2話 救済
「本当なんですよ!カイヤさん!
本当に物音がしてて!」
「はぁ......こんな夜更けに誰もいるわけないでしょう?
怖がりは赤子の頃からちっとも変わらないわね。
メイもちょっとは頼りがいのある子になってきたかと思ったんですけどねぇ......」
メイはカイヤの背中に隠れながら音がした方を指さした
「あそこ!裏口の扉辺りで!」
「「―――!!」」
裏口の扉前には布に包まれた赤子が転がされていた
「なんて事を!」
メイが顔を歪ませながらそう言うと
カイヤは赤子をそっと抱き抱えた
「息は......ギリギリしてるわね。
でも肌が冷たすぎるわ。すぐに温めないと!
メイ、ルクスを起こして暖炉の薪を持ってきて。それと、水もくんできて!」
「わかりました!」
メイは急いで走り、同じ7歳の少年ルクスを呼びに行った。
―――……数分後、ルクスの部屋……――
ドンドン!
メイはルクスの部屋の扉を強く叩いた
「ルクス!入るよ!!」
メイは
ルクスが被っていた布団をバッと地面に放り投げて
ルクスを掴みながらブンブン揺さぶった
「ねぇ!起きて、ルクス!大変なの!手伝って!」
「うーん......寒いって......なんだい?メイ......まだ夜じゃないか......遊ぶのは日が昇ってからにしようよ......」
「また赤ちゃんが捨てられてたのよ!早くしないと死んじゃう!」
「―――!!またか......今年二人目だね。」
ルクスは今年の春頃にも孤児院の正面に捨てられていた子がいた事を思い出した。
ヴィスと言う名前のつけられていた赤子だ。
「―――メイ、行こうか。」
「うん。薪を持ってくるのと水をくんでって言われたの」
「そっか、じゃあ外に行かないと」
ルクスはコートを手にとって
二人でパタパタと走りながら外に向かった。
「ねぇ、ルクス。」
「何?」
「何で......私達だけ捨てられちゃったのかな......?」
「…… 」
ルクスは世界の不平等さを感じて顔を歪めた
「私達何か悪いことした......?
神様は私達が嫌いなの......?」
メイは泣きそうになりながら話している。
そんな事を言っても仕方がないと分かりながら。
二人は肌に当たる冷たい雪が
まるで自分達にだけ降り注いでいるような......
そんな気がした―――。




