二十一章 ジェルドフドスの第一次改修その二
正午十二時。
昼休みになると、シゼルはS.開発局を一時的に閉じて基地の外に出た。
シゼルはいつもの店に行って昼食を食べる。
シゼルが昼食を食べていると、ローラが来た。
「フィトミア博士と同じものを」
歩みを進めるローラは店員を見てそう言った。
「陛下とお前はこの国をどうしようとしている」
シゼルの向かいに座ったローラはシゼルを見てそう言った。
「どうもしないよ」
箸を握ったシゼルはローラを見てそう言うと、ご飯を食べた。
「目的はなんだ?」
ローラはシゼルを見てそう言った。
「私は適当に働いてるだけ。陛下の目的は知らない」
箸を握ったシゼルはローラを見てそう言った。
「労働環境も労働条件も千蘭宮皇国の方が良いはずだ」
「千蘭宮皇国には長命種が多い。だから、採用条件も厳しい。技術者なんてよっぽど大きい資格がないと無理だよ」
「無理・・・」
ローラは少し驚きながらそう言った。
「日雇いなどでも食ってはいけるのだろう?」
ローラはご飯を食べるシゼルを見てそう言った。
「そりゃ食ってはいけるよ。でも、私は研究やら開発がしたいんだ。お金が欲しいわけじゃない」
シゼルはローラを見てそう言った。
「そうか・・・」
ローラは運ばれてきた定食を見てそう言った。
「というか・・・あのチビ、ラグジェパレス社には入れたってことは、もしかしてめちゃめちゃ頭いいのか?」
箸を握ったローラはそう言うと、ご飯を食べた。
「グラディスのこと?」
シゼルはご飯を食べながらそう言った。
「あぁ」
箸を握ったローラはそう言うとご飯を食べた。
「グラディスは特殊電池の取り扱い許可っていう特殊資格持ってるから引く手あまただよ」
シゼルはローラを見てそう言った。
「特殊電池?」
「軍需産業に使う取り扱いが特殊な電池のこと」
箸を握ったシゼルはそう言うと、ご飯を食べた。
「賢いわけではないのか」
「賢くはないよ。まぁ、あの国は中途半端に賢い人が一番地獄見るからグラディスくらいがちょうど生きやすい」
「意外と難しい国なのだな」
「と言うか、やけにグラディスのこと気にするよね。ライバル視ってやつ?」
シゼルはローラを見て笑みながらそう言った。
「あのバカがライバルだと?バカバカしい」
ローラは笑いながらそう言うと、急いでご飯を食べ始めた。
休憩を終えたシゼルは再びジェルドフドスの改良を進める。
パーツが綺麗に入れられ、配線の色まで統一されて見た目まで美しい機体になった。
「おぉ!何とも美しい!」
天府陸軍大臣はジェルドフドスを見て笑みながらそう言った。
「流石はフィトミア博士だ」
天府陸軍大臣はシゼルを見て笑みながらそう言った。
「あ、あんな機体をここまでッ・・・」
黒田海軍大臣はジェルドフドスを見て悔しそうに言った。
「これが疑似神姫を長年開発して来た陸軍の実力だよ」
天府陸軍大臣は胸を張ってそう言った。
「いまだにジェット戦闘機を運用し続ける低俗な海軍にはわからんと思うがね」
天府陸軍大臣は黒田海軍大臣を見て笑みながらそう言った。
「い、威張るな!フィトミア博士がすごいだけだ!」
黒田海軍大臣は天府陸軍大臣を見て怒鳴った。
「ケンカなら他所でして。普通に邪魔」
シゼルはそう言いながらジェルドフドスの外装を戻しながらそう言った。




