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召喚獣による召喚で異世界で召喚士になりました  作者: bamleace
二章 ~王都グーベラッハ~
52/126

18 それぞれとダンジョン

視点が変わりますが、三行改行入れています。

今後も変わる場合は三行入れていきます。

 私、カタリーナ・クルーグハルトは上機嫌です。

 それもそのはず。ここ最近、長らく念願だったダンジョン探索を行っているの。

 姫様のパーティに入れて貰おうとするも、いつも断られてきた……。でもめげない私は、伯爵である父様に頼んで、私もダンジョンに行けるようにとお願いしたの。

 そのお願いは若干違った結果になってしまったけど、それでもダンジョンには入る事は出来たから、良しとしましょう。

 この調子で経験を積んで、いつか姫様に認めてもらえば……。

 本当は姫様のパーティにすぐにでも加入したいけど、さすがにそれは無理だったみたい。交友のあるクニュッペル子爵の私兵がダンジョン探索を行っているので、それに私を加えた形のパーティ。

 子爵自身は、あまりダンジョンには赴かないみたいだけど、私兵は私兵で、ダンジョンに行かなさすぎると(なま)るので、子爵がいない時もダンジョンに潜っているから、そこに私が加入したって訳! 人数多い方がいいしね!

 最初はさすがに緊張したわ。平野とかで訓練はしたことがあるけれど、さすがにダンジョンは一味違うみたい。

 魔物も多いし、それに迷路みたいになっているの。入るまでは普通の山だと思っていたけれど、やっぱりダンジョンは不思議ね。


 今日もいつものように私兵さん達の所に行ってみたら、なんかいつもと違う顔ぶれです。

 五人の内、いつもの人は二人しかいません。メンバーが変わったのでしょうか?

 気になりましたが、いつものように一緒にダンジョンに行こうとすると、断られました。

 なんでも、「メンバーがいつもと違うので、まずは我々だけで連携などを確認したい。カタリーナ様をお守り出来る確約が出来ません」だそうです。

 ぷんぷんです。お守りって、私は守られた事なんてありません。私もれっきとした貴族です。民を守り、魔物を倒すのです。

 そりゃ、私は後衛です。実際に魔物を受け持つ前衛の方々からすれば守っているという事なのでしょう。でも、私の魔法と弓があれば、魔物なんて余裕なのです!

 あ、ちょっと……。五人で行っちゃいました……。私を置いていくなんて駄目ですね。後衛大事なのですよ。こそっと付いていって、ピンチの時に助ければ……。「さすがはカタリーナ様です。これなら姫様のパーティでもご活躍出来ますね!」となるでしょう。

 楽しみです。そうとなれば、こそっと行きましょう。

 ダンジョンに入る時に、冒険者ギルドの人に怪しまれましたが、先にいった五人の仲間なので大丈夫です! で通れました。チョロいですね。




「やっぱ魔法は便利なんだなぁ……」

 こうなると、自分で魔法が使えないのが悲しい。

 三人でダンジョンに潜ったり、図書館で勉強したりと、ここ王都で順調な毎日を過ごしている。

 アルルも、最初に比べれば感情表現も豊かになったし、仲良くなれてきているようだ。

 マリアとも仲がいいし、まるで姉妹みたいだ。片方は召喚獣で片方は獣族なんだけどね……。

 図書館では、召喚や歴史だけではなく、魔法についても勉強した。自分には使えないけど、魔法が使える召喚獣というのは存在する。それならばあるいは……と思ったのだ。

 魔法には色々種類がある。まず用途では大きく分けて三つに分類出来る。

 生活魔法、戦闘魔法、戦争魔法だ。

 生活魔法はその名の通り、生活面で役立つ魔法だ。火を点ける、洗浄する、小さな怪我を治すなどの生活が便利になる魔法だ。これらは冒険者でなくても使える人は多い。もちろん魔物に使っても効果は無いだろう。だから生活魔法なのだ。

 戦闘魔法もそのままだ。生活魔法を発展させて、魔物に有効になる威力の魔法だ。炎の塊や風の矢、大怪我の治療などだ。これらの魔法を使える人が魔導師と呼ばれ、後衛としての要になる。

 戦争魔法はもっと大きな魔法になる。大型の魔物や、滅多にないが、魔物の軍勢が攻めてきたときなどに用いられる。人数や長い詠唱、魔法道具を必要とする代わりに、威力は絶大である。

 さすがに戦争魔法とかは不要だろう。でも生活魔法は便利だし、戦闘魔法も欲しい。俺はもちろん使えないし、マリアに至っては魔力がない。アルルは魔力があるみたいだけど、低いし魔法は使えないようだ。自己強化みたいな感じでは使えるみたいだが、魔法というより、気という感じだろうか? 一応無属性魔法という分類になるようだ。

 スクトゥムゴーレムの改良と同じように、他の召喚獣も改良してみた。

 最初の四つは記念だし、思い出みたいなものだ。それぞれ出来る事は限定的で汎用ではないが、分かりやすい。

 サラマンダーは火と攻撃力向上を強化。ウンディーネは回復を強化し専門に。シルフは風の攻撃と敏捷力向上を強化。ノームは攻撃というより、土でテントのような小屋などを建築をしてもらうようにした。ダンジョンでの休憩用だ。

 どれも基本性能を上げる形だったので、イメージもしやすかった。強化はしたけど、必要な魔力があまり変わらなかった。イメージ力と日本の教育に感謝である。

 加えて、一つ新しい召喚獣を創ってみた。無属性魔法にあったテレパシーというのを参考にしたのだ。これがあれば以前から構想しているのが出来ると思う。悲しいかな、イメージは出来るけど、それだけでは召喚陣に表現しきれないのだ。絵が下手なのだ。

 絵が描けないなら、描ける召喚獣を創ればいい。でもそれだけでは俺がイメージした絵は描けない。

 そのためのテレパスの召喚獣だ。使えるのはテレパシーのみという単純だ。見た目は画家っぽい感じにしてみた。イメージ大事。


 ダンジョンに潜り、結構な数のクエストをやっているけれど、まだまだランクアップには遠い。その前に、ランクアップ要件の昇級クエストがクリア出来る気がしない訳だが。

 今のランクはDだ。ランクCに上がるには、ここ王都では山のダンジョンの中腹にいる中ボスの討伐、もしくは、洞窟のダンジョンの中腹にいる中ボスの討伐だ。

 中ボスは、ダンジョンのボスとは違うが、ボスと同じ周期で発生する魔物だ。

 どちらもかなり困難ではある。どちらかというと、山の方が難易度は低い。地下はそれ自体が結構な難易度なのだ。

 山のダンジョンは既に踏破済ではあるが、それは結構昔の記録らしい。ここ最近では誰も山頂には行けていないようだ。

 最も、中腹にすらまだ行っていない俺達には遠い話である。中ボスは三人では倒せるとは思えないし、イヴァン達と合流してからでいいだろう。勝手にランクアップすると怒られそうだし。

 ともあれ中腹の手前くらいまでは行けている。中ボスに挑まないまでも、どんな様子かくらいは見れるといいけど……。でも踏み込んだら襲われそうだし、やめておいた方がいいだろうな。

「それじゃ今日も頑張るか」

「えぇ、いきましょう」

「はい!」




「お嬢様。まもなく中ボスは復活する時期ですが、いかがなさいますか?」

 中ボスもボス同様、数日で復活する。一節では、ボスの手下とか同一個体の分身とか言われている。

「そろそろだったか。いかがも何もないな。あれはランクアップの対象ではないか。我々で討伐しては、冒険者が困るであろう。なので放置しておく」

「心得ました」

 中ボスの討伐は必須ではない。倒さなくともダンジョンを進めるからだ。無論、倒したほうが近道ではあるし、素材なども手に入る。

 だが、姫騎士からすれば、中ボス程度に構っている暇はない。中腹よりもさらに上、標高で言えば七割ほど、六合目ほどの位置を狩場としているからだ。

「そろそろランクアップが出来そうな冒険者はいるのか? 最近はこの辺りまで登ってくる冒険者がいないようだが」

「山に登っている冒険者のランクはまちまちですが、ランクCは我々と他に二組ほどといった所でしょう。片方は貴族の私兵で、もう片方は普通の冒険者ですな。ランクDはそこそこの数がいるようです。中ボスを倒せるかどうかは……難しいでしょうな」

 山のこんな所まで普段から来ている冒険者はいない。姫騎士を除いて、だが。

 その他の冒険者は、中腹までの所で堅実に稼いでいるのだ。

 それに中ボスも手強い。攻撃力、防御力、連携など一通りパーティとして揃っていないと打破は出来ない。ランクDならばフルメンバー、それ以上の実力者でも三、四人は欲しいところである。

 姫騎士達ならば、三人なら余裕で二人なら少し時間が掛かるレベルである。

「では戻るか。こちらのダンジョンともしばらくお別れになる。戻りも油断せずに行くぞ!」

「は! 承知致しました!」

 姫騎士は貴族として、そして武人としてダンジョンに来ている。最近は山のダンジョンに通っていたが、それも今回まで。次回からは地下の洞窟に挑む予定になっている。

 最後だからと少し力を入れて来てしまった。多少疲弊はしているが、姫騎士たちには問題ないだろう。

 戻りも、普段通りに何事なければいいし、何かあっても対処すればいい。それだけの実力があるパーティなのだから。


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