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Transmigrate to Dragon  作者: 八部伍型
6/15

06 最強

Transmigrate to Dragonを開いて頂きありがとうございます。


 なぜか昨日の20時頃から急にアクセスが増えて20時-20時の1日で250UU1000PV。祝5000PV!!なにがあったのだろう・・・。

 まぁ、とにかくあまりの嬉しさに頑張って予定より2日早く書き上げました。

 暇つぶしにでもなれれば、幸いです。

 ついに、この日がやってきた。

 100歳になった次の12月21日。

 そう、学校のある竜界とやらに出発する日だ。

 そして、1週間後(この世界の1週間は8日間で、火・氷・風・土・雷・水・光・闇曜日から成り立っている。三界共通。)の1月1日に入学式がある。

 

 この山頂に来るのも3回目。

 しかし、今回は見送られる方。

 見送りは家族3人とメイド14名、護衛のモンスター多数だ。

 まぁ、正しく言うと護衛のモンスター達は、見送りに来てる訳ではないが。

 

 前回、次女のイェニファーの見送りから40年。

 主にペリィを筆頭にいろいろ教わりながら過ごしてきた。

 人型時での戦闘用に、剣術と体術。

 竜族の生態やこの三界の歴史や地理、魔族、天使族、人族(亜人も含む)についても学んだ。

 地界に住む人族は、前世の地球の様にいくつもの国を作っている様で、さすがに全部は無理だったので大きい所だけに絞った。

 やはり、人族は戦争を繰り返してるらしい。

 どの世界でも人間は争う事を止められないのだろうか・・・と、そんな哲学的な事まで考えてしまった。


 あとは、竜形態での体の動かし方や戦闘の仕方か。

 これはさすがに親父殿に教えてもらった。

 魔族のメイド達には分からない事だし、母レテーナや妹のナディーネ相手では、向こうが強すぎてこっちが死んでしまうwww

 そう言えば、100歳になった2日後の9月21日に、竜の間で結構本気で親父殿とやり合ったが、勝てなかった・・・。

 くぬぬぬ・・・これが経験の差か・・・。


 ちなみに次の日、レコが竜の間の修繕代として、莫大な金額を請求してきたそうだ。

 なんでも、魔術で対物理衝撃、対魔法効果等の特別な強化をした石材で、あの竜の間を覆っていたらしい。

 たしかにその日の夕食時、親父殿の顔は真っ青だった。

 確かに良く考えたら、あれだけ暴れて壁や床が割れたり、ひびが入った程度ですんでたもんな・・・。

 ざまぁみろw息子相手にマジになって暴れるからだ!

 しかし、山が崩れたりしたら、大変だ。

 レテーナやナディーネ、メイド達も生き埋めになってしまう。

 もう二度と暴れまいと誓った。

 

 

「兄上、竜界までお体を大事に、お気を付けて。」


 ナディーネが俺に向けて微笑んでいた。

 産まれてきてから90年間、ほとんどの時間をと一緒に過ごしてきた。

 前世の人間だったら超熟練夫婦だ。

 冗談だと思われたかもしれないが、本当にそれ位、一緒に過ごした。

 遊びも昼寝も勉強も武術も食事だって一緒だった。

 一緒にいなかったのは、それこそ親父殿とのドラゴン戦闘の時と、風呂や就寝など夕食後のひと時くらいか。

 そんな長年かけて少しづつ、色んな話しを時折しながら自分好みに調ky・・もとい、育ててきたものだから、兄を敬愛するブラコンドラゴン武士っ娘の出来上がりだ!

 もちろん髪型は武士っぽく高い位置で結いあげたポニーテールで、その状態でも腰にまで届いている。

 ここしばらくは、ネディーネが髪を下している所を見た事がないので、多分だが、おしりが隠れるくらい長いのではないだろうか。

 背もイェニファーと14cm差の166cm。

 イェニファーは早々に身長が止まってしまった様で、ナディーネと合う度に羨ましがっている。

 ちなみに俺は現在168cm。

 一時期ナディーネに抜かれたりもした(泣)が、10年前に抜き返した。

 

「本当に気をつけるのよ?竜界の姉達の(向こうの)家に着くまでの道中もそうだけど、他の竜の雌達にもね。基本的にみんな気が強いんだし、人数も多いんだから・・・ね?」

「はい、分かっておりますよ、お母様。何度も聞いていますし、メラ姉達もおりますから。」

「いや、ケーフィヴ。本当に他の雌どもは気が荒いからな。うちの雌達は、本当に火竜なのかって位だから、基準に考えるなよ?下手したら集団で暴行されたり、レイプされたりしてるんだからな。」

「え”?本当に??そこまでなの?!」

「兄上・・・。」

「ちょっと!マルセル、あなた・・・」


 そこまでされるとは思ってなくて、結構本気でビビっていたら、ナディーネが心配そうな顔でこっちを見てた。

 


「母上!ここはやはり、私も兄上に付いて竜界に行きます!!」

「なっ?!ナディーネ、その件については何度も話し合って、あと10年残って俺達と過ごすと決めただろう?」


 と、すかさずマルセルが言ってきた。

 そう、何年か前からナディーネは事ある毎に「10年位なら、ちょっと早く竜界の姉達の(向こうの)家に行って住んでも、たいして変わらないのだから、兄上と一緒に竜界に行く。」と言っていたのだ。

 それを俺は両親と共に説得していたのだった。

 結局、ナディーネの後に弟や妹は出来ていないし、一人になってしまうとはいえ、子供と後10年しか一緒に過ごせないと母レテーナが寂しがっているのを知っていたからである。


「ナディーネ・・・。繰り返しになるケド、我慢してちょうだい。100歳というのがしきたりだし、そろそろあなたも兄離れするべきだわ。あと10年だけなんだから、あたしと一緒にゆっくり過ごしましょう。」 

「それにナディーネ。お母様達を頼むよ・・・。」

「ううっ・・・。兄上・・・。」


 うっ!そんな涙目で俺をみるなっっ。

 連れて行きたくなっちゃうだろーが!


「ケーフィヴ。そろそろ・・・。」


 親父殿が出立を促してきた。

 切りがないと思ったのか、ナディーネが一先ず引き下がってる今がチャンスと思ったのか・・・。

 名残惜しいが、確かに切りがないので従うことにした。


「それでは、行ってまいります。」

「え、ええ。いってらっしゃい。メラニーとイェニファーによろしくね。」

「ああ、行ってこい。気をつけろよ。」

「兄上・・・。いってらっしゃいませ。ちゃんと帰って来てくださいね。」


 最後にはナディーネも含め、みんな笑顔で送り出してくれた。




◇ ◇ ◇




「それじゃ、道案内頼むよ、ペリィ。」

「畏まりました。見失わないよう、しっかりと付いて来てくださいね。」


 専属メイドのペリィとミリも、もちろん一緒に竜界の姉達の(向こうの)家に移り住む。

 ペリィとミリも竜界は初めて行くらしいが、魔界からの竜界へ行く扉の位置は知っているそうなので、二人に付いて飛んで行く。

 二人は大きく開いた背中から、コウモリの様な翼を出して飛んでいる。

 

 なるほど・・・。翼を出すための背中が大きく開いたメイド服だったのか・・・。


 そんな事を思いながら二人を追って飛んでいて、ふと後ろを振り返ったら、両親の巣の山(自分の家)がどれだか分からない位になっていた。

 結構、速いスピードで飛んでいた様だ。

 

「どれくらいで扉とやらに着くんだ?」

「そうですね・・・、この速度ならだいたい5時間くらいでしょうか。」

「5時間か・・・。こんなに本格的に飛ぶのは初めてなのに、いきなりそんなにか・・・。」

「何をおっしゃいます。風竜族なんかは、何日だって飛んでいられるのです。ケーフィヴ様だって余裕ですよ。」

「何を根拠に行っているんだよ!だいたい、風竜族と火竜族とでは体つきだって違うと、前に言っていただろうに!」

「大丈夫ですよ、ケーフィヴ様。私やペリィ様もこの亜音速位の速度でしたら、なんとか扉まで飛び続けられるのですから。竜族であるケーフィヴ様の魔力なら全く問題ありません。」

「今、亜音速もでてるのか・・・。まぁ、それは置いといて、そうか。そう言われると平気そうな気がするな。ありがとう、ミリ。」

「いえいえ。そんなお礼を言われるほどの事ではありません。」


 亜音速で5時間も飛び続けると・・・だいたい5000km位か?うろ覚えな上、ざっくりな計算だが。

 日本が南北で3300km位だった筈だから、余裕で縦断できるな・・・。

 改めて考えるとさすが、ドラゴン。

 そんな距離をこんな短時間で無休で飛べるとか半端ないな、やっぱり・・・。


「あと、扉ってどんな感じなんだ?文字通り、でっかい扉なのか?」

「まさか。扉とは言いますが、実際は魔方陣です。天界と魔界が力を合わせて作った、複雑で強力な魔方陣ですよ。なので、いくら強い竜族とはいえ、簡単には起動できない様になっています。」

「えらい厳重なんだな・・・。」

「そうですね・・・。その辺は学校に入られれば、授業で説明があるはずです。レテーナ様達も説明なされていないので、私どもにはこれ以上申し上げられません。申し訳ございません。」

「そうか・・・。気にはなるが、向こうに行けば時間もたくさんある事だし、かまわないさ。」

「ありがとうございます。」


 そんな風に軽く雑談などをしながら、護衛や荷物持ち達を引き連れて扉に向かってひたすら飛んでいった。




◇ ◇ ◇




「ここか・・・。」


 本当に5時間ちょっと飛び続けて、城壁に取り囲まれた砦と言った感じの建物の前まで来た。

 ここからもう1000km位飛ぶと魔王のいる城もあるらしい。

 すげー!魔王の城!!

「行ってみたい。」

 そう言ってみたら、「ドラゴンが城まで飛んで来たら、大騒動になるから止めてください!」と怒られた。

 ドラゴンってそこまで恐れられているのか・・・。

 「無許可で近づいたら、雄なら確実に殺されますから・・・。」とミリも優しく?教えてくれた。

 「それこそ、ルミオール様位ね。無事ですむのは。」とペリィ談。

 

 ルミオール・ヴァルトハイム。


 世界最強のドラゴンだそうだ。

 世界最強の生物と言い換えてもいいそうだ。

 俺と同じ火竜族の雌で御歳180。

 現在、竜界におり、学校の生徒会長をしているらしい。

 彼女が本気を出せば魔族、天使族相手に互角の戦いが出来ると言われているらしい。


 ブルブルッ・・・。

 1対天・魔族の戦いができるってどんなだよっ!!!

 そんなのが生徒会長してる学校にこれから行くのかよ・・・。

 まじ、こええぇ行きたくないよう・・・。

 今、知りたくなかったよぅ・・・おうちに帰りたいよぅ・・・(泣)

 

 目の前の砦の物々しさも相まってガクブルしていたら、メイド達に連行された・・・。

 容赦ないな・・・お前達。


 砦の周りや上空に魔族や魔物が警戒しており、そんな中、門の前まで歩いて行って名を名乗ると、すでに連絡を受けていたのだろう、すんなりと中に迎え入れられた。

 そして、ねぎらいの言葉や休憩する間もなく、まっすぐ扉の間に連れて来られた・・・。


 一休みする暇すらないとは・・・ね。

 とっとと竜界へ行けと言うことか。


 よく見ると、扉の間には、なんと天使族もいた。

 協力して、竜界からの侵入を警戒でもしてるのだろうか?

 和やかな雰囲気ではない。


 促されるままに床いっぱいの魔方陣の上に移動した。

 警護してくれていた者達とは、砦の前で別れていたので、今ここに一緒にいるのはメイドの二人だけだ。

 荷物はカートに積んでいる。

 そして、まもなく天使族、魔族4人づつで呪文(パスワード)を唱え始めた。

  

 本当に忙しないね・・・。


 唱え始めてしばらくすると、魔方陣がぼんやり光りだし、天井から氷柱のように垂れ下っている岩の先端についている丸い水晶の様な物に吸い込まれるようにして、俺達は魔界を後にした。

お読み頂きありがとうございます。


一昨日、書きながらはっと気付きました。あれ?ハーレム物謳っててヒロインまだ一人も出てなくね?

 という訳で、ちょっと先だしと相成りました。


3/9 20時

タイトルにまた話数を入れ忘れたので追記。また、150文字程度、追記しました。

おかげさまで、たった1日で500UU増え2100UU、7500PVに!ありがとうございます!

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