採取依頼達成

(何恰好つけてんの、日下部将人は主人公じゃないだろう。どちらかといえばモブだよ。でもなあ、誰であろうと悲しんで流した涙なら何としても止めてあげるべきだろう。ならやらないと、日下部将人!!)


「えっと………冒険者の皆さん、5分間時間を下さい。彼女に憑いているものを追い出しますから」


「追い出すってどうやって」と冒険者の一人に聞かれるが「秘密です」とどこかの神官のように将人は口元に人差し指を当ててにこやかに答える。


どう答えていいか微妙な顔をする女冒険者。


「ともかくお願いします。少し時間がかかりますから!!」


「分かった、みんな行くよ!!」


他の女冒険者たちもそれに応え、動きを抑える事に専念する。


将人は体の力を抜きリラックスした状態で立つ。その状態で仙道の呼吸を行い、へそから指三本分下の位置―――丹田に意識を集中する。そうすると丹田から押し上げてくるような圧力が感じられるようになる。前までは熱い感じだったのだがそれが圧力の感じに変わっていた。以前より『氣』が強まっている証拠である。『氣』を体の前面後面の経絡―――任、督二脈に通す『小周天』の業を行い、更に足、腰、手それぞれの経絡―――足経通竅そくけいつうきょ帯脈通竅たいみゃくつうきょ手経通竅しゅけいつうきょ―――に『氣』を通し循環させる。そうする事で『氣』が強まりやがて体の外に漏れ始めてくる。漏れ始め広がろうとする『氣』を意識で押し留める。広がろうとする力と抑えようとする力、相反する力が争い始めるがとうとう抑える力が勝利した。将人の掌に約2センチ程の白色の球が発生していた。


強まった『氣』を凝縮してできた球―――『小薬』の完成だった。仙道の修行ではこの『小薬』を更に経絡に通し『大薬』に変化させるのだが今回はそこまでは行わない。薬とつくようにこの『氣』の球は人には有効な効果があり万病に効くという。将人は『小薬』を作りこれを全身鎧の女性にぶつけ憑りついているものを祓おうと考えたのだ。先刻、『崩拳』で触手を迎撃した時拳から流れ込んだ『氣』と反応し触手が消失したのだ。武術的な『氣』ではなく『周天法』で強化した『氣』ならば憑りついたものを祓うだけではなく治療の効果もある為、『小薬』を作る事を考えたのだ。


「皆さん、お待たせしました! 彼女に憑りついたものを祓いますから、彼女の動きを抑えてください!」


将人の声に答え各々が行動を起こす。

女魔術師が呪文を唱えると土がぬかるみ全身鎧の女性の膝の辺りまで沈み、そこで固める。動けなくなったため触手を無数に伸ばして攻撃しようとするが二人の女剣士が剣の連撃で弾き飛ばされる。攻撃がやんだところへ将人が走り、全身鎧に『小薬』を押し付ける。『小薬』は鎧を通り抜け彼女の体に浸透する。次の瞬間男のものでも女のものでもない悲鳴が周囲をふるわせた後、触手が消失した。その後、全身鎧は辺りを見回し、将人は見て「あれ、ここ、どこ………君、だれ?」と幼い少女の様な声で聞かれた。


(思ったより幼い声だな、何歳くらいの女性なんだろう)


「君、ありがとう!!!」


女冒険者にいきなり抱きつかれた。異性に抱きつかれることに慣れていない将人はかなりドギマギした。頭の他にも場所にも血が行きそうで困ってしまう。


「お姉ちゃん、いきなり男の人に抱きついて………エッチなのはいけないんだよ」


「このおバカッ、この子がいなかったらアンタどうなってたかわからないんだよ。お礼言いなさい」


女冒険者が鎧の上からバシバシ叩きながら怒鳴る。頭を押さえながら「お兄ちゃん、アリガトウ」と言われ

本当に何歳なんだろう考えていた。


「ともかく、君がいてくれたから妹を助ける事が出来た。アリガトウ!! 私が出来る事なら何でもするから言って」


将人は腕を組んで考え込みニヤリッと笑った。その笑みを女冒険者はどう考えたのか、顔を赤らめ胸元を両手で隠し「エッチな事はダメなんだよ………」と言われる。


「そうじゃなくてですね………」


数分後、将人と女冒険者他数名は薬草採取に精を出していた。結果今日一日で薬草100枚採取する事が出来た。


―――薬草採取依頼達成。









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