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妖怪つぶやきシリーズ

さあゲームのかいし〜――妖怪席取坊のつぶやき

作者: Fos B
掲載日:2026/08/01

【席取りゲームのかいし〜】


坊は妖怪席取坊って言うの。

「その席とおーった!」

他の奴が憎い、奪いたい、代わりたい、なら——。

「いらないなら、坊がもらうもん。だっていらないんだよネェ? そうだよネェ?」

坊はね、人を羨んで取って代わりたいっていう人間のおりから生まれたんだ。

人間から垂れ流されたその澱は、アメーバみたいな姿でドローンとしていて、色は錆色。あちこちに錆を撒き散らしているんだあー。

なんだけど不思議なことに、人間にはヨチヨチ歩きの赤ちゃんに見える。服装は法衣と黒紫の袈裟を着ていて、その姿形はなんだかボッティチェリの絵みたいに愛らしいらしい。まあ、心も天使みたいだからネ。

人間は、自分がやらなかったことや、自分の行いの結果なのに、すぐに他の奴を見ては妬み、うらやましがる。

あいつの席と取って代わりたいとか、蹴倒して奪ってやりたいとか。

一番酷いのは、自分が落ちるときは「諸共」と、一緒に落ちようと巻き込むこと。

だから、坊はそんな人間の望み通り、席を取ってあげるだけ。

「いらない」って言うから、ボランティアで席をとってあげたの。なんて親切なんでしょう!

その重油みたいなドロドロの澱を持って、どこへ行くの?

一度坊がとった席は、もう坊のもの。相席なんてしてあげない。

狙った人間の席を乗っ取るも、蹴倒すも自由だからね。坊は自由主義なんだ。

だけど、相手の方が強くて追い払われたり、一緒に諸共になったときは、2人でコールタールのようになって、それが溶岩みたいにどこかへ流れ出すよ。

楽しい、永遠に続く楽しいたびだね。

もう戻れる"席"なんてないよ。だって、そこはもう坊の場所だもんネ。

あっ、また——陣取りゲームの開始だ!!

「その席とおーった!」

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