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最終章 反撃の時は来た、project.S.520

午前十時。

月浜軍の兵士たちと疑似神姫が月浜に帰還した。

月浜軍の兵士たちは胸を張って凱旋の行進を行い、疑似神姫たちはその力強さを国民に見せつけるように凱旋飛行を行う。


午前十時三十八分。

S,開発局に疑似神姫の操縦士たちが押し寄せた。

「フィトミア博士!!」

レリー・デイ・ローズは泣きながらシゼルに抱きついた。

「はいはい、よく頑張ったね」

シゼルは犬を撫でるようにレリーを撫でながらそう言った。

シゼルは疑似神姫の操縦士たちと握手していった。


正午十二時。

シゼルとローラは昼食を食べながら話をする。

「フィトミア博士のところにも疑似神姫乗りたち来たか?」

ローラはそばを食べるシゼルを見てそう言った。

「来たよ」

箸を握ったシゼルはそばをつゆにつけながらそう言った。

「マジで握手し過ぎて腕疲れた」

箸を握ったシゼルはローラを見て笑みながらそう言った。

「そうか。兵士たちも無事に帰ってきたようだな」

「そうだね。死者なしは結構久々なんじゃないかな」

箸を握ったシゼルはそう言うとそばを食べた。

「とても幸せそうだった」

ローラはそう言うと、カップ麺の蓋を開けた。

「幸せだろうね」

箸を握ったシゼルはローラを見て笑みながらそう言った。


同年、七月十四日。

S.開発局から新しいシステム、AZ series ver.9.0が公開されて第九世代疑似神姫が登場するという予想が広がった。

この予想によって月浜軍人たちの士気が最高潮に達する。

この盛り上がりに燃料を投入するようにシゼルが第九世代の開発コード名を公開すると、疑似神姫の操縦士たちの士気も最高潮に達した。

「お師匠様は本当に盛り上げ上手ですよね」

ビゼルはシゼルを見てそう言った。

「月浜人が単純すぎるんだよ」

シゼルはシステムコードを見直しながらそう言った。

「みんなの注目機は?」

シゼルはビゼルを見てそう言った。

「コードネームjen dragonです」

「軍部も持ち上げてくれて嬉しいけど、少し期待させ過ぎかな」

「そうでしょうか。私は期待していた以上の性能だと思いましたよ?」

「カタログスペックならorigin sunが一番だよ?見た目も良いし」

「単機で活躍する疑似神姫にはもう飽きたんですよ」

「まぁ、引き立て役が欲しいというのが本音だとは思いますが」

ビゼルはシゼルを見て笑みながらそう言った。

「いつも通りイイ性格してて安心するよ」

シゼルは伸びをしながらそう言った。


同年、七月十五日。

project.S.520の正式名が発表された。

TT-42B-54 ゴージェン。

事実上の陸海軍共同開発機となったゴージェンは世界初の陸上配備型疑似神姫として配備が決定された。

橘花はアーヴァン共栄圏に支援を要請するも苦い思いをしたアーヴァン共栄圏の国々は要請を無視した。


同年、八月一日。

ついに第九世代疑似神姫の戦役が開始された。

橘花は辛うじて保たれた優勢を維持しようと現在飛行できる五百八十機の雪風を国境戦線に投じた。

しかし、ゴージェンの後方支援によって強化された疑似神姫によって雪風はいとも簡単に撃墜されていく。

圧倒的汎用性と火力で疑似神姫一強の時代を終わらせた最強戦姫の姿はもうない。

雪風は必死の抵抗を見せながらじわじわと確実に数を減らす。

そして、わずか数日で国境戦線の戦況は橘花の優勢から月浜の優勢に変化したのだった。

TT-42B-54 ゴージェンのその後

千六百五十六年八月一日~五十七年八月七日

国境戦線にて活躍するも単体戦力としての弱さが指摘される。

千六百五十九年、三月二十六日

E.開発局にて第一次改修を受ける。

改修によって小型化され、単体戦力として強くなるも持ち味だった支援装備が撤去されてしまう。

千六百六十年六月二十八日~同年十月七日

ベルトノア戦線に投入されるも活躍できず早々に帰還が命じられる。

千六百六十年十月十六日

海軍ハ-18番開発局にて第二次改修を受ける。

火力が落とされ、支援機能が再び搭載される。

千六百六十一年六月七日~千六百六十六年八月七日

ベルトノア戦線にて活躍するも運用コストの高さが指摘される

千六百七十年一月十五日

ベルトノア戦線の勝利を機に行われた軍備再編によって凍結される。

千六百七十五年~千六百七十七年十二月二日。

S.520級戦姫から支援を受けながらアウス戦線にて活躍する。

千六百七十八年一月一日

アウス戦線の敗戦を機に再度凍結される。

千六百九十七年四月二十九日

他の疑似神姫と共に神軍に回収されて解体される。

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