#6 二人の誕生日
「お兄ちゃん、お誕生日おめでとう!」
「あぁ……有難う」
姫のその言葉に、「あぁ、そんな日もあったっけな」と感じた。
4月27日。水曜日。僕にとっては祝日でも、世間にとっては平日。なので、普通に学校がある。
「お早、王」
「お早う、よすが」
「ねぇ聞いて! 私、今日誕生日なの! ……そう言えば王の誕生日っていつ?」
「え、今日」
「えぇっ⁉ ち、因みに、時間は……」
「午前2時7分」
「えぇ……っ⁉ 私、午後14時7分なんだけど……」
「……⁉ ……」
「運命だねっ!」
——運命、か。
僕はふっと微笑み、「そうかもね」と言った。
「ハッピーバースデートゥーユー、お兄ちゃん!」
「有難う、姫」
「お母さんがいないのは残念だけど、わたしがその分までお兄ちゃんお祝いするから!」
「ふふ……本当に、有難ね」
「えへー」
にへーっと笑う姫。ずっと、このままの日常が続いたらいいなと思った。
『よ:おっはー!』
『の:……お早う。メールの文面から分かるけど、朝っぱらから元気だね』
『よ:うふ。(ふわぁ……と欠伸する兎のスタンプ)』
『の:え? 眠いの?』
『よ:いんや全く。(キラーン)』
『の:……』
『よ:そーだ! 今日、水族館に行こうよ! ここ、近くに水族館あったよね?』
『の:あるけど……』
『よ:初デートだよ』
「っ、デー……ッ⁉」
僕がよすがとメールでやり取りしていると、よすががそんなことを送って来た。
『の:……よすがと、二人で?』
『よ:初デートなんだから、そうに決まってるじゃん~!(ゲラゲラ笑い転げている兎のスタンプ)』
「……(イラッ)」
『の:ふーん、あ、あのさぁよすが、僕本気で好きな女子と付き合うことになった』
『よ:……は?』
『の:嘘(ゲラゲラ笑い転げている兎のスタンプ)』
『よ:王っ、それは悪戯が過ぎるよ!』
『の:あのね? 先刻、君もこのスタンプ送って来たからね?』
『よ:すんません……』
『よ:まぁ、水族館行くのは決定やからね?』
『の:何故関西弁?』
そんなこんなで、僕はよすがとデートすることになった。
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