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十八章 字江摩野島攻撃

同年、五月二日。

ローラが海軍ハ-18番開発局の局長になった。

ローラのもとには海軍専用疑似神姫の誕生を待ち望む海軍の技術者たちが集められた。

シゼルが局長を務めるS.開発局とローラが局長を務めるハ-18番開発局は互いに開発を進めて密かに情報共有を行っていく。


同年、五月五日。

事実上共同開発となったS.520試作三号機の水上試験走行が行われた。

疑似神姫に触れたことがない素人にも使える驚異的な安定性を有していながら一門の高出力エネルギー砲と三門の低出力エネルギー砲を搭載して火力もばっちり。

そして、対地・対艦攻撃などの需要を満たす外付け武装にも対応している。

凄まじい性能を目撃した月浜海軍の軍人はこの試作機に夢を見る。


同年、五月六日。

月浜海軍はキャロル・スウェイル・ロッシュ海軍兵長に字江摩野島(じえまのとう)の攻撃を命令した。

命令を受けたキャロル海軍兵長はS.520試作三号機に搭乗して出撃。

S.520試作三号機は小型カメラを搭載した航空機のラジコンを飛ばして偵察を行いながら慎重に進んでいく。

警戒船の警備網を避けるべく東和海(とうわかい)の北東側にある双子島(ふたごじま)に向かうようを進む。

S.520試作三号機は強烈な寒さと流氷が襲いくる過酷な海を難なく進み、ついに同年、五月七日に字江摩野島沖まで接近した。

そして、午前十時。

キャロル海軍兵長はS.520試作三号機の高出力エネルギー砲を操作して字江摩野島を攻撃。

一発の拡散エネルギー弾が橘花国字江摩野島基地を粉砕した。

それと同時に字江摩野島南部の海で警戒船を追跡していた潜水艦隊が警戒船を一斉攻撃して警備網を破壊。

浮上した月浜海軍潜水空母群から発艦したハチ-50号艦載爆撃機(かんさいばくげきき)が字江摩野島を次々と爆撃。

寄港していた橘花軍の駆逐艦や巡洋艦などに大きな損傷を、アーヴァン王国海軍の戦艦クイーンラーチンに修理不能な損傷を負わせる大戦果を挙げた。


同年、五月八日。

試作疑似神姫とハチ-50号艦載爆撃機が挙げた大戦果が月浜国民に伝わると、亜月開戦論(あつきかいせんろん)が唱えられ始めた。

アーヴァン王国を打ち破って列強諸国の仲間入りを果たせば中立陣営も再び月浜で商売を始めるだろうという考えが広まっていく。

「第九世代疑似神姫の完成と共に開戦ですよね!?これ!」

パトリシアはシゼルを見てワクワクしながらそう言った。

「どうだろうね」

シゼルは設計図を描きながらそう言った。

「中立国から物を買えるようになったらどうしよう!何から買おうかな!」

「昼休憩の時間」

シゼルがそう言うと、パトリシアたちがバラバラと開発局から出ていった。

開発局から人が居なくなると、シゼルは廃材を使って中指ほどの大きさの模型を作り始めた。

模型が完成に近づいた時、月浜四剣士(つきはまよんけんし)の隊長ビゼル・オブ・シーモアが来た。

「お師匠様、またおもちゃ作りですか?」

ビゼルはシゼルを見て笑みながらそう言った。

「ハチ-50号が大戦果上げて盛り上がってるじゃん?」

シゼルは模型を作りながらそう言った。

「そうですね」

ビゼルは模型を見てそう言った。

「ハチ-50号の生みの親として結構嬉しいんだよね」

シゼルは模型を見せて笑みながらそう言った。

「お師匠様は本当に器用ですね」

ビゼルはシゼルを見て笑みながらそう言った。

「お師匠様、本当に苦労してましたから・・・認められてよかったです」

ビゼルは模型を見て笑みながらそう言った。

「ホント、大変だったよ。こんな兵器もう二度と造らないって何度心に誓ったことか」

シゼルは模型を見て笑みながらそう言った。

「お師匠様、月浜はアーヴァンに勝てるでしょうか」

ビゼルはシゼルを見てそう言った。

「あの怪物に・・・」

ビゼルは拳を握り込んでそう言った。

「勝てない」

シゼルはあっさりとそう言った。

すると、ビゼルの拳から力が抜けた。

「お師匠様はいつどんな時も変わりませんね。とても安心します」

ビゼルはシゼルを見て笑みながらそう言った。

「模型もできたしご飯食べに行こうよ」

シゼルはビゼルを見て笑みながらそう言うと立ち上がった。

「はい。どこに行きますか?」

ビゼルはシゼルを見て笑みながらそう言った。

「蕎麦屋いこ。天ぷら食べたい」

「エビの天ぷらあると良いですね」

シゼルとビゼルは楽しそうに話しながら開発局から出ていった。




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