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二十五章 激動の時代が始まる

午後二時。

S.520試製五号機がデモクラシーを訴えて広場に集まった民衆を制圧した。

この事件を知った民衆はさらに怒り、運動はさらに激しさを増していく。


午後二時十五分。

千蘭宮皇国にて中立陣営による臨時会議が開催された。

月浜軍による弾圧が話し合われた結果は重要書類として月浜の政府と軍に届けられた。

「此度の制圧は過剰であり、不必要な武力行使だった。これが字江摩野島で起きればかつての虐殺事件に近い事件が起きるだろう」

ビゼルは書類の内容を読み上げる。

「・・・」

上層軍人たちが不安を感じて祈るように手を組みながら話を聴く一方、シゼルは結果がわかっているかのように平然としている。

「よって、字江摩野島の領有権を月浜が持つことは適切ではない」

ビゼルがそう言うと、上昇軍人たちが落ち込んだ。

「こんな判断許されるはずがない!!」

天府陸軍大臣は机を叩いて怒鳴った。

「どうしてそう思ったの?」

シゼルはお茶をティースプーンで混ぜながらそう言った。

「国家存亡の危機だったんだぞ!たかが数百人殺したところ出なんだというのだ!」

天府陸軍大臣はシゼルを見て怒鳴った。

「そうだ!!」

上層軍人たちはヤジを飛ばす。

「国民はただお金を適切に使ってくれって言ってるだけじゃん。それを殺して黙らせるってまんまアーヴァン王国だよ」

「貴様!!言って良いことと悪いことがあるのだぞ!!」

天府陸軍大臣がそう怒鳴ると、上層軍人たちが怒りながら立ち上がった。

「その態度、考えがアーヴァン王国なのだ」

ビゼルは上層軍人たちを見て凄みながらそう言った。

「・・・」

上層軍人たちはビゼルを見ると、冷や汗を垂らしながら座った。

「暴力は確かに低いコストで利益をもたらすよ。でも、暴力による支配の末にあるのは虚しく悲しい結末だけだ。愛されず、求められず、未来永劫(さげす)まれて(けな)される」

シゼルは天府陸軍大臣たちを見てそう言った。

「金と権力のために月浜をそんな国にしないでもらいたい」

シゼルは天府陸軍大臣たちを見て力強くそう言った。

「・・・」

天府陸軍大臣たちはうつむいて黙り込んだ。

「お前たちは月浜軍元帥の意見を無視し、事実を隠蔽し、同胞を殺した大罪人だ」

ビゼルは天府陸軍大臣たちを見てそう言った。

「お師匠様が許しても私は月浜四剣士として、月浜軍の元帥として、お前たちを許しはしない」

ビゼルがそう言うと、上層軍人たちが冷や汗を垂らした。


午後三時。

字江摩野島の奪還を狙っていた橘花国が字江摩野島の領有を主張した。

しかし、「過去に行った民間人虐殺の責任を取って虐殺に関与した容疑者たちの身柄を引き渡してから主張しろ」とディールズ貴国の統治者である魔神紅雷(テリュス)に言われたため奪還には至らなかった。

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