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EP02 破岩!突撃!デンタリウス!!

 煤に塗れたアタッチメントに触れた途端、脳内がフラッシュした。そして俺の眼は路地裏の光景とは別の景色を勝手に映し出す。


 そこは火の海だった、溶け落ちた鉄骨が地面に突き刺さり、あちこちで爆発が起きている。俺の後ろから装甲を纏った兵士達が雄叫びを上げながら突き進むが、その多くが爆発や建物の倒壊に巻き込まれて沈む。


 心拍が上がる、興奮由来ではなくもっと不快な何かのように吐き気が込み上げる。


「「それは貴方が過去に置き忘れてきたモノです」」


 ガスマスクの言葉が脳裏をよぎる、確かに俺は今日までの記憶がない。どこで覚えた言葉かも、何でここにいるのかもわからない、しかし……。


「……ハァ…!ハァ…!。これが俺の"過去"なのか……!?」


 気づけば路地裏の景色に戻っていた。背後からこちらに近づく足音と不快な火花の音が聞こえる。


「伊達にこの都市に住んでるわけじゃない、この辺りは複雑に入り組んでるから逃げられやすい。故にここの地理は全て頭に叩きこんである」


「アイツはどうした……?」


 俺の問いに爆弾野郎はニヤけた顔でしか出せないような声で答える。


「さぁ?お前が知る必要はないだろ?笑。どうせお前も一緒になるんだからなぁ!!」


 そう言い手のひらで爆破を起こしながら走りよってきた。俺は腹を括り、アタッチメントを使う覚悟を決める。


「俺の"過去"かどんなもんか、見せて貰おうじゃねぇか!!!」


 変身を解除し、再び現れたデバイスにアタッチメントを差し込む。


『SET・UNKNOWN・ENTRY』


『…Now loading……。SCAN・HERACLES・ENTRY』


『DENTALIUS・READY?』


 黒い装甲が先に形成される。次に虚空から白いヘラクレスオオカブトが現れ、周りを飛び回る。


「落ちてたアタッチメントでも拾ったか。だがそれで勝てるほど甘くねぇのよ!!」


 ヘラクレスは俺の背中に突撃し、バラバラになって俺の黒い装甲の上から新たな装甲としてドッキング、白い装甲に蒼いラインが走り、頭にはヘラクレスの角を模した鋭い角が現れる。


「変身完了、『デンタリウス』。これが俺の過去らしい!!」


 力いっぱい繰り出した右ストレートは爆弾野郎の爆破をものともせずに突き進み、そいつの胸中心を捉えた。


「グホァ!!?」


 手応えの感じた拳、爆弾野郎は吹っ飛んだ。


「そんなバカな!?ランクBのアタッチメントの攻撃をものともせずに……!」


 そういうと起き上がり、後ろへステップを踏み距離をとる。


「ならば距離を離して爆破する!!味わえ"バウンス・マイン"を!!」


 放たれた爆弾はスーパーボールのように地面を跳ね回りながらこちらへと向かってくる。


「ならばその距離を詰める!!」


 姿勢を低く構え、背中から粒子状の翅が二枚生える。


「ハアァァァ!!」


 間近での爆発はデンタリウスの装甲に傷一つ付けず、後ろへ下がるダイナマイトハンズに追いついた。


「ま、待て……」


「これでも食らいやがれ!!」


 エネルギーを込めた右拳を再び力いっぱいに振り下ろす。


 爆弾野郎は力無く寝そべり、手足はピクピクと痙攣している、虫みたいだ。


『WINNER・DENTALIUS!』


『勝負終了、プレイヤー「ダイナマイトハンズ」から「デンタリウス」にFP(ファイトポイント)を一定量移行します。また、FPは近くのアーマーファイト提携店舗にて通貨と同価値での使用が可能です』


 デバイスから発せられる音声が流れるがそんな悠長に聞いている暇はない。変身を解除し路地裏を出る、全速力で走ってきた道を戻る。


「頼む……、生きていてくれ!!」


 アイツがいなければ俺は今生きていなかったかもしれない。あの爆弾野郎の発言通りなら無事にいる線はゼロだ。


「クロスボウ野郎!無事か!?」


 アイツが俺を押し出したところまで戻ってきた。道の真ん中でボロボロの装甲を纏った人が倒れている。


「クソ……間に合わなかった……!ちくしょう……」


 悔しい気持ちで触れるが空を切る。クロスボウの装甲がその場から、まるでホログラムのように消える。


「………へ?」


 偶然、建物2階付近の室外機に隠れたクロスボウと思しき人物と目が合う。


「…あー、その。なんかすまん」


 どうやらやられたフリして戻ってきた爆弾野郎に奇襲を仕掛けるつもりだったようだ。俺はあの後の出来事を話す。


「倒したのか!?ダイナマイトハンズを!?」


 それは予想以上にすごい戦果らしく、クロスボウは俺に初心者を代表して感謝?してくれた。


「俺の名前は矢嶋トウシ。あんたはなんて名前だ?」


(名前?ああそうか名前か。俺の名前……ないよ。ならばここで決めるか、んーと………。)


 ふと見上げるとビルに設置されたモニターでCMがやっている。


「「滑らかな走音を、エンジンオイル『グリスR』」」


 俺の名前が今決まった。


「俺の名前は"グリス"だ」


 昼とは別の明るさを放つ夜のブローケンシティにひっそりと新たなアーマーファイターが誕生した。


・変身解除の仕方は脳内でそう念じれば解除される。

・デバイスは変身中は出せない

・解除するとデバイスが現れる。

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