#7 本当の恋人
「「わぁ……」」
僕とよすがは、思わず感嘆の息を漏らした。
暗く静かな部屋の中のライトアップされた水槽の青を悠々と泳ぐ魚たち。……とても、幻想的だった。
僕らは、自然と、どちらともなく手を繋いだ。
そして、水族館を一通り見終え、レストラン。
「ん、美味しぃ~♡ 鮫美味しいよ」
「鮪も美味しいよ。……はい、よすが」
「んっ」
ぱくっ、と、よすがが鮪に食い付く。
「ん、本当、美味しい! 王、鮫も食べてみて! はいっ」
「……、あ、美味しい……」
すると、後ろに座っていたカップルが、ぽそぽそと囁き合った。
「仲良いな、あの子たち」
「ふふっ、可愛いね」
「「っ⁉」」
みるみる僕たちの顔が真っ赤に染まっていく。そして、俯きながら無言で食べ進めた。
「きゃっ! あはは、水めっちゃ掛かってくるー!」
僕たちは、イルカショーを見に来た。イルカが水を掛けて来て、よすがが楽しそうに無邪気に笑う。
「あー、楽しかったぁ。ね、王!」
「うん、でもよすがはしゃぎすぎ」
「えへ、だって楽しいんだもん!」
僕たちの手は、今も繋がっている。
暗い部屋に入った。
「……ねぇ」
「何?」
「王、……本当の、恋人になろう? 期間限定とか、偽物じゃなくて」
「……ふふ、それ……僕が、言おうとした言葉だ」
「ふふっ、……綺麗、だね」
「そうだね」
「ずっと、一緒に、いようね」
「うん——」
そして、僕たちは、ぎゅっと手を強く握って、
青を泳ぐ魚たちをずっと、じっと見つめていた。
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