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召喚獣による召喚で異世界で召喚士になりました  作者: bamleace
二章 ~王都グーベラッハ~
68/126

b2 三人と官女

少なめ

「この前も自己紹介したけど、改めて。ワタシはマリア。レイピアを使う前衛よ」

「ア、アルルはアルルです。手甲が武器です」

「私はカタリーナ。弓と魔法が得意よ!」

 新たな仲間、カタリーナを迎えたワタシ達。王都から出発するまでの間で、ワタシ達は女子会を開いていた。

「今日はアキには悪いけど、女の子だけでお話ししましょうね」

 カタリーナは元貴族なはずたけど、そんな風には見えない普通の女の子。何故かワタシの事をお姉様と呼んでくるのを除けば普通の女の子だ。

「マリアお姉様とアキヒトさんはどのような関係なのでしょうか? もしかして婚姻関係がおありなのでしょうか?」

 そう、そういう事が気になる女の子。やっぱり皆そう見えるのね。

「いいえ。ワタシとアキは別にそういうのじゃないわ」

「それにしては仲が良いように見えますが? それに愛称? で呼んでらっしゃいますし」

 結構来るわね。

「それは仲間だしね。それにアキヒトって長いじゃない? アキのがいいやすいしね」

「そうですか。ならいいのですが」

 まさかアキの事が?

「マリアお姉様に変な虫が付かないようにしないといけませんから!」

 そうじゃなかった。でも変な虫って……。アキは強いし格好いいのに。

「それでアルルは奴隷なの?」

 最初よりもアルルは元気になってきた。 話し方もだし、ワタシ達と打ち解けてきたのかもしれないわね。

 もしここでカタリーナがアルルを、奴隷を嫌うようならそれは悲しい。

 アルルも良い娘だしカタリーナも良い娘。

「は、はい……。アルルはアキヒト様の奴隷です」

「それにしてはカワイイわよね?アキヒトのお気に入りって事?」

「い、いえ。アルルはアキヒト様のパーティの前衛です」

「アルルは確かに奴隷だけど、そういうのじゃないわよ? アルルは最初そのつもりだったみたいだけどね」

「は、はい。アキヒト様に断られました……」

「ふーん。うちにはそういう奴隷がいましたけど、そういう奴隷は苦手なのよね。でもアルルはそういう奴隷とは違うわね。なんか生き生きとしてるっていうか」

 確かにアルルは奴隷。でも元気な女の子よね。

「ならよろしくね、アルルちゃん!」

「よ、よろしくお願いします、カタリーナ様」

「あ、様付けは無しでお願いね。面倒だから。ちゃん付けでいいわよ」

「はい、カタリーナちゃん!」

 良かった。二人も仲良くなれそうね。


「それで、カタリーナは魔法が得意って言っていたけれど、どんな魔法が得意なのかしら?」

 魔導師はミネット以外知らない。ミネットは炎の魔法が印象的だったけれど、回復魔法は苦手って言っていたわね。

「主に氷を使った魔法が得意です。矢のように魔物を撃ったり、氷の壁で攻撃を防いだりと汎用性が高いんですよ」

 炎は攻撃重視という感じだけど、氷は便利そうな魔法ね。

「確かに便利そうね。後衛が増えると戦いの幅が広がるわね」

「でもマリアお姉様には及びませんわ」

 ワタシはただ剣を振るうだけしか出来ない。魔法が使える方が凄いと思うのだけれど?

「マリアお姉様のあのお姿……。あれは魔法なのでしょうか? それとも魔法の武具ですか?」

 武具?オークと戦っていた時の事ね。

「あれはアキが創ってくれたものよ。ワタシもいきなりだったんだけどね」

「アキヒトさんがですか? でも召喚士ですよね? 武具も出せるんですね」

 実際、ワタシにも良く分からない。あのでかい盾もだし、その盾が武具になったのも驚いたくらいだし。

「ワタシにもよく分からないのよ。でもアキのお陰であのオークと戦えたのよ」

 あの武具は凄かった。武具の性能もだし、なによりまるでずっと使い込んできたように馴染んだ。

「魔法じゃない……召喚ですか……。なら私も召喚士になれば、私がマリアお姉様のお役に……」

 なんかカタリーナ怖い事を言っているわ。召喚士になれば魔導師には戻れないし、それにあんな事はアキにしか出来ないと思うんだけど。


「そうでした。改めて、私達の命を助けて頂いて、ありがとうございます。マリアお姉様やアルルちゃんがいなければ私達は死んでいました。冒険者として覚悟はしていましたが、やはり死ぬのは怖いです」

「お礼ならアキに言ってよ。あれはアキが行こうって言ったから」

「ですが、皆様のお陰です」

 お姫様を助けに行こうって言ったのはアキ。私達はそれに着いていっただけ。助けたのもそう。

 それでもありがとうと言われるのは嬉しい。

 アルルはワタシよりも恥ずかしがっているみたいね。

「あ、ありがとです」

「それじゃお礼は受け取っておくわね」


「あら、もうこんな時間?」

 三人でお喋りしていたら、もう夕方になっていた。楽しい時間はあっという間ね。

「そろそろ行きましょうか?」

「そうね。アキも一人で寂しいだろうしね」

「私はもっとマリアお姉様とアルルちゃんとお話ししていたいですが……」

「またいつでも出来るわよ」

 そう、またいつでもお話しは出来る。アルルもカタリーナも良い娘だし、もっとアキとも打ち解けて欲しいけど。

 女の子三人、楽しく冒険しましょう!


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