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10 ループと二回目

「それじゃ……みんな準備はいいな? それじゃ行くぞ!」

 皆も準備万全のようだ。ここまでの消耗は少ない。まさに万全だ。

 扉に手を掛け、そして中へと……。

「ピピ……。パーティ ヲ カクニン」

「シレン ヲ カイシ シマス。セカンドフェイズ」

「それじゃ、私達はこっちから見てるからねー。あんまり頑張らないでねー」

 くそ、ヴィータネンの人達は気楽そうだ……。


 うーん。聞いてはいたけど、やはり実際に戦ってみると凄いな、あいつは。

 俺達のどんな攻撃も、完璧に対応されてしまう。

 アルルとベアルカスのコンビ攻撃も、隙を突いたマリアの攻撃も、牽制含むカタリーナの攻撃も全てがクリーンヒットしない。

 ヴァルマがチラチラとこちらを見ているけど、まだ出番は早いだろう。まだ俺達は全力を出し切っていないのだから。

 召喚を増やすと疲れてしまうけれど、今のままでは攻めきれないから増やしてみるか。

 ベアルカスは既に召喚している。となると、後は盾役のJrだ。

「頼むぞ、Jr!」

 と言っても、このボスは攻撃は全然してこない。なので盾役としてのJrの役目は無いだろう。

 活かすはその巨体だ。

 盾を含めての巨体で、相手を抑え込むのだ。抑え込んでしまえば、後はこちらのものだろう。

「カタリーナとマリアは援護を頼む!」

「分かったわ!」

「仕方ないですね!」

 マリアとカタリーナでは、武器の相性が悪い。ゴーレムのようなあのボス相手だと、打撃のアルルとベアルカスの方が決め手になるだろう。

 まずはJrの突撃だ。それを二人に援護して貰う。そこからアルルとベアルカスで止めだ。

 俺達の波状攻撃。みんなで攻撃だ!

 む? なんかボスの様子が……。

「な?! Jr!」

 今まで受けに徹していたボスが、ここに来て逆にJrを抑えに来た。

 ボスもゴーレムっぽい巨体だ。その大きさで抑えに来られたら、さすがにJrでも厳しいだろう。

「くそ……。いったんJrを戻すぞ!」

 抑えに来られるとこちらの作戦は出来なくなるけど、Jrは召喚獣だ。いつでも出し入れは可能。抑えられても、召喚を戻せば体勢の立て直しは可能だ。

 Jrを戻すと、ボスはまた受けの体勢へと戻っていった。

 ()()であるはずの作戦を、容易く対応してくるなんて……。

 まぁ、今までに似たような作戦を講じた奴もいただろう。それで向こうに経験値があっただけだろう。

「もう一度だけ試してみるぞ!」

 だとしても、やってみる価値はある。相手がJrを抑えに来るならば、その隙にこちらは攻撃するだけだ。

「行くぞ!」


 それから二回ほどJr含む攻撃を試みたが、全部失敗に終わった。

 Jrが盾でマリアとカタリーナがサポート、アルルとベアルカスがメイン火力というのを認識されてしまっているのだろうか。

 Jrで抑えようにも抑えられないし、そのサポートをしようとしたマリアとカタリーナにも対応してくるのだ。

 このままだと攻めきれないか……。

 こうなったら、マリアがサポート役という相手の認識をぶち壊すしかない。

「……マリア、盾を使うぞ!」

「いいの? アキ。他の人だっているのよ?」

「ここまで何も出来ないとな。それに、俺とマリアの力はこんなもんじゃないだろ?」

「そうね……。アキとワタシなら、もっと出来るわよね!」

 俺としてはあまり晒したくはないけど、イージスの盾ならグーベラッハの姫様にも見られているしな。

 Jrは戻す。さすがにJrを出したままだと、俺の魔力も管理も辛い。

「なら行くぞ……! 力を示せ、イージスの盾! そしてそのまま、マリアに着装!」

 目の前に大きな盾が現れ、それが分裂、そのままマリアの周りに漂って、マリアに装着されていく。

 どんな攻撃をも防ぐ、まさにあのボスのような完璧な守護を持つ守護聖母マリア(ヴァルキリーモード)の誕生だ。

「きゃー! マリアお姉様ー!」

「うぉぉぉぉぉ!! なんかカッコいいぞ!」

 ……カタリーナとシグネ団長が騒がしい。カタリーナは分かるけど、シグネ団長までそういう趣味なのか? でもカッコいいとか言ってるから、カタリーナの憧れ感情とは別かな。

 とにかく、これでマリアは攻撃も防御も通ずる前衛になった。大きさだけで言えばJrだが、力も防御も、そして敏捷はマリアの方が上だ。

「これで一気に押し切るぞ!」

「うん。この姿になると、力が沸き上がってくるわね……。これなら、片手剣でも押し切れるわね」

 さぁ、どうだ。これならさすがに相手も初見だろう。この姿になったマリアは無敵だ!

「たぁぁぁぁ!」

 さっきまでよりも速く、そして重い攻撃を続けて仕掛けていくマリア。

 アルルとベアルカスのコンビ攻撃も健在だ。

 カタリーナも、マリアの攻撃をサポートするように弓矢で攻撃をしている。

 ボスは、防戦一方だ。これまでの待ちからの対応ではなく、文字通り防御しかしていない。

 マリア達の攻撃を防ぐ訳でもなく、躱すでもなく、潰す訳でもなく、全ての攻撃を受けている。これまでの動きからすれば異常とも言えるくらいのタコ殴り状態だ。

「これで……!」

 ボスの動きが明らかに遅くなってきた。まともに防御も出来ていない。

 右から、左から。下から上からと、三次元に攻撃を続けていたマリアが、大きくジャンプをした。

 あれ? マリアの持っている武器が変わっている?

 片手剣と盾だったはずだ。なのに今はハンマーのようなものだけを持っている。

「終わりよ!!」

 ドゴッ! という大きな音が聞こえた。

 マリアはそのままハンマーのようなものでボスを叩き潰したのだ。

「ギギ……」

 信じられない威力だ。レイピアは貫く攻撃で、片手剣は斬撃だ。なのに、今持っているハンマーは打撃だ。ゴーレム系に有効すぎるほどの打撃武器だ。

 それを高い位置から、マリアの力を込めての攻撃だ。

 ……イージスって意味はなんだったっけなぁ。まぁ、攻撃は最大の防御って事かな、多分。

 ボスの様子はどうだ……?

 さすがに、あれを喰らってはひとたまりもないだろうけど、まさか倒したのか?

 動きはないようだけど……。

「……動かないわね」

「倒し……たんでしょうか?」

「さすがマリアお姉様です!」

「分からんから、とりあえず警戒だ。いつでも動けるようにしておけ。それにしても、マリア。その武器はなんだ?」

「これかしら? これは片手剣と盾を融合した武器なのよ。なんか頭に浮かんだから、やってみたんだけど、うまくいってよかったわ」

「そ、そうなのか……」

 そんな使い方があったのか。というか、俺が創った盾なのに、そんな事が出来るとか知らなかったぞ?


「アキヒト君! 倒しちゃった? というか、さっきのマリアちゃんは何?」

「あの変わりようは一体なんでしょうか。それに装備も大きく変わっていますね」

「強そうな武器ですねー。でも私には少し重そう」

「マリアさん、あんな事が出来たなんて……。やっぱり?」

 観戦していたヴィータネンの人達が近寄ってきた。

 マリアの説明は面倒だな。俺が創ったで納得してくれればいいけど。

 しかし、確かに強かったけど、これくらいなら倒せそうな人もいそうだけどなぁ。

「おや? アキヒト殿、ボスの様子がおかしいようじゃが?」

「何?!」

 もう外見はボロボロで一部は見るも無残になっているというのに、動くというのか?

「ピピ……。セカンドフェイズ シュウリョウ。サードフェイズ ニ イコウシマス」

「みんな、注意しろ! シグネ団長達は下がってください!」

 フェイズ終了? 移行?

 なんだ? 回復でもするのか? 変身でもするのか?

 いいだろう。今のマリアなら、攻撃も防御も十分だ。このまま倒しきってやるぜ。

「ピピ……。タイムリープ ヲ カイシシマス。サードフェイズ モ タノシミニシテイマス」


似たような内容でエンドレスになりそうなので、次から追い込みます


ご意見ご感想があれば嬉しいです。

が、豆腐メンタルなのでお手柔らかに……


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