EP 03情報は丸腰を解消する
「……俺が足止めしてる間にそんなことが……。なるほど、"ガラクタ屋"ねぇ……。」
日が沈んでかなり時間がたち、身体を温めるために俺たちは屋台にておでんをつつきながら話をする。
「ランクBのファイターを軽く倒せる性能のアタッチメントをタダで渡す。なんか怪しいな」
「なぁ、そもそも"ランク"って何なんだ?」
トウシは一瞬俺を見て「そうだった」と言わんばかりの表情をし、説明してくれた。
「簡単にいや"強さ順"だ。下はE、上はAまである。あとは別枠扱いでSランク、別名"特例上位ランカー"って言うバケモノたちもいる。ランキングはデバイスと連携させたスマホで確認可能だが……スマホ持ってない?買え」
「その"特例上位ランカー"ってのを教えてくれ」
知れるところで知っとかないとこの先情報不足は自身に対して不利益しかもたらさないことはわかっている。
「いいぜ。現時点でSランクに登録されているファイターは四人。S01マーセナリー、S02フドウセツダン、S03アルファ・オーダー、S04赫星戦騎。S04はつい最近Sに入ったばかり。俺が知ってるのはこんくらいだ、Sランクに関しては情報が少ない」
「ありがとう、十分だ」
キリのいいところで解散、別れ際にトウシから「今ならネカフェが一番安いぞ。パソコンもあるからスマホのないお前でも色々調べれるしな」と教えてもらったので部屋を借りた、どうやら個室タイプのようだ。
備え付けのパソコンでアーマーファイトについて調べた。"アカシクコーポレーション"っていう企業が主催しているブローケンシティ内限定のエクストリームスポーツみたいなものと書かれている。
「確かにエクストリームではあるな、死にかけたし」
"特例上位ランカー"と打ち込んで検索すると一番上に「ランクSまとめ」と書かれたサイトが目に入った。クリックして開くと四人のSランカーの情報が色々書かれている……というわけでもなかった。
「S04以外はスッカスカのスカだ。だけどS04だけやたらと多く書き込まれている……」
とりあえず重要そうなとこをメモして眠りについた。
〜翌日、ブローケンシティのはずれに位置する公園にて。
「よーし、じゃあ早速やるか!!"変身"!」
公園のど真ん中で変身する。今から俺がするのはいわゆる"動作確認"だ。これからブローケンシティでアーマーファイトをやるにあたり、自分の扱うアーマーの仕様は知り尽くさなければ。
そこまでしてアーマーファイトをやる理由?どうやら戦いに勝利するともらえるFPはこの街のほぼ全ての店で通貨と同価値で使用可能らしい。
つまりは金のため、あとは断片的に思い出した俺自身の記憶・過去を知るためだ。
「まずはパンチとキック!!」
2発パンチを打ち、そのあとに蹴りを放つ。装甲により強化されたそれは轟音を立てて地面の砂塵を空に舞わせる。
「あとは足の速さ!」
足を踏み締め、駆け出す。踏み締めた足は驚くほど地面をがっしりと掴み、飛び出した身体は想定を上回るほどの慣性が乗り結果、かなりの速さで公園を駆けることとなる。
「そしてジャンプ!!」
しゃがみ込み力をため、両足を踏み締め真上に飛び出す。渾身の力を込めた足はジャンプと同時に地面を割り身体は真っ直ぐ上に移動、公園のフェンスと同じくらいの高さまでジャンプできる。
「あとは昨日の戦いで出たあの羽みたいな奴だ、確か……こう!!」
出ない。
「どんな感じだったっけ?背中から捻り出す感じに"こう"!!」
背中を思いっきり反らせたあとに肩甲骨あたりが突き出る感じに背中を突き出す。出ない。
「……まぁいい。次は装甲の機能だな、えーと何だったっけ?」
装甲デンタリウスの機能「吸気変換」、全身の吸気口から取り込んだ空気を内部機関でエネルギーに変換する機能。一定量溜まった状態で"点火"すると一定時間装甲の性能が底上げされる。
「どんなものか……"吸気変換"!」
全身各部の装甲がスライドし、周りの空気を吸入し出す。それと同時に頭部装甲内部のモニター右のゲージが上がっていく。
「なるほどな、これで点火するとパワーアップというわけか、なるほど把握した。では……」
ゴオオォォォォォォォォォォォ………
どこか聞き慣れない音が聞こえてくる。この装甲こらではないもっと上、"空"からだ……!。
ドゴオオォォォォォン!!!
それは赫い光を纏いながら俺の前に隕石の如く落ちてきた。
「……動画で見たよ、この登場の仕方はこの都市で一人だけ……!」
公園の真ん中に隕石のような勢いでヒーロー着地をし、衝撃により舞う砂塵の中から赫く鋭い眼光が二つ。
子供ならその姿の虜に間違いなくなると思わせるヒロイックさとメカメカしさを融合させた戦士、何なら大きなお友達もその装甲の細部に魅力されるだろう。
「"特例上位ランカー赫星戦騎"!!」
そう呼ぶ俺を鋭い眼光が見据える。




