閑話休題 ドクターミナセのスワーム講座
すいません、あそこからの展開に悩み中です。
ですので閑話休題をどうぞ。
「「今日はよく集まってくれた!新たなる助手候補たち!!」」
研究施設「ラボ」にてDrによる"研修"が始まった。ドクターミナセはモニター越しに助手候補たちを観ている。
総数は10人、皆純粋な眼でドクターを見ている、その裏の顔を知らずに。
「「ここでは主に古生物の研究をしている。さぁヒヨッコども、まずは自己紹介からだ!」」
列に並んだ候補たちは左から順に自己紹介を始める。
「加倉ニエです。バートラム大学生物学科に所属しています。」
「池永ダンツ!ラックス学園理科専攻を主席で卒業!!」
男女入り混じる自己紹介、どれも輝かしい経歴、学歴をもつ優秀な候補たち。
しかし何故ミナセは急に助手候補なんてものを呼びつけたのだろうか?その気になればいくらでも"造れる"のに。
「…ミナセ、こんな馬鹿どもから助手を選ぶ気か?」
話しかけたのはミナセのいるモニタールームに同席している彼女の助手、ノックス・ホムン。
彼の言葉に返答はせずに再びマイク越しに候補たちに話しかける。
「「でも10人ってやっぱ多いよね〜。だから、今からテストを始めます!!」」
候補たちがいる部屋の床が開き、様々な武器が生えてくる、刃物や銃器など様々。
「これが……て、テスト?……」
武器を見て困惑する者や手にとってふざけて構えたりする者など皆困惑一色。
「君の言う通りだよノックス。これは研修ではない、ただの"娯楽"だよ」
候補たちの部屋の天井が開く、そこから檻に入った化け物「スワーム」がゆっくりと降ろされる。
「「今君たちの目の前、檻の中で眠っているのは私が復元に成功した生物その名を「スワーム」。」」
今は麻酔が打たれて檻の中で眠ってはいるが、・バイク並みの身体・鋭利な前足・強靭な顎・黒色の甲殻、それが表す文字通りのバケモノを前に候補たちは狼狽える。
「「…そろそろ麻酔が切れるね、テストの内容は目の前の武器を使ってこの虫を皆んなで駆除しよ〜。さぁ構えて?」」
想定外の積み重ねにより困惑から抜け出せずにわちゃわちゃが止まらずにパニックに陥っている。
そうこうしているうちに麻酔が切れたスワームが目を覚ます。
「キィィ………ギチチチチチチチチ!!ギュアア!!」
「ひ、ヒィ!?なんだコイツ!?」
「何してんだよ!早くその銃で殺せよ!!?」
「は、はぁ!??!殺すっつってもそんな急に……」
ガン!ガン!
寝起きのスワームは自身を閉じ込めている檻を破壊しようともがきだす。
「お前ら落ち着け。この化け物は檻の中だ、どこにビビる要素があるってんだ?」
「そ・れ・に!このテストが研究とどう関係してるんだ!?バカバカしい。辞退する!」
一人の学生が異議を唱えた。彼の名は池場カズ、10人の候補の中でも特に"優秀"と呼ばれる成績を残している。
「「意味はあるよー。こういった生物が脱走した時に鎮圧または処分をちゃんとできるかを測ってるんだよ」」
「そんなのは別に部隊でも雇えばいい!わざわざ研究員がやることではない」
他の候補学生たちがスワームを前に武器を構えてる横で小規模の問答が起こる。
「……おいミナセ、どう誤魔化すんだ?。もう大体理解したが」
「仕方ない、ちょっと早いけどネタばらしだね」
そう言うミナセの顔はこれから起こる事への好奇心に満ち溢れていた。
「どうした!?何も言い返せないか!!やはりどいつもこいつも馬鹿ばかりだ。お前ら、いつまでそのデカ虫と睨み合ってんだよ」
バキィン!!
直後、スワームは自身を閉じ込めた檻を一撃で破壊し、羽を広げて部屋を飛び回る。
「う、うわあああああ!!!!」
「なんで!?檻があっさりとやぶっ………!」
バチュン
予想し得なかった展開に困惑・パニック、そして早速一人がスワームのエサとなった。
「ヒィッ……嫌だぁぁぁぁっ……」
ベシュッ……
「……ははは、おかあさっ……」
ガジュッ……
手に持った武器を発砲することすらなく体当たりをモロにくらいミンチになる。他の候補学生たちも同様、頭を噛みちぎられたり上半身と下半身が泣き別れしたり、白一色だった部屋は4割が赤く染められた。
「な、なんで……。ふ、ふざけるな……俺は天才で……他の奴らなんかとは価値が……」
「「へぇ…"天才"ねぇ。じゃあ少しチャンスをあげよう」」
池場カズの足元から5本の試験管が現れる、中にはそれぞれ色の違う薬品が入っており、薬品の名前がそれぞれ書かれている。
「「その5種類の薬品を手順通りに混ぜるとスワームの外骨格に致命的な損傷を与える毒ができる。火事場の馬鹿力ならぬ知力でどうにかしてみな」」
「ギチギチギチギチギチギチ!!キュキュ……!」
「じょ、上等だ……クソ……手が震えて上手く……おそらくこの順番なら……よし!うああ!!!」
混ぜ合わせた薬品をスワームに勢いよくかける。だが特に変化は見られず、逆にスワームの怒りを買ったようだ。
「嘘だ!!嘘だ嘘だ嘘だ!!!あの配合なら強力な酸ができるはず、どうして何もないんだ!?」
「「さぁ?自分で答えを導いてみなよ。天才でしょ?」」
そう言うとミナセはモニターのスイッチをオフにした。あのスワームはしばらくあそこで放し飼いするようだ。
「知ってるかいノックス、スワームの甲殻はタンパク質じゃなくほぼ金属に近いんだよ。だからあの銃器はほとんど意味ないんだ⭐︎」
まるで映画を観終わった子供のような笑顔でそう告げる。初めからただの娯楽だったのだ、剣闘士よりも悪質な。
「……そりゃそうか」




