EP 08 今夜は快晴
本当に申し訳ありませんでした。これからは出来るだけ投稿スピードを速めていこうと思う所存です。
「今日は災難だったな…」
「まったくだよ、目玉のジェットコースターに乗れずじまいなのが何より悔しい!」
日が落ち夜になったブローケンシティ、だが街にある様々な光が相変わらず昼のように眩しく、この街では昼も夜もたいして変わらないことを痛感する。
「でもグリスがアーマーファイターだったのはなんというか『あー確かに』って感じ」
「?どういう意味だそれ……」
ユナについて行きながら、あれやこれやと会話をする。彼女の本名は神原ユナ、ニューアーツ学園普通科2年生らしい。
都市の喧騒はやがて遠くなってゆき、人気がなくなる。付近を歩いているのは俺たちだけで、今はどれだけ小さな声でもちゃんと聞こえる。
「ついたよ、ここが入り口」
あれから結構歩いた気がする、ここは都会というか山だ。
入り口には看板が立てられている、長いこと手入れされていなく、錆だらけで文字すら読めない。
入り口を通った先には横に長い椅子が多数、ワイヤーに吊るされていた。
「これはチェアリフトだよ。上の線と繋がっていて、稼働すると上まで連れてってくれるんだ」
「でも動いてないぞ、どうやって稼働させるんだ?」
ユナはリフトの隣の部屋「管理室」に入っていき、壁についている制御盤のレバーを下げると電気が点き、リフトが動き出す。
「さぁ行こ!」
横長のベンチが微小の振動で揺れながら斜めに山を登っていく。夜の風は少し冷えるがまた心地いい。
ベンチに揺られて数分、頂上に着いた。正確にはここから少し歩いた先が目的地らしい。
木々の間の道を抜けると広場に出た。
『天望山 山頂』
岩に刻まれた文字に目を通し次に見た光景は俺の心を無限に湧き立たせる物だった。
上はどこまでも続く煌めく満天の星空
下は灯火万家の光の絨毯
それは今の俺に「世界の広さ」を直に見せるような衝撃と感動を与えてくれた。
「どうかな?あたしのとっておきの場所なんだ」
「嫌なこととかがあったりするとここに足を運んで全部吐き出すんだ。それでスッキリしてから昼寝する、そしたらいつのまにか日が登ってるんだ」
「風邪ひくぞ」
「ここの景色は壮大すぎて自分が抱えている悩みがちっぽけに感じるんだ。上には私達を照らす太陽と同じくらい眩しい星達が数えられないほどあって、下の一つ一つの光には何人何十人の生活、人生が詰め込まれている。そういう当たり前なことをしっかりと感じれる場所なんだ」
そう言うユナの蒼い瞳には街の夜景が反射し、宝石のようだ。
「秘密の場所も共有したことだし……」
グルンと振り返る。
「改めて、これからよろしくグリス!」
その混じり気のない笑顔はこの夜景に勝るとも劣らない輝きを放っていた。
「……ああ!」
差し出された手を俺は強く握り締めた。
この街に来て2人目の友人だ。




