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召喚獣による召喚で異世界で召喚士になりました  作者: bamleace
一章 ~ワーズヴェシン街~
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a1 昌人と男の友情

少々下ネタが混じります。不快に感じられる方は飛ばしてくださいませ。

なお、ストーリーには影響しません。

「さて、何するかなぁ」

 部屋に入って、することがなく思わず独り言が出てしまった。

 今、この宿屋の部屋には俺しかいない。

 マリアはミネットとローザの女の子組で買い物、イヴァンは冒険者ギルドに行っている。

 俺は病み上がりということで、食事の後にそのまま部屋で休めと言われた。なので俺だけ宿屋の部屋で休んでいる。

 そう、一人なのだ。

 俺がそばにいなくても召喚獣であるマリアは平気なのかと尋ねたが、元々の低燃費と規格外になった俺の魔力のお陰で多少離れても平気みたい、らしい。

 よく分からんが、そう言うことだ。と言うわけで、一人、部屋で暇をしている訳だ。

 無論、病み上がりだし少し疲れてはいるが、寝るほどでもない。眠くないしな。

 なので、部屋にはいるけどじっとしているのもなぁ、といったところだ。


 さて、ここで重要な事がある。俺は今、一人なのだ。

 この世界に来てから、ずっとマリアと一緒だった。森でマリアに出会い、それからは行動をずっと一緒にしていた。

 部屋も同じだ。ダンジョンへの道中も一緒だ。飯を食べるのも一緒だ。一日中ずっと一緒だ。

 それが今、この世界に来て初めて崩れた。

 別に寂しい訳ではない。いや、少しは寂しいけど俺だって成長している。マリアにも友達は必要だし、ミネット達もいい子だ。

 では何か問題があるのか? いや、その逆だ。

 マリアは可愛い。歳は召喚獣なのでゼロ歳ということになるのだが、見た目は十五、六歳だ。学校のアイドルと言っても過言ではないレベルだ。

 肩に掛かるくらいのサラサラの銀髪に、少し赤い色をしている眼。

 さらに、最初から見に纏っている服も似合っている。さすがに、ダンジョンなどでは防具を身に付けるが、部屋では防具は外す。なので、その服も拝める訳だ。

 色は黒だが、女子高生が着るような感じのシャツのようなトップス。

 そして淡いピンプ色の、これまた女子高生みたいな短いスカートに、膝上のトップスに合わせた黒のオーバーニーソックス。

 そして長さが膝くらいまでの、黒基調のパレオのようなものでピンクスカートの後ろをガードしている。前面は動きやすさなのか、ガードされていない。

 スタイルも素晴らしい。大きすぎず小さすぎず、細すぎず太すぎずの健康体だ。

 風呂のないこの宿なのに、何故かいい匂いもする。

 対して、俺はどうだろうか。

 格好は……まぁこの街で買ったものだし、仕方ないだろう。だが、ここで重要なのは俺の格好ではない。

 俺は、ついこの間まで高校に通っていて、卒業したがいいが、大学受験に失敗しての浪人生だ。

 そう、健全な男子高校生だったし、健全な男子浪人生だ。

 そんな俺の横に、先ほどの美少女マリアさんがいつもいる訳だ。


 溜まってるって奴だ。

 さすがにそんな話は出来ないし、そんな事をする隙もなかった。

 だがしかし! 今この時は俺一人だ。うん、体を休めるのも大事だよね。でも、ストレスとか()()溜まっちゃうしね。仕方ないんだよ。

 この部屋はマリアと同じといっても、マリアの私物がある訳ではない。服はいつも着ているし、防具も街中とは言え付けていっている。

 まぁ俺は変態ではない。()()な浪人生、もとい、召喚士である。そこは想像で補うしかない。

 という訳で、右手の運動タイムです。


 とは言ったものの、後始末をどうするか考えないと、マリアにバレてしまう。

 さすがに女の子、それもマリアみたいな美少女にバレるというのは、ちょっと避けたい。

 色々考えながらウロウロとしている内に、大分時間が経ってしまっていたようだった。

 コンコン。

 部屋をノックしている音が聞こえた。

 うむ? 一体誰だろうか。俺に用事となると、選択肢は少ない。マリア達はさすがにまだ買い物だろうし、イヴァンにしても早過ぎるだろう。

「アキヒト君? 起きてるかい?」

 と思ったら、イヴァンだった。冒険者ギルドに行ったんじゃないのか?

「あぁ、起きてる。ちょっと待ってろ。今開けるよ」

 そう言いドアを開ける。そこに立っていたのは、やはりイヴァンだった。

「どうしたんだ? ギルドに行ったんじゃないのか?」

「話はすぐに終わってね。だから僕も暇だし、アキヒト君の様子を見にきたんだよ」

 あらら。話はすぐに終わってしまったのか。一人ではなくなってしまったが、仕方ない。折角来てくれたんだしな。

「そうか、ありがとうな。見ての通り、全然平気さ。むしろ暇なくらいだよ」

 暇過ぎたのと一人だった事で、よからぬ行動をしようとしていたが。落ち着いてみると、やはり一人だったのが寂しかったのかな。イヴァンといると、もちろんそんな気は起きない。俺はノーマルなのだ。


「訪ねた僕が言うのもなんだけど、寝てなくていいのかい?」

「さすがにそこまでじゃないんだよ。怪我はもう治っているし、魔力枯渇の影響もほとんどないしな」

「そうなんだね。それは良かったよ。それで、何かしてたのかい?」

 いいえ、何もしていません。未遂です。

「い、いや。何かしようかなーと考えていた所だよ。マリアもいないし、一人だったしな」

「そうだったんだね」

「あぁ。イヴァンもそういう時ってないか? 一人で暇な時って」

 考えてみれば、イヴァンも男が一人のパーティだ。それに女の子は二人。しかも片方は妹ときたもんだ。俺よりも辛い思いをしているに違いない。言わば、俺の先輩に成る訳だ。何かノウハウがあれば、ご教授願いたいものだぜ。

「そうだね。僕も今日みたいに、ミネットとローザが二人で買い物に行くことが多いから、よくあるね」

 ですよね。

「その時って何してるんだ?」

「そうだね……。内緒って言いたい所だけど、アキヒト君ならいいかな。実は、運動をしているんだよ」

「運動?」

「そう、運動だね。僕も男だしね。女の子の前でやるようなものじゃないからね。だからこっそりとやってるんだよ」

 含んだ言い方だが、これはやはり俺と同じって事だな。イヴァンも苦労しているんだな……。仕方ないよ、男の(さが)だもん。

 そうと分かれば、何かいいアイディアがないか聞いてみるか。まぁ詳しい所までは聞きたくはないけど。

「なるほどな。俺も似たようなものだ。それで、運動するにしても、どうやってるんだ? 何か便利なアイテムとか、場所とかあるのか?」

「うーん、そうだね。大体は部屋だね。特に何も使わないよ。普通にそのままやってお終いだね」

 なるほど。確かに家があって自分の部屋があるならいいけど、宿屋暮らしや野宿もある冒険者に、グッズなんかは邪魔になるだけか。増して、それが他の人に見つかりでもしたら……。

「あんまりやると疲れるし、戦闘にも影響が出ちゃうしね。ほどほどがいいよ」

 そんなになるまでやった事があるんですか?! それとも大人のお店って奴なのだろうか……。んー、ファンタジーな世界だし、そういうのも多いのかもしれないなぁ。

 無論、日本にいた頃も未成年だったし、そういうお店には無縁ではあったけど。しかし興味はあったけどね。まぁネットで調べられるし、グッズなんかはネット通販で買えたりするしな。

「そうかー。俺も病み上がりだし、あんまり無理は出来ないけど、その、運動してみようかなぁーって思ってたりしたんだよ」

「そうだったんだね。確かにあんまり無理はしちゃ駄目だけど、少しならいいと思うよ」

「だよな!」

 うんうん。やはりイヴァンは分かっている。こんな風な会話が出来る友達っていい。

「そうだね……。折角だし、僕もしようかな」

 お? イヴァンもやる気じゃないか。確かに、今女の子達は買い物中だしな。今しかチャンスは無いわけだ。

「うんうん。それがいいと思うぞ」

「うーん。いつもは一人なんだけど、アキヒト君。一緒にどうかな? 二人のが色々出来るしね」

 ……え? 落ち着くんだ、晶人。いつもは一人、ここはOKだ。後半はどうだ? 一緒に、二人で?

 おいおい、イヴァンさん。何を言っているんですか。俺は男だし、君も男ですよ。

「うん、いい考えだよね。早速やってみようか、アキヒト君」

 ちょ……、ちょっと待って。俺はそんな趣味は……アッー!




「アキ? ただいま……ってあら。イヴァンもいたのね」

「兄さん? アキヒトさんと何してたですか?」

「あれー? イヴァンもいるの?」

 おや? 皆買い物が終わったみたいだね。

「うん。皆おかえり。アキヒト君は寝ちゃったから静かにね。買い物は出来たかい?」

「出来たよねー!」

「出来たですよ!」

「楽しかったわ」

「それは良かったね。僕とアキヒト君は……話をしてただけだけど、アキヒト君は疲れてしまったみたいでね。寝ちゃったんだよ」

 病み上がりなのを忘れて、少しきつくしちゃったかもしれないかも……悪い事をしたなぁ。

「そうだったですか」

「あぁ、そうだ。今更になって申し訳ないけど、明日の見送りは行っちゃ駄目って言われちゃってね」

 冒険者ギルドでそう言われてしまっていた。本当は、今こうして一緒にいるのも避けた方がいいらしいけど、それは黙認って事らしいしね。

「え……! そうなんです?」

「駄目だったか~……。仕方ないねー」

「残念ね……。でもまた会えるわよね、そうでしょ?」

「そうだね。また一緒に冒険しよう。さ、アキヒト君を起こすと悪いから、僕達はもう行くよ。ミネット、ローザ、行くよ」

「あ、待ってください、兄さん。アキヒトさん、マリアさん、それじゃ……またです!」

「アッキーにマリっち、またね! 今日は楽しかったよ~」

「アキヒト君が起きたら、よろしくね、マリアさん。それじゃ」

「えぇ、それじゃ、またね」

 それにしても、ただの柔軟と筋トレだったのに、なんかアキヒト君の様子がおかしかったなぁ。

 召喚士なのに体を鍛えたいだなんて、やっぱアキヒト君も男だよね。男の(さが)だよね!

ご意見ご感想があれば嬉しいです。

マリアの格好は、SAOの血盟騎士団衣装のアスナさんみたいなものです。

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