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EP 06 深淵より影は這い出る。

「こっちこっち!」


 俺は今、遊園地とやらにいる。世間は休日というのもあり人がいっぱいおり、賑わっている。


「次はアレ乗ろう!」


 そして俺の手を引っ張っているのはユナだ。どうしてこうなったのかは約3時間前に遡る。


 それは一枚のチラシが原因だった。

 

〜3時間前〜


「"オープン記念!入場料半額!エディオットプレイシティ"……。」


 玄関のポストに入っていたのは最近オープンしたテーマパークのチラシ。そもそもテーマパークってのがなんなのかわからないが、チラシを見るに楽しい場所だということはわかった。


「行ってみるか」


 支度を済ませ、俺はテーマパーク「エディオットプレイシティ」へと向かった。


「人凄いな……」


 入場口は遠く、大勢の人たちが列に並んでいる様はまるで蛇の様だ。


「これ入るまでに一体何分かかるんだ……」


 意を決して列に並ぼうと心決めた時、聞き覚えのある声が俺を呼んだ。

 

「おーい!」


 大きく手を振りながらこちらに向かって走ってくる人が一人。


「奇遇だね、君もここのアトラクション「スカイ・ハイ・ヘブン」目当て?」


「スカイはい……なんだ?」


「総回転数16回、落下角度125度。最高時速は247km/h!!史上初の怪物マシンだよ!!」


 興奮を隠すことなく、無邪気な子供の様にマシンの詳細を述べる。あの時とはテンションのベクトルが正反対だ。


「ならせっかくだし、一緒に並ぶか?」


 二人いれば待ち時間も耐えれそうだ。


 そうして40分後、ようやく入場できた。


「やっと入れた…。じゃあさっき言ってたスカイハイ何ちゃらに行くか?」


「いや、楽しみは後にとっておきたいから先にアレ乗ろ!!」


 そう言い指を指した先にはカップを模したマシンが回転している奇妙な光景が。


「あれはなんて名前だ?ローリング・バイ・カップ?」


「普通にコーヒーカップだよ」


 カップに乗り、アナウンスの声と共に他のカップと一緒に回り始める。


 回転は遅く穏やか、だが俺は知らなかった。


「どうしたんだ?真ん中のハンドルを黙々と回して……」


 徐々にカップの回転速度が上がり始める、俺はようやくコーヒーカップの恐ろしさを理解するが、少し遅かった。


「待て待て待て!それ以上は不味い!!」


 コーヒーカップの回転速度が最大になり、周りの景色が全て残像へと変化する。


 再びアナウンスが流れて全てのコーヒーカップマシンが回転をやめた、まだ少し目が回っている。


「……少し回しすぎちゃった……」


 なぜか俺よりふらついているユナに若干困惑しながら次のアトラクションへ向かう。


 

 しかし、底より這い出る影はすでに活気に満ちた遊園地の真下に迫っていた。



 ユナがまだ回復しきってなかったため、ユナの提案で観覧車に乗ることに。ゆっくりと回転する巨大な歯車の様なそれは遊園地全体を見渡すことのできる唯一のアトラクションと言えるだろう。


「うう…まだ回ってふ……」


「ならなんであんなに回したんだよ…」


「憧れは止められないの……」


 観覧車が一番上までのぼり、頂上から遊園地の全てを一望できる。遠くに見える港は太陽が反射して煌いている、夜はまた違う景色が見れそうだ。


「遊園地っていいところだな」


「でしょ?あとは目玉のジェットコースターと、ゴーカートに………。ねぇグリス、あれ何……」


 急に青ざめた顔をするユナ。窓の外を見ると、黒い雲の様な物が遊園地内を飛び回って建物を破壊している光景が目に入る。


 破壊というよりは削っている様にも見える黒い雲はそれが何かの生物の群れだとわかるのに時間を要さなかった。


(このままじゃ観覧車も襲われる。あの群れを観覧車から遠ざけないと……!)


 デバイスとアタッチメントを取り出し、変身の準備が完了した。


「それって……」


「アレの注意を引く。あとで色々説明するからちょっと待ってて欲しい」


『ENTRY』


 装甲にて強化された力で鍵のかかった扉をこじ開ける。


「すぐ戻る!!」


 そう言い残して観覧車から飛び降りる。黒い群れへと突っ込んで注意を引き、観覧車から引き離すことに成功、あとは黒い群れを倒すか応援を待つかだ。



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