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三十一章 ジェマノ島でパソコン屋を営むシゼルの親友

同年、六月四日。

ホテルの中でのんびりするシゼルはお茶を飲んでいる時にふと鞄の中にSSDを入れていることを思い出してSSDを取り出した。

「こ~の島・・・パソコン売ってるかな・・・」

シゼルはSSDを見て悩ましそうに言った。

SSDを持ったシゼルはホテルから出て町を歩き始めた。

「この辺にパソコン売ってる店ってある?」

シゼルは青果売りの商人を見てそう言った。

「パソコン?」

青果売りの商人はシゼルを見てそう言った。

「おーい!この辺にパソコン売ってる店あるか!?」

青果売りの商人は向かいの商人を見てそう言った。

「この辺ならアイン・バッチじゃないか?」

向かいの商人はシゼルを見てそう言った。

「あー、あの子ね。ありがとう」

シゼルは青果売りの商人を見て笑みながらそう言った。

シゼルはお礼に青果売りの商人から果物を、向かいの商人から乾麺を買って再び歩き始めた。


十分ほど歩いたシゼルは小さくて今にも崩れそうなボロ屋の前で止まった。

「よくこんな所に・・・店構えたね!」

シゼルは引き戸を力を込めて開けながらそう言った。

「あーあーそんなに乱雑に扱わないでくれー。崩れちゃうよー」

店主のアル・アイン・バッチはカウンターから身を乗り出して必死に袖を振りながらそう言った。

「なんでこんなボロ屋買っちゃったわけ?また騙されでもした?」

シゼルはアルを見て呆れたようにそう言った。

「いやーそうじゃないんだよー」

メガネの位置を直したアルはシゼルを見て笑みながらそう言った。

「じゃあ、どういうわけ?」

「超がつくほどお得だから買ったんだよー」

アルはシゼルを見て笑みながらそう言った。

「んー・・・お得?」

シゼルは内装を見て困惑しながらそう言った。

「陛下が訪問するって決まってから万象教のお狐様たちがお金を湯水のように使ってるでしょ?」

「そうだね」

「こういうボロ屋は完全無償で建て直されるんだー。陛下が宿泊する地に相応しくないって理由でねー」

「なるほど・・・」

「このボロ屋、いくらで買ったの?」

「一万ディールズリズ」

「バカじゃないの!?」

シゼルは酷く驚きながらそう言った。

「全財産使っちゃって最近はジャガイモ生活だよー」

アルは照れながらそう言った。

「だと思った・・・」

シゼルはため息をつきながらそう言った。

「はいこれ」

シゼルは果物と乾麺が入った袋をあるに差し出した。

「おー!ありがとー。持つべきものは友だねー」

アルは果物と乾麺が入った袋を受け取って笑みながらそう言った。

「でさ、ノートパソコンある?用途は普段使い、予算は十五リズ以内、六プラス三接続のSSDが入ればスペックはなんでもいい。あと、面倒だからSSDは外してといて」

シゼルは棚に乾麺をしまうアルを見てそう言った。

「アルセル社製ののWE-13なんてどう?L7の十世代、メモリはSi-2200の8GB一枚、グラボはAe-990のラップトップ、解像度1080、値段は九リズー」

アルは果物を冷蔵庫の中にしまいながらそう言った。

「これね」

シゼルは箱に書かれている情報を見てそう言うと、箱を引っ張りだしてノートパソコンを見た。

「まぁ・・・この島でしか使わないし・・・良いか」

シゼルは超薄型ノートパソコンを見てそう言った。

「月浜にはそんな薄い精密機器はないもんねー」

アルはシゼルを見て笑みながらそう言った。

「これにする」

シゼルはそう言うと、カードを出した。

「はい、毎度ー」

アルは読み取り機を差し出してそう言った。

「SSD分の値段は引いといたからー」

アルは住民カードを読み取り機にかざして会計を済ませるシゼルを見て笑みながらそう言った。


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