05 成長
Transmigrate to Dragonを開いて頂き、有難うございます。
自分の頭の中の物語を文章にするだけでも大変なのに、読者に楽しんでもらえる様にするのって本当に難しいですね。
他の作者様方を尊敬し直しました。
「それじゃ、そろそろ出発するわね。お母様、お父様、そしてケーフィヴにナディーネ。」
イェニファーは家族ひとりひとりの顔を順番に見ながら言った。
イェニファーはこれから両親の巣から出て、1月に竜界の学校に入学するの為だ。
結婚した竜族や成人した雄の竜族は、天・地・魔界の三界に巣を作って生活をしているが、その子供達は100歳になると巣立ちをし、竜界と言う所にある学校に入学するのだそうだ。
竜族の100歳は、地球の人間の15歳位に当たるらしい。
そして、今は両親の巣がある山の山頂付近に出てきている。
山頂へは家の中にある転送装置を使って出てきた。
転送装置とは床に魔方陣が描かれていて、魔力と呪文を用いて発動する。
山の周辺に、出口はいくつかあるらしい。
天気は珍しく快晴。
青紫空に雲ひとつない、良い天気だ。
え?青空の間違いじゃないのかって?いや、実際、昼間でも空は青紫色をしている。
何故かと言うと、ここは魔界だからだ。
そう、何を隠そう両親の巣は魔界にあったのだ!
今回と同じように、竜界の学校に入学するメラ姉を見送りに出てきた前回、30年前には俺は大層驚いた。
思わず「うお!!なんだ、この空の色はっ!」って叫んじゃったくらい。
皆に怪しまれたが「読んだ本に空は青いと書いてあった。」とか言って、無理やり誤魔化した。
ちなみに天界は、薄い黄色らしい。黄金色って言った方が美しい表現で分かりやすいだろうか?
「姉上、竜界までお体を大事に、お気を付けて。」
と三女のナディーネがイェニファーに声をかけた。
ナディーネは五十年前、俺が10歳を迎えた約一ヶ月後の10月21日に産まれた。
これがまた可愛い!
妹なのだが、自分に子供ができたみたいな気持ちで、家族共々溺愛している。
年も10歳しか違わない事もあり、ナディーネも俺に良く懐いてくれて、家族5人の中で一番長い時間を共に過ごしたのは間違いない。
今は髪をストレートロングに伸ばしていて、身長はすでに158cm。イェニファーの身長152cmを超え、母レテーナと長女メラニーと同じ背丈になっている。
「イェ姉、頑張ってね。あと、メラ姉によろしくね。」
「あんた、こんな時にまでメラ姉の事を・・・一か月半前にナディーネの誕生日で会ったばっかじゃない。・・・分かったわよ、ちゃんと伝えておくわ。」
レテーナとマルセルもイェニファーに言葉をかけ、それから、お供の魔族のメイドや荷物持ちのガーゴイルみたいな硬そうな皮膚をした翼の生えた魔物を連れて、イェニファーは飛び立って行った。
これから魔界の首都ヴェルボゲン近くまで行き、そこから竜界に渡るらしい。
「行ってしまったわね・・・。賑やかなイェニファーがいなくなると、少し寂しくなるわね。」
「そうだね。まぁ、どうしても寂いしいのなら・・・また、子供を産んで増やせばいいじゃないか。な、レテーナ。」
親父殿・・・肩を抱きながらいい事言ったつもりになってるかもしれないが、子供の前で家族計画的な事を言うのはやめてくれ・・・・。
イェニファーの飛んで行った方角を見続けている両親を置いて、ナディーネと屋敷に帰りながら俺は思った。
◇ ◇ ◇
さらに20年の年月が過ぎ、ケーフィヴは80歳になっていた。
前世なら、もうヨボヨボのお爺さんになっていただろうが、竜族はになった俺はやっと身体も成長しきってきて、身長が168cm。体重が62kgになった。
どうも両親や、専属メイドのペリィに話を聞いている所、10歳位までは人間と同じように育ち、竜に変身できる10歳を過ぎると成長がかなり遅くなるようだ。
俺の体感や計算だと
地球の人間 竜族
10歳 10歳
11歳 20歳
12歳 30歳
13歳 50歳
14歳 70歳
15歳 90歳
16歳 120歳
17歳 150歳
18歳 180歳
19歳 210歳
20歳 300歳
21歳~25歳 400歳~100歳づつ~800歳
26歳以降 1000歳~200歳づつ
位となる様である。
他にも、いろいろ竜族について勉強した。
普通の竜族の子供は100歳までは両親やメイドに読み書きと最低限の生活できるだけの常識や礼儀を教わるだけだそうで、俺みたいに色んな事を聞いたり、剣術や体術の修行、本を読んで勉強などはしないそうだ。
さすがに転生したとはいえ、俺も性根は勤勉な日本人だったらしい(笑)。
いくら一日のうち10時間は寝るとはいえ、暇すぎる!
人生80年の元人間がただ、遊んだり、ブラブラしたり、ぼ~と過ごすには長すぎる!
好奇心がなくなったら心が死んでしまう!
と、言うわけで暇なので、色々勉強しました。
ファンタジーの世界なんて、興味津津、面白すぎるから余裕でした。
ゲームや小説の設定資料集を読み漁っている感じ。
でも、学校行けば教わるからと、教えるのが面倒くさいのか、あまり積極的には教えてくれなかったケド・・・。
その中でも一番教えてもらえたのは竜族についての事。
さすがに自分の種族については、キチンと教えてくれた。
竜族は8種族あるらしい。
俺たちの種族である火竜族を筆頭に、風竜族・雷竜族・水竜族・金竜族・白竜族・神竜族・黒竜族だ。
属性は名前の通りだが、金竜族の土と白竜族の氷が分かりづらいか。
人口は比率は火竜族から30%・20%・15%・15%・5%・10%・2,5%・2,5%位らしい。
見ての通り、我らが火竜族が一番多く、神竜族と黒竜族がひどく少ない。
少ないが、その代わりなのか、身体は火竜族より一回り大きく、強い個体が多いらしい。
逆に風竜族、雷竜族は一回り小さいが速いらしい。
鱗の色は火竜族から順に、赤・緑・紫・水色・金色・白・銀色・黒。
人型時は 赤髪、紅眼 ・ 緑髪、黒眼 ・ 金髪、銀眼 ・ 青髪、青眼 ・ 茶髪、茶色 ・ 銀髪、金眼 ・ 黒髪、黒眼 と髪の毛と瞳の色を見れば、一発で何族かが分かるらしい。
しっかし、赤にはさすがに慣れたけど、そろったら、えらいカラフルだな~と思う。
竜界の学校に行けば、8種族の子供たちがいるそうだから楽しみだ。
あ、一応、神竜族と暗黒竜族はいないかもと言われてたか・・・。
2,5%と言うと、100人いても2,3人いるかいないかか・・・。
子供だけの割合ではないそうだし・・・せっかくだからいるといいなぁ。
あとは・・・、そうだなぁ・・・。
各種族に長老衆がいて、各種族の意思決定をしており、各種族の最長老8人で竜族全体の調整や取り決め、意思決定しているらしい。
ちなみに火竜族の長老衆は7人で、母方の祖母のウルズラと言う人がいるそうだ。
言い方から分かると思うけど、会った事はない。
最長老はゾーニャと言う、これまた女性・・・と言うか老女か、らしい。
全員1万歳以上だそうだ・・・。
い、1万歳って・・・(汗)
想像もつかないや・・・。
それに、親戚に長老衆がいるとか・・・。
うちって、結構いい所の家系だったのか・・・。
お読み頂き、有難うございます。
次回更新は、少し間が空きます。
ご了承くださいませ。
3/5 改稿 タイトルの話数と暗黒竜→黒竜に。髪と眼の色の所を見やすく?しました。