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仙人、異世界で無双する  作者: サマト
第二章 仙人『滅び』と邂逅する
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仙人、薬草採取する、謎の敵の出現

冒険者ギルドの向かいは武器屋、防具屋、道具屋、鍛冶屋などが連なっている。そこで厚手の皮手袋を買う。指先が出せるようになっている為細かい作業が出来、尚且つ戦闘時の拳のダメージの軽減する事も出来る。依頼の中にはモンスターの討伐も含まれる。モンスターの形状や性質によっては裸拳のままでは拳を痛める可能性がある為、拳の保護する防具は必須であった。

道具屋で薬草を詰める為のリュックサックと川の水袋を購入、あとは宿屋に戻り昼の分の弁当を作ってもらう。冒険者御用達の宿では弁当のサービスもあるのあった。

これらの購入資金は全てマサリアから借りたものだった。


(マサリア、アリガトウ。働いて返すから)


心の中でつぶやくと心の中のマサリアが


(そや、はよ返し!! 女から金搾り取ろうなんて最低のヒモやで。無利子無担保とはいえ取り立てはちゃんとするんやから、返済滞ったら覚悟しいや)


とエセ大阪弁で返してきた。精神的なダメージを振り払い、準備を整えると南門へ向かう。薬草が群生している場所は南門を抜け一時間ぐらい歩いた所にある森の中にあった。それぐらいの距離ならモンスターに出会いう事もなく、無事に森に到着した。森の中に吹く風は涼やか、木々を通り抜ける木漏れ日は穏やかで散歩するには最高のロケーションで仕事を忘れてしまいそうになる。両手で両頬を軽く叩き気合を入れ、木々の間に群生する草むらをかき分け薬草を探す。最初は鼻歌交じりだったが徐々に無言になり、最後は唸り声をあげる事になった。


「嘘だろ、三時間探して全く見つけられない………取りつくされてるのか。期限無しだからいいけど毎日探しに来るのは少しツライな。もう少し探して見つからなかったら今日は諦めた方がいいかもな………いや、もう少し奥まで行ってみるか」


そんなことを考えている時だった。木々が折れる音、轟音、その音に驚いて一斉に飛び上がる鳥の羽音、鋼がぶつかり合う音、怒声、色々なもの一斉に聞こえてきた。誰かが戦ってるようだ。


(またこのパターンか。この森ではモンスターは出ないって事だからもしかして人同士の戦いなのか? あまり関わりたくないな。でも、見なかったことにするのは目覚めが悪いし………行こう!!)


考えをまとめ走り出す将人。そこでは4人の女性―――見た感じ自分と同じ冒険者が全身鎧の人物と戦っていた。将人は全身鎧の人物がを見て悪寒を感じていた。全身鎧の人物は体から黒い触手のようなものを生やしたかと思ったら冒険者たちに向かって攻撃した。冒険者の女性の一人に向かって触手が迫っていた。将人は女性冒険者に迫っている触手に向かて走り出し、横合いから『崩拳』を放っていた。触手に拳が触れた途端、硫酸がかかった様に溶けてしまった。


「大丈夫ですか?」


「………ア、アリガトウ、こっちは大丈夫です」


将人は手を差し出し

「立てるのなら早く逃げましょう」


冒険者の女性は手を取りながら

「そういう訳にはいかない。あの娘は私たちの仲間なの」


見ると他の冒険者も逃げようとはしていない。触手の攻撃を避けつつ何とか説得しようとしているのが伺えた。


「どういうことか状況説明をお願いします」


冒険者の女性が眼をパチクリさせながらも事情を説明する。


「私たちはとあるモンスターの討伐依頼を受けて、何とかそのモンスターを倒したの。あの子―――全身鎧の娘なんだけどあの子そのモンスターを倒した直後に倒れてしまって。前線で戦うタンカー職だからそのモンスターの攻撃をモロに受けちゃって。だからそれが原因だと思うの。治癒魔法を行っても効果がなくて急いでラシェントの街に戻る途中で突然目を覚ましたと思ったらこんな事になっちゃって………どうしちゃったの、あの娘?」

悲し気に今にも泣きそうな顔で言う女性冒険者。大事な親友あるのだと見受けられた。


「俺なら何とか出来るかもしれません。でも、それには皆さんの協力が必要になります。どうします、一口乗りますか?」


おどけた様に言う将人に対して


「お願い………あの娘を………助けて」


ポロポロと涙を流しながら助けを訴える女冒険者。将人は慰めるように女冒険者の背を二度軽く叩き


「泣いてる暇はないですよ。あなたは冒険者の先輩なんですから。しっかりした所を見せて下さい。その代わりあの人は俺が助けます!!」


と宣言した。







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