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召喚獣による召喚で異世界で召喚士になりました  作者: bamleace
二章 ~王都グーベラッハ~
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20 中ボスとクニュッペル子爵私兵パーティ

視点がコロコロ変わります、すみません。

分かりにくい場合は、○○視点と注釈をいれますが、できるだけ入れないようにしたいです。

 これ、随分奥ですよね……。

 やっぱりです。いつもより奥です。こんな所にまで、クニュッペル子爵の私兵さん達は何しに来たのでしょうか?

 奥まで行くから、メンバーが違う? 私も加えられていないのは遺憾ですけど……。

 さすがに、後を着いていくとはいえ、こんな所までこっそりというのは怖いです。魔法で気付かれにくいようにしてますが、こんな事なら私兵さん達に置いて行かれたままにすればよかったです。

 カタリーナ、一生の不覚です。

 幸い、魔物は全部倒していってくれているので、無事ですけど……。

 これ……このまま行くと、中腹まで行っちゃうんじゃないんでしょうか? もしかして中ボスというのを倒しにいくのですか?

 無理です。絶対に無理です。姫様も、「中ボスは手強い、人数と装備と連携が大事だよ」って言ってました。

 それを私抜きの五人でなんて……。まぁ私がいても、さすがに中ボスは難しいと思います。

 だから……そろそろ帰ってくれないですかね……。もう一人じゃ帰れません! もう隠れるのを止めて、出て行きましょうか……。

 でもでも〜。

 あ、先に進むみたいですね。……もう少しこのままでいましょう。




 中ボスはまだまだですかね。

 任務とは言え、慣れないメンバーだと、こんなダンジョンでも疲れますね。

「リーダー、後ろの奴どうするんです?」

 ダンジョンに入ってから、ずっと誰か付けているんですよね。一人ですし、素人っぽいので気にしてませんが。

 さすがに私の部下は気付いていますが、残りの二人はどうなんでしょうかね。

 確かクニュッペル子爵の兵士でしたっけ? まぁ、腕はぼちぼちそうですが、気付いてなさそうですね。

「放っておいていいでしょう。邪魔をするならあれですが。始まる前に帰るようなら放置でいいですよ。それとリーダーというのは止めてくださいね。勘違いされますから」

 始まった後は、仕方ないけどご一緒して貰いましょうかね。まぁ、一人で帰れるかどうか分かりませんけどね。なんかの魔法を使っているみたいですが、まだまだ稚拙ですしね。

 それに、()()()()()()のリーダーは私ではないですしね。部下からすれば、私がリーダーなんでしょうけど。

「御意」

 さてさて。それにしてもまだなんですかね。




 クニュッペル子爵から、中ボスを倒してこいと言われ、臨時のメンバー三人と、いつもの二名の計五名で進んできた。

 一応、このダンジョンに慣れているという理由で、パーティのリーダーを担っているが……。

 正直、中ボスは無理だろうと思っていたが、この三人がかなり強い! これならばいけるはずだ!

「よーし、もうじき中腹だ。木が無い広場があるはずだ。そこに目標の中ボスもいるはずだ。注意して進もう」

「やっとですか……。それにしても、なんでクニュッペル子爵は中ボスを倒せだなんて……。手練れを用意してくれたとはいえ、我々だけで倒せるんでしょうか?」

 貴族の考えは分からない。私も疑問には思っていた。

「クニュッペル子爵のお考えは分からん。貴族の責務なのかも知れん。だが、我々でも倒せるはずだ。臨時のメンバーは、悔しいが我らよりも強い」

「確かに強いですが……。なんか気味が悪くて」

 確かに。あの三人は強いが、どこか壁がある感じというか、近寄り難く会話も最小限だ。恐らくは、こうした傭兵を専門にする冒険者なのだろう。割り切りがいいのかもしれない。

 そのため、今もこうして雑談が出来るのは、いつものメンバーだ。

「……そろそろだ」

 話しながら進んでいたが、さすがにぼちぼちヤバい雰囲気だ。


「いたぞ……。あれが中ボスのオークジェネラルとオークメイジだ。まだこちらには気付いていないか」

 それにしても大きい。この山の、どの魔物よりも大きい。

 オークジェネラル。

 オーク種の魔物であり、その大きさは通常のオークよりも大きい。通常のオークはでかくてもニメートルほどだが、オークジェネラルは四メートル弱はある。手にはその大きさに見合った鈍器が握られている。見た目からも力強さが伺える。

 それに付き添うようにいるのが、二体のオークメイジだ。

 通常のオークよりも少し小さいくらいだが、侮ってはならない。オークの癖に、魔法を使うのだ。

 (もっぱ)ら攻撃魔法だが、ここで厄介なのが、オークジェネラルだ。オークメイジが、強化魔法でオークジェネラルを強化するのだ。手強いオークジェネラルがさらに手強くなり、強化が終われば、オークメイジは攻撃魔法を放ってくる。

 この中ボス退治の定石は、まずオークメイジを先に倒し、残り一体となったオークジェネラルを徐々に削っていく戦法だ。オークジェネラルだけならば、頑丈な盾持ちや、回避が得意な前衛がいるだけで十分対応出来る。




「よし。手はず通りに行こう。俺達二人であのデカいのを引きつけるから、オークメイジを頼む」

「はい。オークメイジを倒したら、そちらに合流ですね」

 やれやれ。やっと任務が開始出来ます。

 それにしても、オークジェネラルでしたっけ? さすがに強そうですね。一人だと倒すのに苦労しそうです。まぁそっちはクニュッペル子爵の……名前なんでしたっけ? まぁこの二人が相手してくれるそうです。

「さて……。とりあえず、あの二匹を始末しましょうか。邪魔ですしね。その後は、計画通りです。あぁ、後ろのネズミも連れてくる必要がありますね……。二匹を倒した後でいいでしょう」

「御意」

 さて……。結局、付けてきているネズミは帰りませんでしたね。まぁ一人くらいなら任務に支障はないでしょうけど……。

 そう考えている内に、早くもオークメイジを撃破しちゃいましたね。……まぁ、魔法が厄介だけど、強さ自体はそうでもないらしいのです、別に不思議ではないでしょう。仕事が早い部下は好きですしね。

「では次に行きましょ……」

「パーティのピンチに! カタリーナ登場!」

 と思ったら、ネズミが出てきました。女の子ですね。おや? なんか魔法を詠唱してますが、まさか魔法使いでしょうかね。破壊系の魔法が強いと、オークジェネラルを倒してしまうかもしれませんね。それはダメです。

 とりあえず、()()()()に確認ですね。

「あの女の子は一体誰なんでしょうか?」

「カタリーナ様! なんでこんな所に!」

 様? 貴族でしょうか。使えるかもしれませんね。

「貴族のお嬢様だ。たまにパーティに加えていたのだが……。まさか付いてきているとは」

 お嬢様ですか。なら仕方ないですね。それにしても、やっぱり尾行に気付いてなかったんですね。

「カタリーナ様、お下がり下さい。このオークジェネラルは危険です!」

 魔法を詠唱したままですね。

「貴族のお嬢様ですか。魔法を詠唱してますが、お強いのですか?」

「……いや。魔法が得意なのは得意なんだが、それも年齢の割には、だ。さすがに中ボスには効かないだろう」

「そうですか」

 それを聞いて安心しました。なら計画通りにしましょう。余計な仕事はしない主義ですし。


「さて……では、計画通りに倒しましょうか」

「あぁ。……いや、一人はカタリーナ様に付いていて欲しい。何かがあっては困る」

「そうですね。まぁ二人で十分でしょうし。なので貴方方(あなたがた)は安心して死んで下さいね」

「は? 何を言って……。う、体が動かない……? 何を……」

 少しの間、演技は中断です。いやぁ、結構演技って疲れるんですよね。

「少しチクっと刺しただけですよ。気付きませんでしたか? 我々で殺してもいいんですけど、オークジェネラルに殺されたのに、ナイフが致命傷って、おかしいですしね」

 今回の任務は、あるパーティに同行し、中ボスとの戦闘で苦戦。たまたま通りがかった姫騎士が助けに入るも、我々を庇って姫騎士はオークジェネラルに敗れる……。こういう図式です。

 普通に考えれば、姫騎士がオークジェネラルに負けるはずもありませんが、そこは色々ですね。

 まずは、計画通りにこのクニュッペル子爵の私兵の二人を行動不能です。麻痺毒は便利ですね。後は、オークジェネラルに始末して貰いましょうか。

 ナイフで殺してしまうと、後々面倒になるかもしれませんしね。中ボスに挑むも残念ながら半壊したパーティを演じるために、オークジェネラルさんにお任せしましょう。

「BUMOOOOOOOOOOO!」

 攻撃力が凄いですね。オークジェネラルの攻撃で、一人が上半身が吹き飛んで、もう一人は吹き飛ばれさて……首が変な方に曲がってますね。二人とも死亡確認ですね。

 それにしても……、上半身が吹き飛ぶなら、ナイフで殺しても問題無かったんじゃないでしょうか……。私もまだまだですね。

 これで五名中……、おっと、貴族のお嬢様がいるので、六名中ですね。二名死亡です。

「リーダー、あのガキはどうするんですか?」

 見ると、貴族のお嬢様は詠唱を止めていました。結局撃ちませんでしたね。顔も真っ青ですし、気分でも悪いのでしょうか。

 殺してもいいんですが、オークジェネラルさんに任せましょう。

「寝かせて起きますよ。その後は、私が付き添っています。何かがあっては困るらしいですからね。なので、二人でオークジェネラルと遊んでいて下さい」

「……休むつもりですか?」

 失敬ですね。さっきの……、パーティのリーダーも言ってたじゃないですか。何かあっては困る、と。

「いえいえ。貴族のお嬢様らしいですし、姫騎士を釣るいい餌になると思いますよ。なので、心配して付き添っているフリをするんですよ」

「……御意」

「という訳で、お嬢様。お休みなさいね」

 手刀を当てて、貴族のお嬢様を気絶させます。後は、オークジェネラルの相手は二人に任せて、私は介抱するフリをしていましょうか。

「あぁ、分かってると思いますが、倒しちゃダメですよ。ダメージも与えるのもダメですよ」

 姫騎士のパーティもオークジェネラルに始末してもらうので、ここで我々で倒してはダメですしね。オークジェネラルは働き者ですね。

 さて……。

 中ボスに挑むも、見誤ってパーティは文字通り半壊。誰か助けて下さい。具体的には姫騎士様、助けて下さい。って感じで待っていましょうか。

 時間的には……。そんなに待ちませんね。さて、少し休憩しましょうかね。


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