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召喚獣による召喚で異世界で召喚士になりました  作者: bamleace
二章 ~王都グーベラッハ~
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07 転身?と実はいい杖?

 防具が揃った所で、次は武器だ。

 ちなみに、ゲームとかだと俺は武器から買う派だ。別に防具を後回しという訳ではないけど、攻撃が最大の防御だ。喰らう前に倒せばいいし。

 でも、ここだとそうはいかない。仮に大ダメージを負えば、攻撃だってままならない。それに痛いのはやった嫌だ。だから、まず防具を重視したのだ。


 さて、ここでもまずはマリアの武器から見ていく。

 武器屋も防具屋と同様に、ある程度の種別訳で展開されていた。俺達が来ているのは、やはり軽戦士向けの店だ。

 ナイフに片手剣、弓矢もある。棒のような物もあるが、これは棍だろうか。

「武器はやっぱりレイピアのままでいいのか?」

「そうね……。盾と片手剣というスタイルがいいのかもしれないけど……。どうかしら?」

 パーティとしてはその方がいいのかもしれない。盾役は大事だ。

 マリアが盾役。基本的に攻撃よりは防御を優先する戦い方になるだろう。そうなると、敵を倒す役目は俺……というか俺の召喚獣になる。

 現状の手持ちでは、どう考えても厳しい。補助や牽制などは出来るだろうが、与ダメを稼ぐというのは難しい所だ。

 うーん。って事は、他の召喚獣を揃えればいいのかも? 現状は四種類プラスマリアしかいない。魔力も増えたし、召喚獣を揃えた方がいいだろう。

「……ワタシが盾を持った方がいいわよね?」

 マリアもマリアで、色々と考えているみたいだ。さすがに俺に盾役は無理だと、俺も分かっている。そうなると、消去法でマリア自身しかいなくなる。

 だがしかし……! マリアの特徴は、高い敏捷と器用さにある。器用さは盾を使う面ではいいかもしれない。敏捷も、素早く窮地に向かえるという点でもいいだろう。

 でも、一番大事なのは腕力と体力だ。俺よりは高いとはいえ、さすがにメインで盾役が出来るものではないだろう。

 つまり、他の選択肢が無いのが問題なのだ。イヴァンみたいな人が他にいればいいのだが……。

 うん? マリアが盾役だと、それはそれで心配だし、攻撃面で心配。なら攻撃出来る召喚獣を揃える……。

 ならば、盾役が出来る召喚獣を揃えて、マリアはこれまで通りの遊撃でいけるんじゃないか?

 召喚獣だって色々いるはずだ。前に見た本では、それらしいのはいなかったけど、あれは初級向けだしな。盾役とか、前衛が出来る召喚獣を見つけて、契約出来れば……。

 一気に問題解消じゃないか!


「アキ……? 大丈夫?」

 どうやら結構長い間自分の世界に行ってしまっていたようだ。マリアが心配してしまっている。

「あぁ、大丈夫だ。ちょっと思いついた事だあるんだけど……」

 今しがた考えた事を、マリアに伝えた。

「うーん、そうね……。確かにそういう召喚獣はいるのかもしれないけど……。契約出来るの?」

「それについては分からない。まずいるのかどうかを調べないといけないんだが……」

 前の本では駄目だ。どこか本屋で新しい本を手に入れないと行けない。ゲーム時代でも、そういう召喚獣はいたし、きっといるだろう。

「分かったわ。それじゃ武器は保留?」

「だな。あ、俺の武器はどうせ杖だし、見ていっていいか?」

 同意が得られた。マリアの武器種別は俺の召喚獣次第ということになる。この考えでうまく行って欲しい。

 俺の武器はどうせ杖だ。魔力だけはあるし、いい杖にすれば、もっと強くなるだろう。

「いいわよ。それじゃ行きましょうか」


「この杖にしようかな」

 杖専門店に移動した俺達であるが、特に悩みもせずに、性能重視で杖を選んでみた。ここも、値札と共に、必要能力値が書かれている。

 今の俺の魔力は、数値上ではMAXである。故に、売られているのは大抵扱える。扱えないのは、殴打にも向いている杖であり、これには腕力が必要であった。

 さすがに、敵が強くなると、杖で殴った程度ではダメージにならないだろう。それをするなら、魔法の一つを撃ったほうがマシだ。

 なので、俺が選んだのは必要魔力が一〇〇の杖! ではなく、六〇の杖である。一〇〇の杖は魅力であるし、十分な性能もあるのだが、値段もいい値段するし、なによりも目立ちそうだったからだ。

 見るからに強い杖という感じがして、俺が持つには不相応な感じがしたのだ。それに、因縁とか付けられそうじゃん?

 なので、六〇くらいの杖という訳だ。確か、今持っている杖は、前に武器屋に見てもらった時に三〇だったはずだ。一気に倍になるので、その性能も段違いになる。

 魔物素材――恐らくは木だろうか。先端には赤い拳大の宝石のようなものが付いている。さすがに硬いけど、殴ったら傷付きそうだ。もちろん、殴打には向かない杖だ。

 テンションロッドという名前らしい。赤いとテンションが上がるのだろうか? 闘牛か?


「すみません、この杖を下さい」

 何にしろ、新しい武器というのはいい。それだけで嬉しくなる。

「ありがとうございます。こちらの杖ですね……。能力値は大丈夫でしょうか? こちらは魔力が六〇の杖となっております」

「大丈夫です。確認しましたから」

「失礼致しました。それでは、古い杖はお持ちでしょうか? 買い取れる物でしたら、こちらで買い取りもしておりますが」

 お、そうなのか。うーん。一応爺さんの遺品みたいな物だし、売るっていうのはどうだろうかなぁ。取っておきたい気もするけど、荷物になるしなぁ……。値段次第か?

「えーと……。マリア、この古い杖って、売っても平気か?」

 一応マリアに確認を取ってみる。マリアにとっては、創造主の持ち物だった訳だし、そういう意味では形見に近いのかもな。

「ワタシは別にいいわよ」

 気にしないらしい。でも値段次第かな。

「これなんですけど、いくらくらいですかね」

「はい、お預かり致します。……あの、お客様。こちらの杖ですが、かなりいい杖ですね。本当に買い替えをされますか?」

 これはもしかして、高く売れるパターンか? 別にお金には困ってないけど、二束三文なら売らないで置こうと思ったのに。

「えーと……。もしかして、高いですか?」

「はい。お預かりした杖のほうが、性能が良いですね。魔力が六五はないと扱えません。買い替えられますと、性能が下がってしまいますが、よろしいのでしょうか?」

 あれ? この杖、そんなに強い杖だったのか? 俺の記憶違いかな?

「ちょっと待ってください! ……この杖ってこんなに強かったっけ?」

「確かもっと低かったはずだと思うわ」

 だよなぁ……。

「えーと、すみません。私が持っていた杖の方が、強いんですよね?」

「はい、そうですが……。どうなさいますか?」

 うーむ。これはあれか……? ワーズヴェシンの武器屋のおっさんの目が節穴だったのか。それとも、この店員が節穴なのか。

 でも、ここは王都だ。沢山の冒険者がいるし、ここでそういう人はいないだろう……と思いたい。

「じゃ、じゃあ。買うの止めます……。すみませんでした」

「はい。かしこまりました。またのご来店、お待ちしております」


 悩んだ挙句、買わずに古い杖を使う事に決めた。

 いっそ、もっと強い杖、例えば必要魔力が八〇とかのにすればよかったかなぁ。でもそれくらいので、かなり豪華で強そうな感じがしたし……。

「良かったの? その杖がそんなに強いとは思えないんだけど……」

「うーん、でもこっちのが強いって言うしなぁ……。別に不満があった訳じゃないし」

 唯一の不満は、弱かった事だ。弱い杖から強い杖にランクアップというのが、今回の目的であった。

 でも、実はこの杖は弱くなかったらしい。なら何の不満もない。見た目も……まぁ変じゃないし。

「そう? ならいいのだけれど。でも何でかしらね? もっと弱かったはずだけど?」

「うーん。ワーズヴェシンの武器屋かさっきの店員か、そのどっちかの鑑定にミスがあるとしか思えないけどな」

「ワタシ達には分からないものね。こっちが弱いのが分かったら、やっぱり買い替えかしら」

 ゲームみたいに、手持ちの武器も数値化して欲しいものだ。そもそも、この杖は店売り品ではないのだろうか? どこかに売っていれば、本当の強さが分かるのだが……。

「そうだな。弱かったら、さっきの店員にクレーム言って、買い替えだな」

「ふふ、そうね」

 武器の新調は、俺もマリアも結局しなかった。マリアは保留だけど。

 さて、次は召喚獣の補強かな。本屋か、魔法道具を扱ってる店を探すか。


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