01 プロローグ
異世界召喚物のプロローグです。
俺、社 昌人は高校生三年生だった。学校生活はそこそこ、文武もそこそこ、友人と呼べる存在は何人かいるが彼女なんてものはいない、どこにでもいる至って普通の高校生だった。
春になり、その友達たちは大学生活を開始している頃だろう。俺はと言うと、大学受験に失敗して浪人生活である。まぁ浪人一回くらいは普通だろう。両親も一回までは仕方ないと言ってくれていた。なので次はない訳だ。
しかし受験に失敗したといっても、ずっと真面目に勉強はしてきた訳だし、それなりに好きだったゲームや漫画も封印してきた。さすがに今から約一年後に向けて、勉強を開始するのも疲れる。というかやる気がでない。親の目もあるし、毎日ダラダラ過ごす訳にはいかないけど、少しばかりの気分転換もいいだろう。
まぁ親は海外出張中で、俺自身は一人暮らしだったりするので、親の目も届かない訳だが。
そう思った俺は、最近話題のRPGゲームを買ってプレイしていた。剣に魔法に魔物にダンジョンにヒロインと、王道のRPGだがストーリーや設定が中々面白くて、話題なのも頷ける。
この時代、まだVR技術なんてものは企業レベルのもので、一般向けには広まっていない。あれでゲームが出来れば、剣の重さや魔物の咆哮など本物みたいなゲームになるんだろう。いつかその時代が来るのかもしれない。
そんな訳でゲームといえば、いわゆるTVゲームやネットゲームになる。ネットゲームは昔やったことがあるが、ハマると時間泥棒状態になるので、さすがに浪人生活では手を出せない。なので買ってきたゲームもTVゲームである。
とは言うが、最新ハードでRPGとしても面白いのはもちろんのこと、映像にも凝っているゲームなので迫力はある。
とくにヒロインが可愛い。ゲームの主人公は労せずにこんなに可愛い子と仲良く出来て、羨ましい限りだ。
ゲームを開始して早数時間。ニ桁をとっくに達した頃、俺の意識は無くなっていた。久々で、さらに面白いゲーム。気分転換というレベルを遥かに超えて、寝る間も惜しみずっとプレイしていたため、寝落ちしてしまったのである。
セーブはしたっけとか、さすがにやりすぎたなぁとか、まぁいいかとか、寝る寸前の僅かな意識で思ったのはそんな内容だった。
ご意見ご感想があれば嬉しいです。
8/21:typo、算用数字→漢数字修正