仙人VS魔法戦士(見習い)、アベルド弟子になる?
「オマエ、俺と戦え!!!」
「だが、断る!!!」
即答だっだ。その答えに目を白黒させる。
(美形がこういう表情すると面白いな)
「まて、どうして断る。この流れだと普通戦うだろ」
「ナイナイ、どこの戦闘民族だよ。そういえば金髪だなアンタ、食べ物の名前がついてたりするのか?」
「意味が分からん、どういう意味だ? それよより俺と戦え、卑怯者!!」
少年が尚も怒鳴りつけてくる。
(卑怯者って俺なんかしたのか? そこら辺聞いてみるか)
「どうして、俺が卑怯者? あんたに何かしたのか?」
「お前は―――」
少年―――アベルド・ベイリアルは将人が冒険者試験合格できたのは不正によるものだと考えているらしい。力、スピードは人並み、魔力に至っては人以下である将人がアベルドでさえ勝てなかったロバートに勝てる訳がない。何らかの不正を働いたに違いない。そんな奴に冒険者を名乗らせない、成敗してやると語った。正義感を暴走させた末の行動だった。
それを聞いて将人は思いっきりため息をついた。イラっともした。将人は『三体式』の構えを取る。
「やる気になったか、それでいい………」
アベルトは腰の長剣を抜き切っ先を将人に向け、言葉を失った。怒りの表情を浮かべており、体から体から何か熱気のようなものが放出されているように見えた為だった。
「ロバートさん、手加減はしてくれたがそれでも強敵だった。それを不正働いてわざと負けさせたとかおかしいだろ。アンタの考えは俺をロバートさんをバカにしてる。完膚なきまで負かして目を覚まさせてやるから覚悟しろ………負ける準備は出来てるか?」
アベルドはそれに答えず魔力を足元に集中にて解放、剣を振り上げ突進してきた。将人はそれに対してとった行動は『三体式』の構えを解き、うずくまるだけだった。アベルトは身をかがめた将人に足を引っかえ、宙に浮き、重力に従って地面に叩きつけられ何度も転がってようやく勢いを止める事が出来た。体中傷だらけとなる。
「アベルド坊ちゃん分かった。アンタがどんだけ強い力や、魔力を持っていようが身をかがめただけの相手にも勝てない。そんな奴が俺やロバートさんを批判するなんておこがましいにもほどがある。もう少し実力つけんと何も出来んぞ。2か月間、戦闘訓練、基礎講習受けて実力つけてこい。でないと死ぬぞ」
そのセリフにアベルトは何度もうなずく。目に覇気がなく怯えているのが分かる。
将人は治癒魔法使いを呼びに冒険者ギルドに走る。走りながらため息をついた。
(俺も十分未熟者なのに。誰かを怒る何て資格俺にもないわ………)
将人は気の短さは治すべきだと肝に銘じた。
後日
「クサカベ師匠、どうか私を弟子にしてください!!!」
「だが、断る!!!」