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仙人、異世界で無双する  作者: サマト
第八章 仙人、武術大会開始
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仙人、挑発する、武器と魔法の結界

開会式が行われた王城の広場には四つの光球が浮いていた。それぞれの光球にはA~Dグループの予選が映し出されていた。この予選日は一般開放されており王都の人々が集まっていた。人々は光球に映し出される血沸き肉躍る戦いを見て歓声の声を上げていたが、Aグループの戦いを見ていた人達は声を上げていなかった。皆があり得ない光景に声を上げる事が出来なかったからだ。その光景とは―――



街の中ではすでに戦闘がは始まっていた。鉄同士がぶつかり合う音、怒声、轟音、破壊音、色々な音や破壊がそこかしこで起こっている。魔法を使用すれば戦いが人レベルを簡単に超えてしまう。王都の中で予選をやっていれば被害は甚大だろう。

危険地帯となりつつある人工の街の中を将人は悠然と歩いていた、散歩をするが如く。だがそれを見逃されるわけがなかった。将人の前方十メートルくらいの所に一人、後方の十メートル付近に一人、左右の建物の屋上にそれぞれ一人、計四人の戦士風の男が将人を包囲していた。将人が歩を止め『三体式』の構えを取ると同時に屋上にいた二人が飛び降り将人を強襲した。後方へ下がり上からの攻撃を回避する。それを狙っていたというように後方にいた男が間合いを詰める。将人は体を翻し、刺突される短剣を右手でそらし、一歩踏む込むと同時に左肘を男の脇腹にに叩きこんだ。『十二形拳』の一つ『熊形拳』を応用した技だった。

男は呻き声を上げ前のめりに倒れた。屋上から強襲した男二人はその結果に足が止まる。その間に将人は体勢を整え、再び『三体式』の構えを取る。

二人の男が目で合図を送る。一人の男が将人を正面から襲う。そしてもう一人の男が後方に回り挟み撃ちをするのが目的だった。将人が『三体式』の構えから右縦拳で突く。『崩拳』だった。

正面から襲ってきた男は明らかに将人より早いのに、将人の動きを避ける事が出来す、正面から拳を食らい悶絶する。再び体を翻し、後方から降り襲された短剣を左腕を横に立てて防ぎ、それと同時に右拳で突く。『炮拳』と呼ばれる『五行拳』の技だった。この男もぱたりと倒れ動かなくなった。

最後の一人はというと姿が見えなくなっていた。気配が感じられない所を見ると、不利を悟り逃げたのだろう。

戦いはあっという間に終わったがその結果に将人は喜べなった。自画自賛するつもりはないが自分の実力なら予選の通過、上位に食い込む事は恐らく出来る。だが、自分が目指すのは優勝である。それを可能にするには今よりさらに実力を上げなければならない。今のままではそれは決して適わないだろう。それを可能にする方法は………


「やはり無理をするしかないか………したくないな」


自分が想像する事を実践する者がいたとすればそれはよほどの大馬鹿である、狂った者―――狂者といえる。だが、あの『神剣』アルマに勝つのならその狂者になるしかないだろう。ブルリと震える体を押さえつけ将人は再び歩き出す。目的地は戦闘音が最も多い場所、複数の者が戦闘を繰り広げている街の中央の大広場だった。そこではAグループの出場者の大半が集まり戦闘を繰り広げていた。動きの一つ一つを見ても歴戦の猛者である事が分かる。そんな相手をこれから相手取るのかと思うと身震いするが、それえもやるしかなかった。


将人は強く踏み込んだ。ドスンという音で戦闘が一端止まる。


「ヤメイッ!!」


将人はさらに大声を上げる。そして視線が将人に集まる。幾千の矢のような視線に耐えながら将人は言葉を続ける。


「雑魚がいつまでくだらない戦いをいを続けている! 見苦しいったらありゃしない! こんな戦いをいつまでもやってるんなら早く降参しろ!!」


将人の挑発にその場の全員が殺気立つ。睨み殺す事が出来るような鋭い視線を将人に向ける。そして戦っていた者たちの一人が跳躍し将人を襲う。下手な挑発をしているお前の方が雑魚だ、それを証明してやる。そんな思いが込められた長剣が将人を襲う。それに対し将人は後ろに下がり長剣を回避する。回避に遅れた前髪が数本切られる。そして将人を連撃が襲う。上下左右あらゆる方向からの攻撃が将人を襲うが、それを将人は紙一重で躱している。それに焦れた者がもう一人入る。二人の連撃、これもまた躱し続ける。更に三人、四人と人数が増えていくがそれでも躱し続ける。そんな攻防が数分続き、将人を襲った者たちが疲労で武器を落とし膝をついた。


「四人で攻撃して傷一つ付けれないとは情けない。お前たちは本当に雑魚だったようだな」


倒れている四人を巨大なバルバートを持った男が嘲笑する。


「俺からすればアンタも雑魚だ。ぺちゃくちゃ言ってないでお前ら全員でかかってこい」


将人はさらに挑発する。全員が殺気立ちゆっくりとにじり寄ってくる。内心恐怖でいっぱいだった。それを表面に出さないように笑みを浮かべ一歩前に出る。それが合図となり一斉に将人に襲い掛かった。

あらゆる武器と魔法で荒れ狂う暴風の結界とも呼べる場所に将人は身を滑り込ませた。



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