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1話 凍える夜
霞、薄れるような視界の中
近くで声が聞こえた気がした―――。
―――「ここに置いとけばいいでしょ。」
「あぁ、これで自由だ!」
「やっと 二人になれるのね!」
誰かが感動のシーンのように抱きしめ会っているのが見える気がする
―――冷たい、寒い。
ふわふわした白い物が顔に触れる度に
意識が遠のきそうになる
先程いた人達の気配は もうなかった――。
死ぬ感覚はこんな感じなんだな。
今にも閉じてしまいそうな視界に映るのは
暗く冷たい空。
なんて寂しい最後だろう
こんな夜に一人きりなんて。
せめて最後の景色くらい
もっと幸せで暖かいものが良かったな。
もっと......生きてみたかった。
陽だまりに包まれて
誰かが微笑みかけてくれるような......
そんな―――
幸せな未来が欲しかった―――……
”あぁ、なんて不運な子―――……”
”運命は自分次第であるべきだ―――……”
”不運な子に幸せを掴むチャンスを―――……”




